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芽生

ここ来たかったんだよねー

芽生

なんで十和、分かったの?

十和

だって芽生、ずっとここのサイトばっか眺めてたし

芽生

ふふ、そっか

芽生

とーおわ

十和

ん〜?

芽生

お腹空いたでしょ?なんか食べに行こ

十和

もーちょっと

芽生

ほんと十和って私に甘えるの好きだね

十和

…芽生も甘えられるの好きでしょ?

芽生

…ま、そうなんだけどぉ

十和

…芽生

俺は芽生の方に向き直して、頬に手を添え、撫でる

芽生

芽生が目を閉じて、俺は───

十和

っだぁっ!!!!

十和

(あっっっ…ぶねええええ)

十和

(さすがにダメだ、いけない感じがしすぎる)

十和

(でも寝たら現れるとか不可抗力だし───)

十和

…っ……なんなんだよ、ほんとに…っ

十和

(………でも、そうか)

十和

(あの世界の俺は俺とは違う人間だ)

芽生

おはよー十和ー

十和

…おはよう

十和

今日帰り話したいことあるんだけどいい?

芽生

芽生はスマホから顔を上げると露骨に驚いた表情をする

芽生

…何?今言ってよ

十和

後で、長くなるから

芽生

…別れたいの?別れ話なら短く済ませて欲しいんだけど

十和

っへ、いや、うーんと…違うよ

芽生

何その間!

十和

違うって

学校でも唯兎と雨莉は必要以上に芽生に話しかけたりしなかった

芽生

十和ー?早く行こ

十和

…うん

居心地は悪くないし、芽生といるのは好きだけど

十和

(…でも)

あっちの2人の、寂しそうな顔を見て、俺も寂しくなる

十和

(…早く本物の芽生が戻ってくればいいのに)

芽生

…で、何

芽生

別れたいなら早く言って、別にいーから

十和

…なんでそんな卑屈なの?

芽生

…卑屈?

十和

別れ話なら俺は真剣にしたいよ

十和

それに、芽生もほんとはサラッと終わりにするのなんてやだって顔してる

俺はどうしようもなく、強がりな芽生に触れたくて

だけど芽生は本当は俺の恋人じゃないから、きっとそれはいけないことだ

芽生

…やっぱり別れ話なの?

芽生は上目遣いでこちらを見ていて、少し瞳が揺らいでいる

十和

…違うよ

十和

(…場合によってはもっと深刻だけど)

十和

芽生ももう、違和感持ってると思うけど…

十和

びっくりしても、最後まで聞いてね

芽生

芽生

…つまり……?私は今、全然違う世界の十和と話してるってこと?

芽生

それで、十和は夢の中で私たちを見て、私のことを知ってるってことだよね…

十和

可能性が高い

芽生

な、なにそれ…あんま信じられないんだけど

十和

…うん、だろうね

十和

でもおかしーとこはいっぱいあったでしょ?

芽生

…うん、まあ……ていうか、十和もちょっと違うし

十和

俺?

芽生

うん、いつもみたいに甘えてこないし…

十和

ああ…あれか

芽生

さっきも、別れ話のこととか真剣にしてた

十和

え、俺しないの?なんかやなんだけど

芽生

十和は私がああ言ったらきっと…すぐに否定してくれると思う

十和

芽生

さっさと終わらせるとか言わないでよ〜俺別れたくないよ?芽生は違うの?

芽生

…とか

十和

鳥肌なんだけど

芽生

あははっ全然違うね、あなたとは

十和

…うん、まあ、言ってる想像はつくね

十和

もう1人の俺のことも夢で見たし

芽生

でしょ?私の気持ちなんて当ててこないよ、きっと

十和

当ててほしいんだ?

芽生

うるさい

十和

…変なやつだね、アイツ、芽生のこと好きなくせに

十和

芽生の気持ちには気が付かないの?

芽生

でしょ?ほんと、楽だから私と一緒にいるだけなんだろうなー

十和

俺は夢で入り込んだアイツの声や仕草、視線を思い返す

十和

…そんなことないよ

十和

芽生のことしか頭にないくらい好きだよ、きっと

芽生

何それ恥ずかしい、告白のときもそんなこと言わなかったのに

十和

俺は言えないんだよ

十和

…今だって、"俺じゃない俺"のことだから分かるんだ

十和

こっちの俺自身は芽生のこと好きかも分かんない

十和

恋したら辛いとかドキドキするとか、あんま分かんないし

十和

俺のそばにずっといなくたっていいから、幸せになって欲しい

芽生

十和

ん?何?

芽生

…偏った意見だね、それは

芽生

恋は必ずしも熱烈的なわけじゃなくていいと思うの

芽生

…叶うなら一緒に幸せになりたい

芽生

…でも、ふとした時に頭に浮かんで、笑顔を見ると自然に自分も笑みが溢れて

芽生

…ただ、誰よりも幸せでいてくれたら、それが1番の願い

芽生

そういうのも、恋愛なんだよ…きっと

十和

十和

十和

…じゃあ俺、芽生のこと好きなんだと思う

自然と口から滑り落ちた言葉を、俺は知っていた

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