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私が彼と別れた理由

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私が彼と別れた理由

2 - 私が彼と別れた理由 後編 -終わりと始まり-

♥

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2022年06月05日

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今日は教科書がなくなってしまいました ゴミ箱にも入っていません ノートならまだなんとかなるのに 教科書がなくなってしまっては困ります

何冊も気軽に買えるものではないのです 先生たちはきっともういじめに気付いてるでしょう だけど、なにも言われません

彼らは静かに私が不登校になるのを待っています 悲しいことですが、仕方ありません 誰も助けてくれないし どこにも救いはありません

でも、いいんです 拓馬くんがいるから 私はまだ頑張れます

拓馬

りお

りお

拓馬くん

りお

どうしましたか?

拓馬

ちょっと、話したいことがあって

拓馬

この後時間ある?

りお

もちろんです!

久しぶりのデートです 何を話しましょう? 何処に行きましょう?

いえ、なんだっていいのです 拓馬くんさえいれば

拓馬

別れよう

りお

……え?

拓馬

俺たちもう別れよう

りお

ど、して……

りお

私の事嫌いになっちゃいましたか?

りお

どこかダメなところがありましたか

りお

私、なおしますから!

拓馬

そうじゃなくて

りお

もしかして

りお

学校のこと、聞いたんですか?

りお

私なら大丈夫ですよ!

りお

拓馬くんが気にすることじゃないんです

りお

いじめなんて、そのうち終わります

りお

だからっ!

拓馬

ごめん

りお

嫌です

りお

やだ……

りお

やだよぅ……

今にして思えばなんてバカだったんでしょう 学校を変えて そのまま拓馬くんと付き合えばよかったのに

そんなことすら思いつかなかった私は フラれて ぼろぼろになって引きこもりました

もう、何もないと思ってました もちろんそんなことはなくて 両親は私のことをしっかりと考えていてくれました

両親の提案で引っ越すことになり 私は別の学校に通うようになりました

ゆっくりと 少しずつ色んな感情が戻ってきます

泣かなかったんじゃない 泣けなかった 逃げなかったんじゃない 逃げられなかった

そんな簡単なことに気づけないくらい追い詰められていた 大学に進学して ようやくあの頃のことを 冷静に見つめなおせるようになりました

りお

ただいま

お母さん

おかえりなさい

お母さん

あのね、りお

お母さん

これ

お母さん

あなたが元気になったら渡してくれって言われてたの

母から渡されたのは一通の手紙でした そこには懐かしい彼の字がありました

拓馬

りおへ

拓馬

久しぶり

拓馬

元気になりましたか?

拓馬

具合はよくなりましたか?

拓馬

今更、なんだよって思われるかもしれないけど

拓馬

どうしても諦められなかったから

拓馬

お母さんに手紙を頼みました

拓馬

あの時は、本当にごめん

拓馬

俺はりおが傷ついてるのに気づいてたのに何もできなかった

拓馬

いや、見てるのが辛かった

拓馬

俺のせいでりおがどんどん弱っていくのを

拓馬

見ていられなかった

拓馬

だから、お別れしました

拓馬

俺のことがなくなれば

拓馬

りおも頑張らなくてよくなる

拓馬

きっと元気になる

拓馬

そう信じてます

拓馬

……でも

拓馬

俺、まだりおのこと好きなんだ

拓馬

こんなことなかったら、絶対別れなかった

拓馬

だから、待ってます

拓馬

番号はずっと変えない

拓馬

まだ俺に気持ちがあるなら、連絡ください

りお

……拓馬くん

私はスマホを手に取り

彼の名前をタップしました

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