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テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで

午後18時30分

予定外の4時間という 長時間の自由行動を終えて ホテルへと戻ってきた一同は

ホテルのレストランで 夕食を食べていた

揚羽凛太郎

ホテルでの晩飯も
今日で最後かぁ

揚羽凛太郎

なんか名残惜しいな

日向奏星

ホントだね

和久井龍也

でもさ!鮎屋の
レストランの飯食って
思ったんだけどよ

和久井龍也

ここのレストランの飯も
鮎屋に負けてねーよな

姫川美咲

それ私も思った!

姫川美咲

おいしいよね♫

揚羽凛太郎

そう考えたら
この晩飯を金出して
食いたいんだったら

揚羽凛太郎

あの金額くらいは
出さなきゃいけない
って事だよな

揚羽凛太郎

味わって
食わなきゃな!

日向奏星

いや、そもそも
お金とか関係なく
味わって食べなよ

姫川美咲

たしかに!

午後20時

皆は、各々売店で買った お菓子を持ち寄って 男子部屋に集まり

修学旅行、最後の夜を 談笑しながら満喫していた

姫川美咲

今日でホテルで過ごす
夜も終わりかぁ

美咲がポテトチップを貪りながら 感傷に浸った様子で語る

揚羽凛太郎

なんかあっという間
だったなぁ

和久井龍也

なんか名残惜しいな

日向奏星

たしかにね!

コンコン

揚羽凛太郎

ん?誰だ?

揚羽凛太郎

まだ消灯
じゃねーよな?

姫川美咲

何かあったのかな?

ガチャ

揚羽凛太郎

はい?

クラスメイトA

揚羽くん?

揚羽凛太郎

ああ!お前らか!
どうかした?

クラスメイトB

みんな居る?

姫川美咲

あっ!どうしたの?

クラスメイトB

あ!美咲!居たんだ

クラスメイトA

あ、もしかして──

クラスメイトA

揚羽くんと──

揚羽凛太郎

だぁぁぁ!違うわ!

姫川美咲

奏星のも龍也も
みーんないるよ

クラスメイトB

あ、そうだったんだ

姫川美咲

それが
どうかしたの?

クラスメイトA

なんかさ、大広間で
みんなでカラオケ
やるんだって!

姫川美咲

うっそ!カラオケ?まじ?

クラスメイトA

ホラ!今日が最後でしょ?

クラスメイトB

せっかくだから
みんなでカラオケやろう
って話になったの!

揚羽凛太郎

カラオケはいいけど
先生とか大丈夫なのか?

クラスメイトA

そこはバッチリ!

クラスメイトA

ちゃんと許可
もらっといたから!

クラスメイトB

みんな行く?

姫川美咲

行く!行く!

クラスメイトA

なら先行ってるから!

姫川美咲

はいはーい!すぐ行く!

和久井龍也

なんかあったのか?

和久井龍也

なんかカラオケって
聞こえたけど

揚羽凛太郎

大広間に集まって
今からみんなで
カラオケやるんだってさ

日向奏星

カラオケ!?いいね!

日向奏星

行かない?凛くん!

揚羽凛太郎

まぁ、行くのはいいけど

日向奏星

けど?

揚羽凛太郎

人前で歌うのは・・

揚羽凛太郎

なぁ?龍也・・

和久井龍也

まぁな・・・

姫川美咲

そういえば龍也の歌
聞いた事ないかも

姫川美咲

二人とも苦手なの?

揚羽凛太郎

別に苦手ってわけじゃ
ねーんだけどなぁ

和久井龍也

大勢の前で歌う
ってなると・・なぁ?

揚羽凛太郎

ああ・・・

姫川美咲

奏星はめっちゃ
歌うまいよ!

揚羽凛太郎

え?まじで?

日向奏星

もう!やめてよ!美咲!

和久井龍也

てか行った事
あったんだな

姫川美咲

うん!何回かね!

姫川美咲

Y○AS○BIが
めちゃ上手いよ!

