テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

チカコ

皆さん、こんにちは。

チカコ

今回、本当にあった怖い話③を書きました。

チカコ

今回も、私を主人公「チカコ」に置き変えて書かせて頂いています。

チカコ

なお、今回の話は20年以上前の話のため、

チカコ

現在病気の治療中の方や、

チカコ

子育て中の方、

チカコ

お子さんが入院されている方などは

チカコ

参考にしないで下さいね。

チカコ

現在と、治療法や対処法が異なる為です。

チカコ

それでは、どうぞ!

20年以上前

総合病院 小児科 

医師

何故、ここまで放置したんだ?!

医師の怒号。

それは、私の母に向けられたものだった。

今日の午前中に、ここの病院に連れて来ました!

…そちらの医師が、聴診器も当てずに「風邪」だと判断したんですよ?!

私は、きちんと診てもらえないか相談しましたよ!!

それを踏みにじったのは、

そちらじゃないですか!!

その時の私の体温は41度、

顔色も悪い。

意識も、勿論無い。

午前中来た時に正しく診てくれてたら、

こんなことに、ならなかった!!

他の患者たちが、母の大声を聞いて、ひそひそ声で会話をしている。

患者A

…何だ、医療ミスか?

患者B

聴診器当てない先生なんかいるんだ…?私も病院変えようかな?

看護師

お母さん、落ち着いて!

落ち着ける訳ないでしょ?!

自分の子供の意識が、ないのよ?!

午前中は、熱はここまで高くなく、意識もあった。

夕方に、熱が上がり、けいれんを起こし、救急車の中で意識がなくなった。

医師

………やれるだけ、やってみます

医師

点滴と、座薬を用意して

看護師

はい

運ばれた病院は、小児科はあるものの、小児の救命救急はメインにしていなかった。

そして、運が悪いことに、

私の住む地域で、小児科を専門とする病院は そこしか無かった為、より設備の充実したとこへ転院することすら、出来なかった。

そして何よりもまず、転院させる余裕も、私には無かったのだ。

看護師

…お母さん、今、娘さん点滴と座薬入れて、体温は下がって来たから

看護師

もう少しだけ、待っててください

………………………

看護師

先生も、ずっとそばにいますから

地域による医療格差に、

医師の診断ミス、

急激な症状の悪化、

様々な不運がたまたま、重なった。

…やっと来られた

容態は?

父は職場から病院に直行して来た。

…まだ、分からない

午前中に、ここの病院に受診したのに…

いつもと、様子が違ったから連れてきたのに…

まだ、病室には入れないんだよな?

そうみたい…

心配、だな

この後、医師と看護師から、

高熱による後遺症の話を聞かされたという。

万が一、後遺症が残っても

きちんと育てていこう

いつも頼りない父がはっきりと、そう発言したらしい。

???

チカコちゃん

チカコ

???

チカコちゃん、わかるかな?

チカコ

チカコ

…あなたは、お医者さん??

???

そうだよ。

???

チカコちゃん、上の階に行こうね

チカコ

うん?

…おかしいな

ここの病院、4階までじゃなかったっけ?

???

車椅子、押して上げるから

チカコ

(私、今4階にいたんじゃなかったっけ)

チカコ

(上の階なんか、あったっけ)

チーン

チカコ

エレベーター…

チカコ

行き先、5階まである…

チカコ

何で?!

???

ほら、行くよ

???

治療、しなくちゃね

私と、見覚えのない医師は

あるはずのない、5階に辿り着いた。

チカコ

…何、ここ?

5階は、子供の私が見ても異質な空間だった。

エレベーターから降りてすぐ、処置室になっていたからだ。

チカコ

廊下がなくて、いきなり処置室?

???

ほら、車椅子動かすよ

???

気をつけてね

車椅子に座っているから、

あちこち動き回れない。

それに、5階自体、そこまで広くないようだった。

チカコ

あれ?誰か処置されてる人がいる

すでに、その処置室では、

男性が輸血を受けていた。

???

この人が終わったら、

???

君がこれをするからね

チカコ

…分かった

確か、私は体調が悪くて病院に来たはずだ。

処置してもらえないと、帰れないんだと思った。

???

あ、男の人の処置が終わったね

男性は、どこかへ運ばれていった。

彼に意識は、無かったと思う。

チカコ

………………

心のどこかで違和感を覚えつつ、

順番が来たため私も手術用の診察台に乗りー

バチン!

っていう感じだったのよね…

いとこ

それは、大変だったね…

私は、驚いた。

目が覚めたときに、

病室が あまりにも眩しかったからだ。

チカコ

あれ?いとこ君が…いる

いとこ

うん、久しぶり

子供の私でも分かる位、以前から彼は子供が苦手だった。

いとこ

チカコのために、風船、ふくらませてみたよ。

いとこ

…どうかな?

チカコ

…いいと思う

見知らぬ医師とエレベーターで行った、存在しないはずの5階の処置室は、果たして何だったのだろう?

高熱による、ただの夢だったのか…?

チカコが戻ってきてくれて

本当に良かった

実は、この時の記憶は未だに曖昧だ。

幼かったこと、高熱を出していたこと、

生死の縁にいたこと。

チカコ

チカコ

(記憶が曖昧なんだよね)

このあと、しばらく入院するものの、

奇跡的に後遺症は無く、無事に退院した。

それから、約22年後

チカコ

入院とか、久しぶり

看護師

カルテ見せてもらったけど、

看護師

前にもここに入院してたの?

チカコ

そう、かなり昔に…

チカコ

子供の頃、ですけどね。

看護師

…小児科の前、通ってみる?

チカコ

いいんですか?

看護師

うん、いいよ〜

数十年ぶりに 小児科の病棟にやって来た。

看護師

どう?

チカコ

…なつかしいです

チカコ

あんまり、変わってないなぁ

看護師

ここ、古いよね。

看護師

流石に、エレベーターとかは点検しっかりしてるけど、

看護師

この病院は、あまり設備にお金かけないみたい。

看護師

…だからこそ、治療費が他の病院より安いから、年金ぐらしのお年寄りや、貧しい方たちは沢山来られるのよね

チカコ

(やっぱり、エレベーターは4階までだよね…)

チカコ

あの、昔からこの病院って4階まででしたよね?

看護師

そうだね、変わってないはずだよ

チカコ

(やっぱりあれは夢だったんだろうか)

チカコ

(やけにリアルではあったけど…)

看護師

あっ、まもなく手術開始時間だ

看護師

手術室に戻ろうか

チカコ

はい

世の中には沢山の不運がある

私は偶然、命が助かったが

意外と、死後の世界は私達のすぐ近くにあるのかもしれない。

チカコ

(………………………)

看護師

大丈夫?手術怖い?

チカコ

大丈夫です

手術はその後、無事成功した。

麻酔で朦朧としたが、

おかしな夢を見ることは、今回は無かった。

チカコ

入院食、昔より美味しくなってる

チカコ

こうして、食事の内容や、診察内容がアップデートされていくのかな

看護師

チカコさん、点滴もう終わりそうだから

看護師

外しちゃおうね

チカコ

はい

本当にあった怖い話③

この作品はいかがでしたか?

36

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