織田作之助
うそだ、うそだ、うそだ、うそだ、うそだ、うそだ、うそだ、うそだ、うそだ、うそだ……
違う。両親は太宰が殺した。
憎くて殺した。
そうじゃないと、物語が狂ってしまう……!
太宰治
太宰治
太宰治
威勢よく怒鳴ってみるが、声は震えていた。
そして、父親の自慢の息子という一言が耳にこびりついている。
太宰治
太宰治
太宰は大粒の涙を落として、膝から崩れ落ちる。
中島敦
敦が太宰を抱きしめる。
中島敦
太宰治
中島敦
中島敦
敦の目は優しかった。
それと同時に切なそうで、目を細めていた。
中島敦
中島敦
中島敦
中島敦
太宰治
かすれた吐息のようなものが涙とともにもれる。
織田作之助
織田作之助
織田作之助
織田作之助
二人の言葉が胸を優しく撫でる。
じわ、と涙が止まらない。
中島敦
中島敦
中島敦
中島敦
中島敦
中島敦
中島敦
織田作之助
織田作之助
織田作之助
織田作之助
織田は墓石を指さす。
両親の笑った顔が鮮明に浮かび上がる。
太宰治
墓石に抱きつくように、そして子供のように
両親を呼びながら、わんわんと泣いた。
その横で敦も声を出して涙を流していた。
父母の愛に喜ぶ子供のように、父母の愛を自覚した子供のように……
コメント
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なんか自分がやってることが恥ずかしくなるぐらいいい話、、