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#恋愛
工房・夜
ロゼリア
三人が囲む机の上には、焼け焦げた日記帳。
ページをめくると、パリと焦げた紙が音を立てる。
ロゼリア
ロゼリアは唇を噛んだ。
グレッタ
グレッタ
ロゼリア
ロゼリア
ノエル
ノエル
ロゼリア
ロゼリア
それだけで、ロゼリアの心は踏みとどまれた。
グレッタ
グレッタ
ロゼリア
ロゼリア
ロゼリア
グレッタ
ロゼリア
ロゼリア
その時だった。
──カタッ…
入口の方で、小さな音がした。
ノエルが立ち上がり、ロゼリアをかばうように警戒する。
グレッタ
老女が立って、部屋を出た。
──沈黙
グレッタ
声が聞こえて数秒後。
グレッタ
ノエルが先に歩き、ロゼリアもそのあとを追う。
ロゼリア
工房の入口脇に、一通の封書が落ちていた。
その下に、赤糸で『花の刺繍』が隅に入ったハンカチ。
ロゼリア
ロゼリアは息をのんだ。
ノエル
ロゼリア
ロゼリア
グレッタ
グレッタ
グレッタが封書をつまみ上げた。
ノエル
ノエル
ロゼリア
グレッタ
グレッタは一度だけ封書の裏を確かめた。
グレッタ
ロゼリア
グレッタ
ロゼリア
ロゼリアの喉が、ひくりと鳴った。
グレッタ
グレッタが封書を開き、中の紙を取り出す。
グレッタ
グレッタ
ロゼリア
グレッタ
ロゼリア
不穏な言葉の連続に、背筋が冷えていく。
ノエル
ノエル
グレッタ
ロゼリア
ロゼリア
ロゼリア
グレッタ
ロゼリア
グレッタ
ロゼリア
ノエル
ロゼリア
ノエル
ノエル
ノエル
ロゼリア
近衛兵が「警備を強化する」と話していたのを思い出す。
ロゼリア
ロゼリア
ノエル
ロゼリア
ロゼリアは密書を睨んだまま、動かない。
呼吸だけが浅くなる。
ロゼリア
ロゼリア
ノエル
グレッタ
ロゼリア
ロゼリア
ノエル
ロゼリア
グレッタ
グレッタ
グレッタ
ロゼリア
ロゼリアは大きくうなずいた。
そしてノエルに向き直る。
ロゼリア
ロゼリア
ロゼリア
ノエル
ノエル
ノエル
ロゼリア
ロゼリア
ノエル
ロゼリア
ロゼリア
ノエル
ロゼリア
ロゼリア
ロゼリア
ロゼリアは強がるように笑った。
ノエル
しぶしぶながらノエルも納得したようだ。
ロゼリア
ロゼリア
ノエル
ロゼリア
ロゼリアは日記帳に視線を落とした。
ロゼリア
ロゼリア
ロゼリア
ロゼリア
グレッタ
ノエル
ノエルは机の端へ灯りを寄せた。
ロゼリアは焼けた日記帳を開く。
ロゼリア
読める文字は多くない。
それでも必死に言葉を拾い、頭へ刻んでいった。
工房・夜
ロゼリア
日記を読み終えたロゼリアが、覚悟を決めた。
ロゼリア
ノエル
ノエル
ロゼリア
ノエル
ノエル
ノエル
複雑な表情で、ノエルが言った。
ロゼリア
ロゼリアは息を吐き、左腕を見た。
白い肌。細い継ぎ目。人間の腕ではない。
ロゼリア
思わずこわばるロゼリア。
ノエル
ロゼリア
ロゼリアは椅子から立ち上がった。
白い左腕を、作業台の角へ、力の限りに打ちつけた。
──パキンッ!
ロゼリア
痛みに耐えきれず、床へ崩れる。
ノエル
ノエル
ノエル
ノエルの声が遠くなるなか、スッと意識が薄れていった。
宮殿近くの路地・夜
ロゼリア
気がつけば、石畳の上に倒れていた。
慌てて宮殿のほうを見る。
ロゼリア
ロゼリア
左腕が痛い。割れている。
ノエル
ノエル
ノエルの顔は青ざめていた。
ロゼリア
ノエル
ロゼリア
ノエル
ロゼリア
ロゼリア
ロゼリア
ロゼリア
ノエルの目が、傷へ落ちる。
それだけで、何かを察した顔になった。
ノエル
ノエル
ノエルは銀糸を取り出すと、ロゼリアの左腕を優しく持ち上げた。
宮殿内・夜
ノエル
ロゼリア
前回と同じく裏門から侵入した二人。
警備の目をかいくぐり、西回廊の隅へと到着。
目の前には、大きな扉。
ロゼリア
鏡の間・夜
重い扉の向こうには──
──鏡、鏡、鏡。
広い部屋には、大小様々な鏡が置かれていた。
ロゼリア
ロゼリア
月から差し込む淡い光を、鏡が何重にも返している。
ロゼリアの白い姿も。ノエルの影も。
全部が少しずつ、ずれて写り込む。
ノエル
ロゼリア
ロゼリア
ノエル
言い切るロゼリアに、ノエルが少し驚いた。
ロゼリア
ロゼリア
ロゼリア
ロゼリア
ノエル
ロゼリア
ロゼリア
ロゼリア
ロゼリア
ロゼリア
ノエル
二人は鏡の列のあいだを進む。
静かすぎて、靴音だけが響く。
最後の一枚の前で、ロゼリアは立ち止まった。
ロゼリア
とても大きく、古い鏡。縁飾りが黒ずんでいる。
ロゼリア
映っているのは、白い人形の少女。
ロゼリア
鏡の中の“女帝”
鏡の少女に、冠を載せた“女帝”が重なった。
ロゼリア
瞬間、鏡面が揺れる。
中央に裂け目がまっすぐ入ったかと思うと
──ギィッ…
ロゼリア
鏡が開いた。扉のように。
その向こうには、真っ黒な“闇”が広がっていた。