姫川美咲

そして何より可愛い♫

日向奏星

もうやめてってば!
恥ずかしいから

揚羽凛太郎

それは楽しみだな

日向奏星

凛くんの歌も
楽しみにしてるね

揚羽凛太郎

いやぁ、俺あんま
カラオケとか行かないし・・

揚羽凛太郎

ビブラートとか
しゃくれとかも
あんまわかんないし

日向奏星

ぷっ

日向奏星

あははははは

奏星は腹を抱えて笑う

揚羽凛太郎

え?なに?

揚羽凛太郎

俺、なんか
変な事言った?

日向奏星

「しゃくれ」
じゃなくて

日向奏星

「しゃくり」だよ(笑)

揚羽凛太郎

あ・・・///

凛太郎は恥ずかしそうに

姫川美咲

しゃくれて
どうすんのよ!

揚羽凛太郎

うぐッ・・・

日向奏星

あははは

揚羽凛太郎

いや笑いすぎだろ///

揚羽凛太郎

間違いくらい
誰だってあるだろ///

日向奏星

いや、だって(笑)

日向奏星

あはははは

和久井龍也

ツボに入ったな

日向奏星

あはははは

姫川美咲

めっちゃ笑うじゃん

日向奏星

いや、だって(笑)

揚羽凛太郎

・・・・・

揚羽凛太郎

しゃくれ

日向奏星

ちょっと!やめて!
あはははは!

揚羽凛太郎

しゃくれ

日向奏星

待って!お腹痛い(笑)

揚羽凛太郎

しゃくれ

日向奏星

もうやめてってば(笑)

揚羽凛太郎

しゃく──

午後20時30分

大広間には大半の生徒が集まり カラオケで盛り上がっていた

大広間にはコンテナが積まれ 仮設のステージが造られていた

揚羽凛太郎

上手い!上手すぎる!

和久井龍也

さっすが日向!

クラスメイトA

きゃー!サイコー!

クラスメイトB

惚れ惚れしちゃう!

クラス一同は奏星の歌声に 盛大な拍手を送っていた

姫川美咲

やっぱいつ聴いても
奏星の歌声は心地良いわ

日向奏星

もう、恥ずかしいよ

日向奏星

やめてってば

姫川美咲

ね♫ね♫龍也も
何か歌ってよ!

和久井龍也

嫌だよ!絶対に嫌だ!

和久井龍也

今度カラオケ
行った時に歌うわ!

姫川美咲

えー!今がいい!

和久井龍也

ゼッテー嫌だ!!!

姫川美咲

じゃあ私歌おうかなー

揚羽凛太郎

あ、じゃあ俺歌うわ!

日向奏星

じゃあ私がもう一回
歌っちゃおうかな♫

和久井龍也

待てお前ら!そのノリ
前にもやったろーが!

和久井龍也

絶対に嫌だかんな!

和久井龍也

絶対に──

結局龍也は無理やり美咲に マイクを握らされ嫌々ながらに歌う

姫川美咲

なんだぁ!普通に
上手いじゃん!

和久井龍也

音痴だとは言ってねーよ

和久井龍也

人前で歌うのが
苦手なだけだよ!

日向奏星

じゃあ次は
凛くんだね!

揚羽凛太郎

いや、わたくしは
聞く専門でやらせて
もらってますんで

日向奏星

えー?

揚羽凛太郎

やっぱ人前では──

日向奏星

歌いなさいっ!

日向奏星

はい!マイク!

凛太郎は奏星から 無理矢理マイクを渡される

揚羽凛太郎

はい・・わかりました

日向奏星

ふふふ

日向奏星

凛くんも
うまいじゃん!

揚羽凛太郎

まぁ、この歌なら
なんとかな・・・

揚羽凛太郎

他の歌は難易度高すぎて
俺には無理だけど(笑)

日向奏星

今度一緒カラオケ
行こうね!

揚羽凛太郎

ああ・・そうだな

揚羽凛太郎

(奏星が上手過ぎて
歌うの萎えそう・・)

日向奏星

なんか嫌そうだね?

揚羽凛太郎

いやぁ、奏星との
カラオケデート!
今から楽しみだなぁ

揚羽凛太郎

あはは・・・

日向奏星

なんか無理やり
言ってない?

