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1つの窓だけ開けて、光が差し込むようにする

白玖

(…見えねえこたァねえな)

白玖

…王子

白玖

お前では私に太刀打ちできぬ

…そんなことない!

…このまま続ける気?

ぼそっと槐が呟いた

白玖

これでもそう言えるのか?

ぐっ…

白玖

…ったりめえだろ止める気か?

白玖

5分繋げ、テメェと俺と、アドリブ使えりゃいけんだろ

どうしてこんなことばかり…!

お前のせいでみなが苦しみにまみれた顔を浮かべる!

…でも観客には俺らのシルエットくらいしか見えてない

白玖

ああ、それが見れりゃ充分だ!

王子と槐と、どちらにも応える気持ちでそう言った

…オーケー、ノるよ

槐の言葉に俺はふっと笑った

白玖

お前の剣など俺には届かない

白玖

許しを乞うなら今だ

本来ならこの時点で仲間が登場する

しかし2人きりしかいないのだから、俺はどうせ使わない王子の剣を高く投げ捨てる

観客にも見えるシルエット、それから地面に落ちた音

白玖

所詮諸刃の剣だろう

白玖

勇者なきこの国で私に立ち向かうなぞ愚かだ

ああ…そうだな、そうだと思う

元々僕だって、そんなつもりはなかったさ

白玖

…心が折れたか?

いいや

僕はみんなに幸せでいてほしい

でもどれだけ僕が優しくしたって、みんな…魔王に怯えているんだ

だから、その根本を断ちにきた

白玖

ほお…今俺の眼下で起き上がることもできないのにか?

槐は俺をチラッと見たあと、俺を蹴って起き上がる

誰が、何をできないって?

白玖

(い゙っ…コイツ!)

剣を拾うと、槐は掲げ、振り下ろした

…じゃあ、戦おう

白玖

フン…いいぜ

白玖

(コイツ…剣使う気かよ!)

白玖

お前、剣は使ったことがないだろう?

なぜ?

白玖

剣はもっと強く握れ

白玖

なぜそれが自分だけの武器だと錯覚できる

とりあえず剣を奪い取ると首に突きつける

白玖

…殺す

…それで、いいのか?

白玖

ああ

白玖

人の苦痛に歪む顔を見るのはとても愉快だぞ

白玖

特にお前のような生意気なヤツはな

魔王よ、知らないのか?

孤独で心弱き者ほど、他者に攻撃をするのだ

正直、ドキッとした

白玖

(…コイツ……)

槐が一瞬、奥に視線を向かわせた

白玖

(…もう点くのか)

白玖

今孤独なのはお互い様だろ

孤独?いいや、僕は違うよ

白玖

あァ?

パチン、とライトアップする

僕には仲間がいる!

白玖

(ナイスタイミングかよ───ん?)

白玖

槐の首元に、血が滲んでいた

白玖

(…は?これ切れねえやつだよな?いや、でもこれだとしか───)

…続けろ

白玖

…っ、

白玖

…そんなヤツら、何人いたところで私は…!

ブーー、とブザーが鳴って、幕が降りる

俺は体育館の出口の方へ向かっていた

あっ白玖!

白玖

…白玖?

振り返った瞬間何かがドシッと直撃して思わず倒れ込む

白玖

ってえ…!

めっちゃ良かった!!!!!大成功だねぇ、俺白玖のこと気に入っちゃった

白玖

重ぇ…つかお前それより首っ、センセ呼んでくっから───

うん、そんなんいーからさ!

来年も俺といっしょになんかやろう!

それから────

白玖

ちけえ!!離れろ!あと出口の邪魔!!

ああ、ははっ

…ね、来年もやってくれるよね?

白玖

っ…

赤く滲む首元がチラチラ見えてる中俺が断れるわけもないわけで承諾し

そのあとソイツはそれが血のりだったと明かした

白玖

(…っんとムカついた)

白玖

(───けど)

俺がそんなことを思い出したのは

 

すれ違いざまに目が合ったソイツが、アイツに似ていたからかもしれない

白玖

(いや、つうか───)

俺は気づくと女に囲まれたソイツの手首を掴んでいた

 

え…

白玖

(本人だろ)

 

槐くーん?

白玖

(…槐)

白玖

(ほら、やっぱり。)
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コメント

7

ユーザー

アドリブすげえー!!あんな大変な状況を瞬時に理解してアドリブをするって決断に至るの天才か??ほんとに中学生??槐くんの首の血には焦ったけど血糊で安心したし劇も無事に終了して良かった……💦 槐くんと高校別なのか……って思ったらまさかの再会!?めちゃくちゃ雰囲気違うけど、え!?高校デビュー!?にしても……え!?

ユーザー

いやまって めっちゃ気になるけどいつもの感じだとここで主人公交代…?だよね…?頼むから次が槐くんであれ謎が多すぎる

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