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12月24日
目が覚めると
まだいっちゃんもたっくんも眠っていた
あれから少しずつ夜泣きの回数が減っていき
昨日は怖い夢も見なかった
眠っている二人を起こさないように
そっとベッドから降りて
廊下を抜け居間へ
三人で飾り付けをしたツリーは
見ているだけで幸せな気持ちになる
一人になると不安で
いっちゃんがトイレに行くだけでも泣いていたのに
この日は一人でいても泣くことはなかった
寝室に行けば二人がいる
それがわかっていたからかもしれない
郁美
郁美
郁美
拓郎
二人は慌てた様子で居間まで来て
ツリーの前に座っている私を見つけて
拓郎
郁美
拓郎
あの家を出てからここに来るまでの間
母の元には一度も帰ることはなく
私の下着や洋服なども全て置いたまま
いっちゃんがイ○ンで下着や洋服を買ってくれて
今はずっとそれを着ている
母と一緒にいた頃は
下着も洋服も全部母が選んでいて
それが当たり前だと思っていたけれど
いっちゃんは私に好きなものを選ばせてくれて
この日も自分で選んだお気に入りの洋服着て
三人で出かこることになっていた
たっくんは私のために仕事を休んでくれて
三人でゆっくりと朝食を食べる
いつもよりもゆったりと流れる時間
郁美
美結
拓郎
拓郎
本当はもう決まっていたけど
それを口には出せなかった
私の願いはたったひとつ
このままずっとここにいたい
いっちゃんとたっくんと三人で
ずっとずっと一緒にいたい
それだけだった
お気に入りの洋服に着替えて
郁美
美結
郁美
美結
拓郎
美結
髪にはかわいいリボンを着けてもらって
ウキウキした気分で玄関へ
郁美
拓郎
郁美
いつものようにたっくんの運転で
私は後ろのチャイルドシート
その隣にいっちゃんが座って
私の左手をぎゅっと握ってくれた
郁美
美結
郁美
そう言っていっちゃんが笑う
私も釣られて笑顔になる
どこに行くのかは知らなかった
でも三人でお出掛けする
それだけでワクワクドキドキして
言葉にはしなかったけれど
本当に嬉しかった