揚羽凛太郎

そんな事ない!
そんな事ない!

揚羽凛太郎

(そんな事あるけど)

常盤小雪

どう?みんな
楽しんでる?

皆がカラオケで 盛り上がっていると

小雪と肝月が 様子を見にきた

肝月先生

あまり騒ぎ過ぎない
ようにな!

姫川美咲

先生たちも
歌いませんか?

常盤小雪

え?私たちも?

クラスメイトA

先生の歌聴きたい!

クラスメイトB

そう!そう!
歌いましょうよ!
せっかくなんですから!

クラスメイトA

ホラ!ホラ!

常盤小雪

ちょっと!押さないの!

小雪は生徒に無理やり ステージに立たされる

常盤小雪

(はぁ・・まったく)

姫川美咲

何歌うんですか?

常盤小雪

言っておくけど最近の歌は
分からないわよ?

日向奏星

大丈夫ですよ!

日向奏星

先生が好きな歌を
歌ってください!

常盤小雪

はい!はい!
わかりました!

小雪はうんざりした様子で デンモクを操作し曲を入れる

するとスピーカーから 聞き覚えのある前奏が 聞こえてきた

姫川美咲

あっ!これ!

日向奏星

聞いたことある!!

常盤小雪

さすがにあなた達でも
知ってるか!

常盤小雪

これだけは昔から
得意なのよね!

肝月先生

まったく・・

肝月先生

常盤先生ときたら・・

肝月先生

一番乗り気じゃないか

揚羽凛太郎

いいじゃないっスか!

揚羽凛太郎

こういう時くらい

和久井龍也

無礼講っスよ!無礼講!

肝月先生

まぁ、それもそうか

揚羽凛太郎

次先生も歌えば
いいじゃないっスか

肝月先生

俺がか?

和久井龍也

せっかくなら
3人で歌いましょうよ

和久井龍也

みんなで歌えるヤツ!

肝月先生

せっかくだからな!
よーし!歌うかー!!

和久井龍也

ほら!リンも!

揚羽凛太郎

え?俺も?

揚羽凛太郎

いや、俺は──

姫川美咲

いぇーい!歌えー!

日向奏星

歌えー!

揚羽凛太郎

(はぁ・・)

揚羽凛太郎

わかったよ・・・

凛太郎、龍也、肝月は 小雪の歌が終わると 3人でステージに上がる

午後22時20分

和久井龍也

なんだかんだ
盛り上がったな

揚羽凛太郎

ああ!そうだな

揚羽凛太郎

あれから散々
奏星に歌わされて

揚羽凛太郎

喉いてーよ

和久井龍也

日向のヤツ
無理矢理リンに
歌わせてたな

和久井龍也

あれは笑えたわ

揚羽凛太郎

まぁ、その分
楽しかったから
良いけどな

和久井龍也

肝月先生も何気に
ノリノリだったしな

揚羽凛太郎

結構カタブツな
イメージだったけど

揚羽凛太郎

意外にフランクなんだな!

揚羽凛太郎

あの人!

和久井龍也

確かになwww

同時刻 女子部屋

姫川美咲

やっぱ奏星上手いね

日向奏星

そうかなぁ・・

姫川美咲

でも意外に常盤先生
乗ってたね!

日向奏星

なんかロックって
感じだったね

姫川美咲

そう!そう!
めっちゃカッコよかった

姫川美咲

肝月先生も
ノリノリだったし!

日向奏星

みんなで踊りながら
歌ってたもんね!

姫川美咲

もういい歳なのに

姫川美咲

ウチらに合わせて
無理にはしゃぐから

姫川美咲

歌い終わった後
ぐったりしてたもんね

日向奏星

こら!こら!美咲!

姫川美咲

今頃常盤先生に
介抱されてたりして

姫川美咲

きゃー❤️

姫川美咲

大人ロマンスゥ〜〜❤️

日向奏星

それは無いんじゃない?

姫川美咲

でも二人とも
独身でしょ?

