「嫌だ」
「なんで、こんなこと」
「どうして、死なせてくれないの」
そんな叫びが部屋に響く
ただ、響くだけ
そこに誰も居ないのに
ただ、声だけが響く
それを、ただ見ていた
……こんなに苦しめる為に、死んだわけじゃないのに
そんな、生き残った恋人を見つめる
生きて欲しいから
自殺の、全てを止めていた
それが、地獄と知っていても
こっちに来て欲しくなくて
……けど
苦しませる為に、やってる訳じゃない
結果、そうなってしまっただけ
……なら、いっそ
と、いつも思うが
いつもいつも、最後で躊躇う
「けど、貴方が生きて欲しいと」
「そう、言ってるみたいで」
「死ねないの、ねぇ、どうして」
そう言う彼女を
やはり、見つめる
理解して、くれている
だから、躊躇う
このまま、忘れてくれないかな
幸せに、なってくれないかな
そんなことを、ただひたすらに願って
今日も、君の糸を切る
今日も、君の刃物を折る
……ごめんね、なんて
上っ面だけの、謝罪を込めて
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