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チカコ
チカコ
チカコ
チカコ
チカコ
チカコ
チカコ
チカコ
チカコ
チカコ
20年以上前
総合病院 小児科
医師
医師の怒号。
それは、私の母に向けられたものだった。
母
母
母
母
母
その時の私の体温は41度、
顔色も悪い。
意識も、勿論無い。
母
母
他の患者たちが、母の大声を聞いて、ひそひそ声で会話をしている。
患者A
患者B
看護師
母
母
午前中は、熱はここまで高くなく、意識もあった。
夕方に、熱が上がり、けいれんを起こし、救急車の中で意識がなくなった。
医師
医師
看護師
運ばれた病院は、小児科はあるものの、小児の救命救急はメインにしていなかった。
そして、運が悪いことに、
私の住む地域で、小児科を専門とする病院は そこしか無かった為、より設備の充実したとこへ転院することすら、出来なかった。
そして何よりもまず、転院させる余裕も、私には無かったのだ。
看護師
看護師
母
看護師
地域による医療格差に、
医師の診断ミス、
急激な症状の悪化、
様々な不運がたまたま、重なった。
父
父
父は職場から病院に直行して来た。
母
母
母
父
母
父
この後、医師と看護師から、
高熱による後遺症の話を聞かされたという。
父
父
いつも頼りない父がはっきりと、そう発言したらしい。
???
チカコ
???
チカコ
チカコ
???
???
チカコ
…おかしいな
ここの病院、4階までじゃなかったっけ?
???
チカコ
チカコ
チーン
チカコ
チカコ
チカコ
???
???
私と、見覚えのない医師は
あるはずのない、5階に辿り着いた。
チカコ
5階は、子供の私が見ても異質な空間だった。
エレベーターから降りてすぐ、処置室になっていたからだ。
チカコ
???
???
車椅子に座っているから、
あちこち動き回れない。
それに、5階自体、そこまで広くないようだった。
チカコ
すでに、その処置室では、
男性が輸血を受けていた。
???
???
チカコ
確か、私は体調が悪くて病院に来たはずだ。
処置してもらえないと、帰れないんだと思った。
???
男性は、どこかへ運ばれていった。
彼に意識は、無かったと思う。
チカコ
心のどこかで違和感を覚えつつ、
順番が来たため私も手術用の診察台に乗りー
バチン!
母
母
いとこ
私は、驚いた。
目が覚めたときに、
病室が あまりにも眩しかったからだ。
チカコ
いとこ
子供の私でも分かる位、以前から彼は子供が苦手だった。
いとこ
いとこ
チカコ
見知らぬ医師とエレベーターで行った、存在しないはずの5階の処置室は、果たして何だったのだろう?
高熱による、ただの夢だったのか…?
母
母
実は、この時の記憶は未だに曖昧だ。
幼かったこと、高熱を出していたこと、
生死の縁にいたこと。
チカコ
チカコ
このあと、しばらく入院するものの、
奇跡的に後遺症は無く、無事に退院した。
それから、約22年後
チカコ
看護師
看護師
チカコ
チカコ
看護師
チカコ
看護師
数十年ぶりに 小児科の病棟にやって来た。
看護師
チカコ
チカコ
看護師
看護師
看護師
看護師
チカコ
チカコ
看護師
チカコ
チカコ
看護師
看護師
チカコ
世の中には沢山の不運がある
私は偶然、命が助かったが
意外と、死後の世界は私達のすぐ近くにあるのかもしれない。
チカコ
看護師
チカコ
手術はその後、無事成功した。
麻酔で朦朧としたが、
おかしな夢を見ることは、今回は無かった。
チカコ
チカコ
看護師
看護師
チカコ
本当にあった怖い話③
完