日向奏星

そうらしいけど

同時刻 教師部屋

肝月先生

あだだだだだ

常盤小雪

はぁ・・・

常盤小雪

まったく
何やってるのよ!

常盤小雪

肝月くん!!

肝月先生

いやぁすいません

肝月先生

あはは・・・

常盤小雪

もう若くないだから!

常盤小雪

無茶しないの!

肝月先生

いや、まだ30ですよ

常盤小雪

世間一般的に言ったら
もうオッサンよ!

肝月先生

オッサン・・・

肝月先生

俺がオッサンなら
常盤先生は──

常盤小雪

はぁ?

小雪は肝月の溝落ちを 握り拳で強く抑える

肝月先生

うぐがぁっ!

肝月先生

ああ!すいません!

常盤小雪

40目前のオバサンで
すいませんね!

肝月先生

いや常盤先生は──

常盤小雪

ん?なに?

肝月先生

あ、いや・・
何でもないです

常盤小雪

まぁ、いいけど

常盤小雪

明日は10時には
出発なんだからね?

肝月先生

はい・・・

肝月先生

多分一晩寝れば
大丈夫だと思います

常盤小雪

まぁ、動いた直後に
痛みが来るだけマシよ

肝月先生

ああ!年取ると
2日後くらいに
痛み来ますもんね

常盤小雪

・・・・・

肝月先生

あ、すいません

常盤小雪

まぁ、明日の朝に
また様子見に来るわ!

肝月先生

ご迷惑をおかけします

肝月先生

あっ、でも
ロビーでの見張りは・・

常盤小雪

私がやっとくわ!

肝月先生

でも・・・

常盤小雪

保健の先生とかも
協力してくれるらしいから

常盤小雪

大丈夫よ!

肝月先生

す、すいません・・

常盤小雪

帰ったら叙○苑ね?

肝月先生

あはは・・・

肝月先生

(給料日前なのに・・)

午前2時

常盤小雪

ふわぁ〜〜〜・・

小雪はロビーのソファに座り 大きなあくびをする

常盤小雪

やっぱ眠いなぁ・・

常盤小雪

肝月くんを無理矢理にでも
連れ出せばよかったなぁ

常盤小雪

ヤバい・・本格的に
眠くなってきた

常盤小雪

でも寝るわけにわ・・

常盤小雪

ブラックコーヒー
でも買ってこようかな

揚羽凛太郎

先生?

常盤小雪

はぁ?揚羽くん?

常盤小雪

それに──

日向奏星

ど、どうも・・・

常盤小雪

二人してこんな時間に
何してるの?

常盤小雪

まさか不純──

揚羽凛太郎

いや!いや!
違いますって!

常盤小雪

だったら何?

日向奏星

ちょっと売店で
アイス買いたくなっちゃって

日向奏星

凛くんに付き添って
もらってるんです

常盤小雪

アイスなんか食べずに
早く寝なさいよ!

常盤小雪

明日は10時には
ホテルを出るんだからね?

揚羽凛太郎

でも、常盤先生
大丈夫っスか?

揚羽凛太郎

明らかに
眠そうですよ?

常盤小雪

まぁ、肝月先生が
ダウンしてるからね

日向奏星

やっぱ、あのカラオケが
原因なんですか?

常盤小雪

もう若くないのに
無理するからよね!

常盤小雪

まったく・・・

揚羽凛太郎

でも寝なきゃ
明日辛くないっスか?

揚羽凛太郎

てか、もう今日か!

揚羽凛太郎

大丈夫なんスか?

常盤小雪

仕方ないわよ!

常盤小雪

誰かが見張り
やっとかないとね!

常盤小雪

生徒たちの身に
もしもの事があったら
大問題だし・・・

日向奏星

なら少しの間
寝てきたらどうですか?

常盤小雪

え?

揚羽凛太郎

そうっスよ!

常盤小雪

見張りがあるから無理よ!

日向奏星

なら私たちが
代わりますよ!

常盤小雪

いや、流石に生徒に
やらせる訳には──

日向奏星

先生には日頃
お世話になってますから

揚羽凛太郎

そうっスよ!

