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兎丸

…ふっ…ふふ…あはは!

兎丸

冗談!冗談だよ!

兎丸

そんな顔真っ赤にして…あははっ

兎丸さん…いや、兎丸君がお腹を抱えてけらけらと笑う。

そんな兎丸君に私は顔真っ赤にさせて金魚みたいに口をパクパクさせるしかなかった。

一葉

ちょっと!からかわないでよ!

兎丸

ごめんって!

兎丸

一葉ちゃんの反応がよくてつい

中々笑いが収まらないのかふるふると肩を震わせながらこちらを見る兎丸君に諦めの感情が浮かんだ。

そんなに面白かったのだろうか…。 熱を持った頬が中々冷めてくれずパタパタと手で仰ぐ。

兎丸

本当にごめんね

兎丸

そんな困った顔しないで、ね?

私の顔を上目遣いで覗き込む兎丸君を私は許さざるを得なかった。

可愛いってずるい。

兎丸

じゃあ、俺はこの後部活に行くから

一葉

うん、案内ありがとう

兎丸

お安い御用だよ

兎丸

それにしても…ふふっ…

校舎の案内が終わって教室に戻ってきてもまだ兎丸君は笑いが収まらないようだった。

流石に笑いすぎではないだろうか。 ちょっと兎丸君…と何か言ってやろうと口を開いた時だった。

ガララ____

???

あーウサギ!見つけました!

教室のドアの開く音が響いて振り向くと、白髪の小柄な少女がこちらを見ていた。

はて…ウサギとは…? 首をかしげて瞬きをする。

隣の兎丸君を見ると笑顔で少女に手を振っていた。 どうやらウサギとは兎丸君のことであるらしい。

兎丸

あれ、アヒル

兎丸

どうしたの?

アヒル

ウサギが遅いので先輩にお迎えを頼まれたのです!

アヒルと呼ばれた少女はトテトテと小走りで近寄ってきて

ガッ____

兎丸

あっ

一葉

あっ

アヒル

はぁうっ!

ビタンッ

転んだ。

アヒル

ふぇえ…申し訳ないです…

兎丸

も〜、アヒルすぐ転ぶんだから

兎丸

気をつけてって俺いつも言ってるでしょ〜

転んで膝を擦りむいたアヒルちゃん(でいいのだろうか)の手当を保健室でしていると彼女は深々と頭を下げた。

一葉

はい、おしまい

アヒル

ありがとうございます!

一葉

いいえ!

一葉

痛かったでしょ…えっとアヒルちゃん?

アヒル

あっ!そうでした!申し遅れました

アヒル

私、家鴨川美代子(あひるがわ みよこ)と申します!

アヒル

小等部4年生です

アヒル

相沢先輩これからよろしくお願いいたします

彼女はそう言うとまた深々と頭をさげる。

確かに小等部のピンバッジを襟に付けていてを着ていて彼女が小学生であるとわかる。 小学生にしてはとても丁寧な言葉遣いをする子だ。

一葉

美代子ちゃんでいいのかな?

美代子

はい!ぜひ、そう呼んでください

美代子ちゃんは私の両手をとってにこにこ笑う。

うっ可愛い…。 兎丸君とはまた違った可愛さに思わずキュンと胸が鳴った。

妹がいたらこんな感じだろうか。

兎丸

ちょっと〜、ふたりの世界作らないでもらっていいかな?

救急セットを片付けながら兎丸君が拗ねたように口をとがらせて言った。

一葉

えっいや!

一葉

そんなつもりじゃ…

アヒル

あらウサギ、嫉妬ですか?

わたわたしている私とは対照的に美代子ちゃんは同様もせずにこにこと笑っている。

広紀

も〜アヒルはからかいがいがないなぁ

一葉

それより!2人は部活行かないと!

美代子

あ、そうでしたね…忘れてました

兎丸

やば着信入ってる

慌ただしく保健室から出ると、廊下をオレンジ色の夕陽が包んでいる。 時計を見ると5時を少し過ぎていた。

秋に入って日が短くなった。もうじき日が沈んでしまう。

兎丸

じゃあ、一葉ちゃんまた明日

一葉

うん、またね

一葉

美代子ちゃんも

美代子

はい!お気をつけお帰りください

2人に手を振って背を向ける。 暗くならないうちに帰ろう。

昇降口に向けて足を進めた。

一葉

あれ?

そういえば。

私、美代子ちゃんに名乗ったんだっけ?

美代子

ウサギが気に入るなんて珍しいですね

広紀

そう?

広紀

なんだろ、放っておけない感じがするからかなぁ

広紀

後、反応が面白い

広紀

アヒルこそ

美代子

ふふ、私もなんだか居心地が良くて

広紀

へえ、俺より珍しい

美代子

では、今すぐキリンに連絡していただけますか?

広紀

すでに連絡済みだよ

美代子

あら、お早い

広紀

俺には手が付けられないし

美代子

そうですね

美代子

あの呪いは厄介そうです

広紀

うん、そろそろ一葉ちゃん自身も限界そうだし

美代子

とりあえず、今日のところは”麒麟”にどうにかしてもらいましょう

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