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#怪異
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コメント
4件
うわあ……重い、読んでて胸がぎゅーってなったよ。 夏樹の「手段を選んでる余裕がない」って言葉、正論なのに冷たくて怖い。でも最後の「次の授業遅れる」は、ちゃんと千尋を気遣ってるんだよね……それに千尋が気づけなかったのがまた切ない。 教室のシーン、穴越さんの死がただの噂話になってる感じがリアルで嫌だった。そして教頭が飛び込んできたときのあの一瞬の静寂と、「人が死ぬことに慣れてしまった」っていう千尋の独白が刺さる……。 連鎖って本当に止まらないんだなって思った。
夏樹
夏樹
夏樹
開け放った廊下の窓から
中庭を俯瞰していた夏樹は
いつものガムを噛んでいた
と
夏樹のもとに駆け込んでくる生徒の姿があった
千尋
小さいが鋭い声だった
夏樹はちらと千尋を見る
夏樹
夏樹
夏樹
千尋
千尋
千尋
落ち着き払った夏樹とは対照的に
膝に手をつき
大きく肩を上下させている千尋だった
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹は人影の往来を
ぼーっと見下ろしている
そうしながら
平板な口調で語る
千尋
千尋は問いただすように言った
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹は細い目を閉じて
残念そうに鼻で深い息を吐いた
千尋
千尋
千尋
千尋
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
千尋
まだ迷っている千尋の言葉を受けて
夏樹は彼女に向き直る
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
千尋の心の中に
冷たいトゲが刺さった
千尋は夏樹の前で
頭を垂れた
千尋
夏樹
夏樹
その言葉が千尋に対する夏樹の配慮だということに
彼女は気づかなかった
夏樹は再び窓の外に目をむける
チャイムはあと30秒ほどで鳴る
千尋はその場に背を向けて走り出した
昼食時間
朝の重い空気は
相変わらず潰えることがなかった
来海
陽菜
来海
来海
陽菜
来海
来海
陽菜
来海
陽菜
顰めたような声の噂話
その一文字一文字が
千尋の耳に流れるように入ってくる
言葉の流れは静脈を辿って心臓にたどり着き
刺すような痛みを感じさせる
自分が
少しずつ蝕まれていく
千尋
窓際で
たったひとりの食事
ふと顔を上げればそこに彼女——
弓美がいるはずだったのに
そこには何もない
ただ
機械的な食事の風景と
テンションの高いグループが
アハハハハハと大笑いを上げるだけの
光景があるだけだった
だが
それは千尋にとって
なんら意味を成さない
そんな無機質な教室のドアが
バン! と開かれた
息を切らしながら
バーコードヘアを乱した
教頭が教室に飛び込んでくる
一瞬
クラスのおしゃべりが止んだので
千尋は虚な目を教卓に向けた
教頭
教頭
和やかな教室の空気が
一瞬で瓦解した
方々でどよめきが上がる
教頭
教頭はこれからの動きについて
訥々と具体性の欠けた説明を始めた
そして最後には
とってつけたように
教頭
教頭
教頭
教頭
教頭
千尋は食べかけの昼食を
目を凝らして見つめていた
自分にとって
大切な人間たちが
次々と失われていく
死んでしまったということに対する実感が
もはや悲しみになんの影響も与えなかった
悲しむ理由さえも
見失いかけていた
千尋
あるいは
人が死ぬことに
慣れてしまったのかもしれない
そう思うのだった