揚羽凛太郎

少しでも寝とかないと
マジで体壊しますって

常盤小雪

でも──

日向奏星

いいから!いいから!

日向奏星

寝てきてください!

常盤小雪

そ、そう?

常盤小雪

なんか悪いわね・・

揚羽凛太郎

とんでもないっスよ

常盤小雪

なら少しだけ
休ませてもらうわ

常盤小雪

すぐ戻るから!

揚羽凛太郎

ゆっくり良いっスよ!

常盤小雪

ごめんね・・・

常盤小雪

じゃあちょっとだけ
お願いね・・・

小雪は申し訳なさそうに 腰を低くしながら部屋へと戻って行く

揚羽凛太郎

教師っても大変だよな

揚羽凛太郎

ほぼ不眠不休だもんな

揚羽凛太郎

ブラック過ぎんだろ・・

日向奏星

ホントだよね

揚羽凛太郎

あっ、なら俺
アイス買ってくるよ!

揚羽凛太郎

待ってて!

日向奏星

うん!ありがとう!

日向奏星

ごめんね・・

揚羽凛太郎

いいって!いいって!

揚羽凛太郎

アイスは何がいい?

日向奏星

パ○ムが良い!

揚羽凛太郎

分かった!買ってくるよ!

日向奏星

うん!お願い!

ピリリリリ

小雪のスマホから アラーム音が鳴り響く

常盤小雪

う、うー・・・ん

常盤小雪

30分は寝れたかな?

小雪は重たい瞼を指で擦りながら スマホのディスプレイを確認する

常盤小雪

えっ!?嘘!?

スマホには 午前4時30分と表示されていた

常盤小雪

ヤッバっ!

常盤小雪

私、2時間も寝てたの?

常盤小雪

あれ?ちゃんと
アラーム設定
したはずなのに!

常盤小雪

ヤバい!ヤバい!

常盤小雪

すぐ行かなきゃ!

小雪は慌てて部屋を出て ロビーへ向かう

常盤小雪

ごめんなさい!

常盤小雪

私、寝過ぎて──

常盤小雪

あ・・・

揚羽凛太郎

zzzzzzz

日向奏星

zzzzzzz

凛太郎と奏星は手を繋ぎ 互いに体を預け合いながら

ロビーのソファで 眠りについていた

常盤小雪

寝ちゃってたか・・

常盤小雪

まぁ、しょうがないか

常盤小雪

元々寝過ごした
私が悪いしね・・・

常盤小雪

そっとしておくか

午前5時

揚羽凛太郎

はっ!!!

揚羽凛太郎

やば!寝ちまった!!!

常盤小雪

おはよ!揚羽くん

揚羽凛太郎

常盤先生・・・

揚羽凛太郎

すいません!

揚羽凛太郎

寝ちゃってました

常盤小雪

いやいや!いいのよ

常盤小雪

そもそも私が
30分だけ寝るつもりが

常盤小雪

2時間も寝ちゃったのが
悪いんだし

揚羽凛太郎

いや・・・

常盤小雪

ごめんね・・・

常盤小雪

無理させちゃって

揚羽凛太郎

あっ、じゃあ
奏星起こして──

常盤小雪

いや!いいわよ!
そのまま寝かせてあげなさい

揚羽凛太郎

そ、そうっスか?

常盤小雪

せっかく
可愛い寝顔して
寝てるんだし

揚羽凛太郎

それもそうっスね

常盤小雪

(可愛い寝顔は
否定しないのね)

揚羽凛太郎

あっ、そういえば

揚羽凛太郎

まだ先生には
言ってなかったんスけと

常盤小雪

なに?

揚羽凛太郎

今月の23日なんスけど

常盤小雪

ああ、終業式の日ね

常盤小雪

それがどうかした?

揚羽凛太郎

実はその日に母さんが
帰国してくるんスよ

常盤小雪

え?そうなの?

揚羽凛太郎

はい・・・

常盤小雪

いつ分かったの?

揚羽凛太郎

か、かなり前に・・・

常盤小雪

何よもう!
だったらもっと早く
言いなさいよね!

