携帯は泣いていた(完結)

AM11：58 火曜日

俺は、荒木田 蘇芳(あらきだ すおう) 先月から、緊急事態宣言の延長の延長の～更に延長だな、 うちの会社も、可能な限り在宅ワークする事になり、俺のいる部署も当然、この方針を受け入れる事になった。

彼女は、アシスタントAI機能のcyan (シアン) 他のAIと違い、何故か自我がある。 そのお陰でイライラもするけど、かなり助けられてもいるんだ。

不要不急な外出控えないとだし、こんなたわいも無い会話もあるから、篭もる生活も、過ごせてるんかな...。 機械でも一応...女性だし？

........。

悪かったな!!ぼっちで(´TωT｀) どうせ、3次元の女性とは縁がないやい。

くだらん会話は、エンドレスだし、 キリがないから、コンビニいこ。

俺の住む、マンションから徒歩5分。 毎度のコンビニへ、徒歩で。 いつもなら、チャリで来るがcyanに 健康管理されてるし、

やべ。 又声に出てた!! 俺は慌てて訂正した。 な？怖ぇーだろ？アシスト機能が自ら通話してくんだぜ？ ちなみに、外出先では通話モードで話している。

自宅なら、アシスト機能で、会話でもおかしくないが、外じゃおかしいからな。 Hey！cyan！なんて、やってたらさ。

思えば、数ヶ月前。 ここで携帯を落とし、買い替えたから cyanに出会えたんだよね。

俺は、お握り2個(シーチキン、昆布) お茶1.5ℓペットボトル、カットサラダ、ビターチョコレート、カップ麺、本日のデザートは、生クリームとカスタードクリームが交互に織り成すミルクレープ🎶 を、選びながら、会話を続ける。

セルフレジで購入し、コンビニを後にした。

頭を整理したいし、もっと散歩したくて、いつもとは別ルートで帰る事にした。

実は、この第1不可思議現象に遭遇した、コンビニ前の交差点以外の 第2不可思議現象に遭遇した、公園内にある紫陽花の花壇に、解決後やっと 野次馬達がいなくなったんで、

花を手向けがてら、何か手がかりないか尋ねてみたものの、cyanは反応ないし、俺も全く感じないから今の所 手がかりなし、なんだよね。

思い立ったが吉日、自宅に戻り ササッと昼ご飯を平らげてから バイクで実家に帰る事にした。 天気もいいしね✨ ちなみに、俺は曇り、雨など天候の悪い時は乗らん主義だ!!

久々に乗るETE-MONKEY 125cc。 全くバイク興味なくて、原付をただ、足替わりにしてたんだけど。 一目惚れで、現金一括しちった!! 更に乗る為に小型免許も取っちった!! (*ﾉД`*)ﾀﾊｯ

教習所の教官達にも、125なら中免の方が？て言われたけど、250で乗りたいのないし、 腕力も身長もあまりないから、125が丁度ジャストなんだよね、悲しいけど。

キーを指すと、メーター部分がウインクするみたいに、パチパチして、 エンジンをかけると、振動と共に中々のいいサウンドが聞ける。 ま、マフラー社外のにしたから、余計だけど。

菖蒲みたいに、ガタイもよけりゃ400だろうが、もっと上の大型でも様になるんだけど...。 バイクに乗っけられてる感だけは、嫌だから...あと、コケたら起こせない!! .......どんだけひ弱よ、俺。

バイクのハンドル付近の携帯ホルダーに、cyanを固定しインカムをつけて 出発した。 っても、1時間ちょいもしたら、着くんだけど。

海沿いを、体中に響くエンジン音と振動と、風を感じながらご機嫌に走る。

そうそう。 俺や菖蒲、あとお互いの実家がある県は海、山、川が揃ってる都会と田舎の中間みたいな所でさ。

ある意味中途半端で、ちょっと遊びにいく所は、微妙に近くにないし、 県庁があるギリ都会の今の市に、俺と菖蒲は住んでるってわけ、偶然にも。

実家まで後、5分。 最後に曲がる信号を右折し、大きい国道から脇道へ入った。

( 'ω')/ ﾊｲ!これが、俺の実家。 1Fの中央が、うちの母親が俺が小学3年かな？辺りで1人で始めて、今に至る「Cafe COLORS」 昼間は珈琲＆軽食、夜はちょっとしたBARになったりする(夜は、気分で開店) あと両隣は居酒屋と、ラーメン屋に、 テナントとして貸していて、2F、3F部分は、住居になっている。

カウンター越しの母親が厳選した豆をミルで引き、サイフォン器具一式で ゆっくりゆっくり抽出するのを、何時間でも見れた。

常連のお客さん達が可愛がってくれるのもあるけど、母親の近くにいられるのが嬉しかったんだよね、あ、小学生の頃の話な。 俺が生まれてすぐ離婚し、土地勘もない、この町に引っ越し、今じゃ、これだけの城を手に入れた訳だが、

あ、ちなみにこいつ、紹介しとくな。

遠野 菖蒲(とおの あやめ)幼なじみで今も腐れ縁でつるんでるけど、実家は不動産業を営んでて、 母親が、この町に引越しして来た時 アパートを紹介したのが、縁の始まりらしい。

離婚した父親側(顔も何も覚えてない)からは、何も援助ないから昼夜働かないとで、途方に暮れていたら、 菖蒲の家で、朝方帰って来るまで、俺を見てるから安心して働けって、背中を押してくれたらしい。

本当、菖蒲のおじさん、おばさんには感謝しかないて、口癖のように言うんだ。 そそ菖蒲は、3人兄妹の長男で(あの世話焼きっプリ、納得だろ？)分け隔てな接してくれたから、 俺が変にひねくれたり、引きこもりにならずにすんだってゆー昔話さ。

店のドアにCLOSEの看板が出ていて、中に入れないから 裏に周りに住居へ繋がるドアを明け階段を登る事にした。