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ruruha
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熱い冷やし中華
熱い冷やし中華
熱い冷やし中華
熱い冷やし中華
熱い冷やし中華
熱い冷やし中華
熱い冷やし中華
熱い冷やし中華
熱い冷やし中華
雨の音がやけに耳につく夜だった
あなた
傘を刺しているのに肩がやけに冷たい
帰り道
…のはずだった
けど気づけば知らない路地にいる
古びた建物が並ぶなか一軒だけぼんやりと灯りのついた店があった
朽ちかけた看板
掠れた文字
ーーーーVIDEO
あなた
ガラス戸の奥には無数の棚があった
あなたは吸い寄せられるように店に入った
店に入った瞬間声がした
店員の男
あなたは反射的に前を見るとそこには目の細い男がいた
見えているのか見ていないのかわからない
店員の男
あなた
首だけで礼をする
その男は少し微笑む
貴方は店内を少し見て回る
あなた
貴方が見ている間も男は微笑んでいた
あなた
あなたはその男におすすめを問う
店員の男
男は少し眉を寄せて考える
そして男は少し考えてカウンターの下から一つのビデオテープを差し出す
店員の男
あなた
男は近くにあった古びたブラウン管テレビをつける
店員の男
男はあなたに向き合って言う
店員の男
店員の男
男は少し悲しげな顔でテレビのほこりをはらう
あなた
あなたはそのテレビをまじまじと見る
ジジッ…ジジッ…とノイズの音がする
ノイズ越しに少しづつ映像が流れてくる
店員の男
店員の男
私は中岸春菜(なかぎしはるな)
春菜
普通の高校生…
ならよかった
私の父はギャンブル、酒、女全部やってる
もちろん金もない
春菜
だから私が掛け持ちでバイトをしている
春菜
店長
春菜
店長
春菜
春菜
店長
私は母を見たことない
店長
春菜
物心ついた時からいなかった
春菜
店長
春菜
ガチャ
春菜
父
家に入った瞬間父の怒鳴り声が聞こえる
春菜
父
父
春菜
私は給料の全てを父に手渡した
父は封筒の中を見て舌打ちをする
父
春菜
父
父
そうやってスマホを見せられる
春菜
その仕事内容は1週間海外に行き富豪と喋ったりするらしい
父
父
春菜
父
父
イライラしていた父の表情が急に変わる
父
父
春菜
父
父は私を試すように笑いながら言う
お母さんに会えるかもしれない
春菜
父
春菜
これでいいよね?
私は飛行機に乗り海外へ行った
最初の3日間はよかった
綺麗なドレスを着て富豪のおじさんと話すだけだった
でも4日目から地獄のような日々だった
もはや犬以下の扱い
女としての尊厳を失い
拷問される
皮膚の半分を象の皮と変えられた
春菜
私の苦しむ姿を見て富豪のクソ野郎どもは笑っている
一緒にいた女の子がボロボロで抜け殻になっていく
足がなくなった子だっていた
やっと日本に帰ってきた
でも私の体じゃないみたい。
つぎはぎだらけの気持ち悪い体
一瞬でも自分の皮が無くなり象の皮と変えられた
その事実がとてつもなく気持ち悪い
春菜
体の痛みは引かない
でもこれで
お母さんに会えるかもしれない
それだけが希望だった
暗い夜道私は家に帰る
春菜
父
玄関に入ると酒臭い父が出迎える
今は見たくもない
春菜
父
父
父
春菜
父は笑いながら話を続ける
父
父
父
春菜
嘘だ
春菜
私は声を荒げた
父
父
父
私の頬に衝撃が走る
春菜
ほぼがジンジンと熱を持って痛む
お母さん…
プツンという音を立ててビデオが終了した
テレビにはノイズがかかっていた
あなた
あなたは無言で立ち上がる。
さっきのはなんだったんだ
店員の男
あなた
男は表情を変えずあなたに問う
あなたは言葉を返せない
男はその様子に慣れているかのように静かに微笑みながらビデオテープを取り出す
店員の男
店内の無数の棚にはビデオテープがぎゅうぎゅうに入っていた
まるで誰かに見つけてもらうのを待つみたいに
そしてあなたは出口に向かった
今日のことは何も見なかったことにしよう
後ろから声がする
店員の男
店員の男
あなたは無視して店を後にした
気づけばいつもの道だった
外はまだ雨だ
あなたは傘を刺して無言で帰る
…あの店はなんだったのだろう?