愛菜
...あっ!
ハルキ
!
紗夜
...!
愛菜
こっち...です!
ハルキ
愛菜...
愛菜
あ、紗夜さんも、座ってください
紗夜
あ、はい...
紗夜とハルキは隣に座り、正面に愛菜が1人座っていた
愛菜
あの...っ
愛菜
今回の件、本当にごめんなさい。
愛菜
すみませんでした...!!
ハルキ
...謝って許される問題じゃない事は分かってる?
愛菜
...はい
愛菜
分かってます
愛菜
だからといって、何も言わないのは人としてどうかと思って。
紗夜
.......
愛菜
紗夜さんも、本当にごめんなさい。
ハルキ
どんな弱みを握ったのかはしらないが
ハルキ
奴隷として扱われた紗夜の心の傷は消えない
愛菜
分かってます...
紗夜
私なら、もう平気です。
紗夜
愛菜さんには、確かにひどい扱いを受けたけど、
紗夜
私も同罪だから...!
紗夜
愛菜さん、私の分も罪を背負ってくれましたよね?
愛菜
...!
紗夜
私もいつかは捕まると心では分かっていた。
紗夜
だけど警察は、いっさい私を調べなかった。
紗夜
愛菜さんが私の罪も被ってくれたからです。
ハルキ
だけど元はと言えば愛菜が...っ!
紗夜
そうだけど、
紗夜
私が悪くない事にはならない。
紗夜
愛菜さんは私の罪を被ってくれた。
紗夜
それでおあいこにしません?
愛菜
紗夜さん...っ!
ハルキ
わかった。
ハルキ
紗夜がそれでいいなら、俺もいいよ。
愛菜
ありがとうございま―
ハルキ
その代わり
ハルキ
俺達には二度と関わらないと約束してくれ。
愛菜
...分かりました
ハルキ
...あれでよかったのかな?
紗夜
いいんだよ
紗夜
話した感じ、愛菜さん、反省してたし。
紗夜
そこまでキツく縛ることは無いと思う
ハルキ
まぁ、紗夜がそう言うなら...
ハルキ
(紗夜は、本当に優しい)
ハルキ
(時々、なんでだろうって思うくらい性格の良さを感じる。)
ハルキ
(どれだけ愛菜から酷い事をされたのか...)
ハルキ
(いや、きっと生まれながらの性格の良さなんだろうな。)
紗夜
どうしたの〜?
ハルキ
ううん、紗夜の性格がいいなと思って
紗夜
なにそれ〜!笑
ハルキ
あはは
紗夜はすごく性格がいい
それはすごくいい事なんだけど、
その性格の良さが、裏目に出てしまう事もある
ピコン♪ピコン♪
ハルキ
紗夜?
ハルキ
さっきからすごいスマホ鳴ってるけど、
紗夜
あ、あぁ...
紗夜
これね...
ハルキ
どうしたの?
紗夜
実は...
紗夜
会社の同僚から告白されて...
ハルキ
...!
紗夜
断ったんだけど...
紗夜
しつこく連絡が来て...
ハルキ
俺が見てもいい?
紗夜
いいよ
紗夜の同僚
紗夜ちゃん、
紗夜の同僚
俺やっぱり紗夜ちゃんじゃないとダメだよ
紗夜の同僚
もう一度考え直してくれないかな?
紗夜の同僚
俺の告白をずっと断るって事は、
紗夜の同僚
もしかして彼氏とかいるの?
紗夜の同僚
紗夜ちゃん?
ハルキ
...!
紗夜
.......
ハルキ
こんなに...?
ハルキ
彼氏がいるって、言うのは?
紗夜
でも、言ってない時点でそこまで言い寄られてるのに、
紗夜
彼氏がいるなんて言ったら、何してくるか分からないじゃない...
ハルキ
確かに...
ハルキ
(まるで愛菜だ)
ハルキ
(恐怖で紗夜を支配するつもりか?)
愛菜
『ハルキくんが愛してるのは私だよね!!?』
ハルキ
(考えたくもない...)
ハルキ
とにかく、今はスルーだ。
ハルキ
ほんの些細なことでもいいから
ハルキ
何かあれば俺に言ってくれ
紗夜
わかった
紗夜
ありがとう
彼女はとても綺麗で、性格もいい。
だからこそ、危険なのだ
これほどの女性が身近にいれば、男は放っておけないだろう
頼むから、紗夜には何も起こらないでくれ。
そう願う事しか出来なかった
とある日、ハルキ帰宅時間
紗夜
...ください!
ハルキ
ん?
ハルキ
紗夜...?
紗夜
離してください...っ!
ハルキ
!!
紗夜が男に腕を掴まれていた
紗夜
やめっ...て!
紗夜の同僚
なんでだよ紗夜!
紗夜
着いてこないで!
ハルキ
おい!
紗夜の同僚
!?
紗夜
ハル―
紗夜
(...そうだ)
紗夜
助けてください!この人が...!
紗夜の同僚
ま、ま待ってくれ!
紗夜の同僚
俺は別に...!
ハルキ
(助けてください...?)
ハルキ
(あぁ、そういう事か)
ハルキ
君、この女性の恋人か?
ハルキ
しつこい事をするのはやめろ!
紗夜の同僚
恋人かって...!
紗夜の同僚
お前は誰だよ!
ハルキ
僕は彼女の隣の部屋のものです
紗夜の同僚
彼氏じゃないのか...
紗夜の同僚
ちぇっ...もういいよ。
男が去っていくのを確認すると紗夜は ほっとした顔で笑った
紗夜
ふふっ
紗夜
ありがとう!
紗夜
よくあの状況で私の考えが理解出来たね!
ハルキ
まあね
ハルキ
今ここで俺が彼氏だと言ったら
ハルキ
同じ家に住んでる事も、家の場所も、
ハルキ
全てがバレていたし、危なかったしね。
紗夜
ありがとうハルキ!
ハルキ
当たり前だよ。
―当たり前だ。
もう、あんな思いはしたくない。
彼女は絶対に俺が守る。