風都(かざと)
風都(かざと)
星崎が外から戻って来ると、
風都が引き攣った笑みを浮かべ
そう聞いてきた。
星崎(ほしざき)
星崎(ほしざき)
星崎は薄手のコートを脱ぎながら答えた。
風都(かざと)
風都(かざと)
星崎(ほしざき)
星崎(ほしざき)
聞かれて一瞬、
風都の目が泳ぐ。
風都(かざと)
風都(かざと)
星崎(ほしざき)
風都(かざと)
星崎(ほしざき)
星崎(ほしざき)
星崎が足元を指差したので、
恐る恐る視線をむけると、
黒い虫が横切って行った。
風都(かざと)
風都は物凄い勢いで
星崎の後ろに回る。
星崎(ほしざき)
星崎(ほしざき)
星崎(ほしざき)
やれやれとため息をつく星崎。
風都(かざと)
風都(かざと)
風都は追い縋るように
星崎のシャツをギュッと握り締めた。
星崎(ほしざき)
風都(かざと)
星崎(ほしざき)
そう言った瞬間、
風都の目の色が変わる。
風都(かざと)
星崎(ほしざき)
風都(かざと)
風都は嬉々として
秒で虫を殺し、
無事3万円をゲットした。
・
・
一騒動が終わった昼過ぎ。
風都がソファーの上で
うたた寝しかけていると
事務所の扉が開き
若い女性が顔を覗かせた。
栄田(さかえだ)
栄田(さかえだ)
風都(かざと)
風都は飛び起きて、
すぐに女性を招き入れた。
栄田(さかえだ)
風都(かざと)
風都(かざと)
栄田(さかえだ)
風都(かざと)
風都(かざと)
風都は人懐っこい笑みを浮かべ、
先程まで自分が寝そべっていた
ソファーに女性を座らせた。
女性は座る前、
一瞬窓際にいる星崎の方を見たが、
彼は素知らぬ顔で本を読んでいた。
風都(かざと)
風都(かざと)
星崎(ほしざき)
風都(かざと)
星崎(ほしざき)
風都(かざと)
風都(かざと)
風都(かざと)
再び聞かれて女性は
おずおずと
栄田(さかえだ)
と答えた。
風都(かざと)
風都(かざと)
風都(かざと)
風都(かざと)
栄田(さかえだ)
手渡されたタブレットには、
依頼人の名前や住所、
依頼内容の記入欄があり、
最後に報酬について記載されていた。
女性が入力し始めると、
事務所の中に
ふわりとコーヒーの良い香りが漂ってきた。
栄田(さかえだ)
そして、
入力が終わると同時に、
風都がコーヒーを持ってきた。
風都(かざと)
栄田(さかえだ)
風都(かざと)
星崎(ほしざき)
風都(かざと)
風都は女性の前に腰を下ろした。
風都(かざと)
栄田(さかえだ)
女性はタブレットを風都に返す。
風都(かざと)
風都(かざと)
風都(かざと)
風都(かざと)
風都(かざと)
栄田(さかえだ)
女性─栄田はペコリと頭を下げた。
風都(かざと)
風都(かざと)
風都(かざと)
風都は手元のタブレットに視線を落とす。
栄田(さかえだ)
栄田(さかえだ)
栄田(さかえだ)
風都(かざと)
栄田(さかえだ)
栄田(さかえだ)
しどろもどろする栄田を見て、
風都はニッと笑みをこぼした。
風都(かざと)
栄田(さかえだ)
そう言って語尾を濁す。
風都(かざと)
風都(かざと)
風都(かざと)
風都(かざと)
風都(かざと)
栄田(さかえだ)
風都(かざと)
栄田(さかえだ)
風都(かざと)
風都(かざと)
栄田(さかえだ)
栄田(さかえだ)
風都(かざと)
風都(かざと)
栄田(さかえだ)
二人がやり取りしている間、
星崎は相変わらずのんびりと
コーヒーを飲みながら
本を読んでいる。
風都(かざと)
栄田(さかえだ)
その言葉が聞こえたかどうか
定かではないが。
星崎は不意に顔を上げ、
パソコンの画面を見る。
そこには、
栄田が送ってきた
捜査対象の写真が表示されていた。
その優しそうな雰囲気をまとった
爽やかな男性を見て、
何故か星崎は
眉間に皺を寄せた。
星崎(ほしざき)
風都(かざと)
風都(かざと)
星崎(ほしざき)
栄田(さかえだ)
風都(かざと)
風都(かざと)
星崎(ほしざき)
そして、
再び視線を本に落とした。
風都(かざと)
風都(かざと)
風都(かざと)
栄田(さかえだ)
栄田は困惑の表情を浮かべながらも、
小さく頷いた。
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・
星崎は依頼人の栄田が帰ってから
ずっとパソコンを操作していた。
風都(かざと)
風都(かざと)
星崎(ほしざき)
星崎はパソコンから目を離すことなく、
しばし考える。
星崎(ほしざき)
風都(かざと)
星崎(ほしざき)
星崎(ほしざき)
風都(かざと)
風都は首を傾げる。
星崎(ほしざき)
風都(かざと)
星崎(ほしざき)
星崎(ほしざき)
風都(かざと)
風都は何か察したらしく、
やれやれとため息をこぼした。
風都(かざと)
風都(かざと)
風都の不安をよそに、
星崎は珍しく上機嫌で
パソコンの画面を見つめていた。
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