元々、涼しげのある顔だと言われて育ってきた
無表情だと、言われて育った
まるで、氷のような子だと
言われる内にだんだん自分ですらそう認識してきて
初めましての人に「凛々しい顔だね」と言われるのも慣れてきた
まあ、確かに
元々平熱は低い方だし
冷え性で手はずっと冷たかった
だんだん、心の方まで凍ってきたみたいな
そんな感覚がして
秋と冬の境目の
暖かい気温に冷たい風が好きだった
ちなみに、夏に重宝された
正直、そんな過去があるから人肌が苦手だ
対する彼は
ぞっとするほど暖かかった
もう、それはそれは、怖くなるくらい
あれも、まだ寒い冬だった
ふと、手が触れて、驚きすぎて、すぐに引っ込めてしまったのを覚えている
一瞬でも人肌に触るのが嫌だった
それくらいには嫌いになってた
対する彼も驚いていたけど
私とは、違う驚き方だった
「え、冷たい」
まぁ、だろうなと思う
「いいな、その冷たさ」
耳を、疑った
「俺、平熱高くてさ」
なんて、苦笑いする彼が
いつも笑っている彼とは違う人間に見えて
平熱がいつもより上がった気がした
「じゃあ…涼む?」
人肌が嫌いな私とは思えない提案
「…いいの?」
なんて、恐る恐る触れてきた
しばらく繋いで、ゆっくり離された
本当に、熱かった
手を離しても、残るくらい
なんだろ、この感じ
まるで、人肌で火傷してしまいそう
でも、全然痛くない
コメント
3件
正反対の2人が徐々に距離を縮めていくとこがめちゃくちゃ最っ高!!!そして語り手ちゃんが可愛い!!! 確かに冷たすぎる人と暖かすぎる人が触れ合ったら火傷しそうな感じだけど火傷しない、それが素敵すぎる🥰🥰 2人の距離がもっと近くなりますよーに……!!!