家の車庫に車を止める。
この家は、妻と結婚と同時に購入した。
あの当時は家の借金も抱えて、二人で生活できるだろうかと不安があった。
しかし、いつの間にか、もうこんなに年を取っている。
玄関の明かりがぽわっと灯る。
私はその明かりに驚いた。
妻が私の帰りに気がついて明かりを点けてくれたのだろう。
私は玄関の扉の鍵穴に鍵を差して、扉を開ける。
玄関が明るいと、こんなにも鍵穴に鍵を差し込むのが容易になる事を初めて知った。
何故なら、家に帰ってきた時、玄関に明かりが点いていることなんて今までなかったからだ。
私の妻は私が帰ってきても玄関に明かりを点けることなんて、結婚以来、一度もなかった。
夫
私は笑みを溢しながら家に入った。
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