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一葉
一葉
一葉
お辞儀をして顔をあげるとなんだか教室内がザワザワとしていた。
クラスメイトA
クラスメイトB
そう言えば今の私は不眠と引きこもり生活で幽霊に負けない位青白く、げっそりしているのだった。
ちらほら聞こえてくる会話は私を心配する声ばかりで、皆いい人達なんだろうと少しホッとする。
清宮
清宮
清宮
担任の清宮寧々子(きよみや ねねこ)先生のサバサバとした声がよく教室に響いた。
途端、ピタッと会話はやみ、1人の生徒が手を上げた。
手の上がった方向を見ると薄桃色のふわふわしたツインテールの美少女がこちらに微笑んでいた。
まるで精巧なドールのようで思わず見惚れるが、手招きをされて我に返る。
兎丸
一葉
差し出された手を握り返した。
にこにこと綺麗な顔で笑う兎丸さんになんだか気後れしてしまって思わず目を逸らしてしまった。
兎丸
兎丸
一葉
一葉
一葉
兎丸
兎丸
私の隣を歩く兎丸さんはとても楽しそうだ。
隣の席ということもあって、担任は兎丸さんを私の案内係に任命したのだった。
お昼休み、そして放課後の今も、嫌がるとこなく親切に学校内を案内してくれる兎丸さんはとても優しい女の子だと思う。
可愛い上に優しいとはこれ如何に。
一葉
兎丸
呟いた言葉を誤魔化すように私は笑う。
一葉
一葉
一葉
兎丸
兎丸
兎丸さんはにっこりと笑った。
兎丸広紀…と声に出さずに反復する。
一葉
兎丸
一葉
兎丸
兎丸
一葉
シーン…
まるで漫画の擬音がつきそうな沈黙が私達を包んだ。
もしや何かまずいことでも言ってしまっただろうか…?
そんな焦りが心をぶわりと襲った。
一葉
兎丸
兎丸
兎丸
兎丸
兎丸
一葉
一葉
きっと今私は凄い顔をしていると思う…。
兎丸さんが兎丸君で…男が女で…??
思わず兎丸君を頭の上からつま先までまじまじと見てからハッとする。
少し不躾だっただろうか…。
顔をあげると兎丸君と目が合う。
兎丸
兎丸
罰が悪そうに頬をかく兎丸君はやはり女の子にしか見えなかった。
確かに、身長は少し高めだが線の細さや所作が女の子そのもので…。
兎丸
一葉
そういう訳では!そう言いかけるが、
それより前に名案とばかりに兎丸君が手を叩いた。
兎丸
ニコッと可愛らしくも悪戯っぽさをまじえた笑顔で
兎丸君は指を差す。
指し示された方向に視線をやって私は絶句するのだった。
一葉