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#恋愛
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鏡の間・夜
ロゼリア
扉のように開いた鏡。
その向こうには、奥行きある“闇”が、黙って二人を待っていた。
ロゼリア
ノエル
鏡の中へ、二人は足を踏み入れていった。
鏡の裏の隠し部屋・夜
瞬間、空気が冷たくなった。
ロゼリア
薄暗い隠し部屋。
壁際には、白布がかかった物体がいくつも並ぶ。
ロゼリア
ノエル
ロゼリア
ロゼリアは喉を鳴らした。
──嫌な予感。
胸の奥から、じわじわ這い上がってくる。
ロゼリア
ロゼリアは、手前の物体へ近づいた。
白布の端をつまんで、一気に引く。
ロゼリア
布の下にあったのは──
──大きな人形
白い肌。閉じた瞼。
等身大の、少女の人形。
顔も髪も体型も、今のロゼリアと全く同じ。
ロゼリア
ロゼリア
ノエル
ロゼリア
返事はない。
ロゼリアは、もうひとつの布を剥いだ。
また、ロゼリア。
その隣も。
そのまた隣も──
──全部。
全部、ロゼリアと同じ顔だった。
ロゼリア
ロゼリア
ロゼリアは一歩後ずさる。
ロゼリア
ロゼリア
ノエル
黙っていたノエルが、口を開いた。
ロゼリア
ノエル
ノエル
その一言で、胸の奥が凍った。
ロゼリア
ロゼリア
ノエル
ロゼリア
ノエル
ロゼリア
ロゼリアは、近くの一体の肩を掴んだ。
冷たい。硬い。生きていない。
でも顔だけは、自分だった。
ロゼリア
ロゼリア
ロゼリア
ロゼリア
叫びが、部屋の中に反響した。
並んだ顔は、誰一人まばたきもしない。
ノエル
ロゼリア
近づこうとしたノエルの足が止まる。
ロゼリア
ロゼリア
ロゼリア
ノエル
ノエルは近づかなかった。
その代わり、少しだけ声を落として言った。
ノエル
ロゼリア
ノエル
ノエル
ノエル
ロゼリア
ノエル
ロゼリア
ロゼリアは、布を握りしめてうつむいた。
それからポツンとつぶやいた。
ロゼリア
ロゼリア
ノエル
ロゼリア
ロゼリア
ロゼリア
言いかけて、喉が詰まった。
泣きそうだった。
ノエル
ロゼリアの姿を見て、ノエルは少し考える。
それから、ゆっくり口を開いた。
ノエル
ロゼリア
ノエル
ノエル
ノエル
ロゼリア
ノエル
ノエル
ノエル
ノエル
ロゼリア
ロゼリア
ロゼリア
泣き出すロゼリア。
ノエル
ノエルは黙ったままだった。
その沈黙が、また答えでもあった。
鏡の裏の隠し部屋・夜
しばらくして、ロゼリアが立ち上がった。
ロゼリア
ロゼリア
ロゼリア
涙をぬぐう。
ロゼリア
ノエル
ノエルが手提げ灯に火を入れる。
明るくなった部屋。
ロゼリアは辺りを見渡し、そして気づいた。
ロゼリア
ロゼリア
ノエル
部屋の奥には、木の机と棚があった。
畳まれた布。液体入りの瓶。工具類。
ロゼリア
ノエル
机の物を触ろうとしたロゼリアを、ノエルが止める。
ノエル
ノエルが指したのは、机の脇の燭台。
そこから、ロウが垂れていた。
ロゼリア
ノエル
ロゼリア
背筋が冷えた。
この部屋は、昔の秘密じゃない。
今も…今この瞬間も。
現在進行形で、誰かが使っている。
──コト
小さな音がした。
ロゼリア
ノエルがすぐ、ロゼリアの前へ出る。
ロゼリア
ノエル
そこにいるのは、動くことのない人形たちだけ。
ロゼリア
ロゼリアは息をひそめた。
そのどれかが、今にも目を開けそうで、
たまらなく気持ち悪かった。
ノエル
手提げ灯を消しつつノエルが言った。
ロゼリア
開いた鏡の入口へと急ぐ二人。
燭台で、やわらかいロウが一滴、垂れた。
ここを知っているのは、わたしたちだけじゃない。