揚羽凛太郎

すいません・・・

常盤小雪

じゃあもう23日からは

常盤小雪

お母さんと
二人暮らしに?

揚羽凛太郎

はい、そうなります

常盤小雪

そっか!なら
もう、安心ね

揚羽凛太郎

ご心配を
おかけしました

常盤小雪

そう思ってるんなら
早めに伝える!!

揚羽凛太郎

すいません・・

常盤小雪

なら近いうちに
挨拶しとかなきゃね

揚羽凛太郎

あっ、母さんが
学校に来るって
言ってました!

常盤小雪

あら!そう?

揚羽凛太郎

菓子折り
持ってくるとも
言ってましたよ

常盤小雪

そんなぁ、いいのに

揚羽凛太郎

手ぶらで行くのは
どうも気持ち悪いみたいで

揚羽凛太郎

昔っからそういう
性格なんスよ!母さん

常盤小雪

連絡は普段
どうやってたの?

揚羽凛太郎

LIME電話で!

常盤小雪

あっ、そっか!
無料だもんね!

揚羽凛太郎

先生が学生の頃は
そんなん無かったっスよね

常盤小雪

あなたも私を
オバサン扱いする気?

常盤小雪

単位あげないわよ?

揚羽凛太郎

あ、すいません

揚羽凛太郎

ごめんなさい!

常盤小雪

ふふふ、冗談よ

日向奏星

う、うー・・ん

揚羽凛太郎

あ、起きた?

日向奏星

あっ凛くん・・おは──

日向奏星

あぁあぁあっ!
私、もしかして
寝ちゃってた?

日向奏星

まずい!見張りは──

常盤小雪

大丈夫よ!日向さん

日向奏星

あ、先生・・・

日向奏星

見張り中なのに
寝ちゃって
すいません・・

常盤小雪

いいの!いいの!

常盤小雪

だって──

日向奏星

あっ、そうだんだんですね

常盤小雪

いやぁ、ウッカリ
しちゃってて・・

常盤小雪

面目ないわね・・・

揚羽凛太郎

でもぐっすり
寝れたんですよね?

常盤小雪

ま、まぁね・・・

日向奏星

それなら良かった
じゃないですか

日向奏星

あのまま見張りしてたら
本当に倒れてましたよ

揚羽凛太郎

そうっスよ

常盤小雪

あなた達には
世話になったわね

揚羽凛太郎

いや!いや!

常盤小雪

私はもう大丈夫だから

常盤小雪

あなた達は部屋で
休んでなさい

揚羽凛太郎

そうさせてもらいます

日向奏星

じゃあ先生
おやすみなさい

常盤小雪

はーい!おやすみー

翌日

修学旅行 最終日

午前8時にレストランで 朝食を食べた一同は

予定通り、志賀高原ホテルを 午前10時に出発し

修学旅行、最後の目的地である 長野市城山動物園に立ち寄り

午前16時発の新幹線の時間まで 自由行動をしていた

揚羽凛太郎

いやぁ、なんか
楽しかったな

揚羽凛太郎

修学旅行!

日向奏星

うん!楽しかった!

揚羽凛太郎

社会に出たら
こんな風にみんなと
旅行する事なんて

揚羽凛太郎

なくなっちゃうん
だろうなって考えたら

揚羽凛太郎

ちょっと
寂しくもあるな

日向奏星

まぁ、確かにね

和久井龍也

らしくねーな?

揚羽凛太郎

そうか?

姫川美咲

でも揚羽くんが
言う通りだよね

姫川美咲

卒業したらみんなで!
なんて行けないだろうし

揚羽凛太郎

まぁ・・な・・

常盤小雪

さぁ!みんな!
そろそろ出発よ!

揚羽凛太郎

あ、はい!

一同は、城山動物園を後にし 長野駅から新幹線で帰路に着く

午後18時

揚羽凛太郎

やっと着いたな

日向奏星

凛くん、ずっと
寝てたよね

揚羽凛太郎

ちょっと動物園で
はしゃぎ過ぎたな

日向奏星

お猿さんに
睨まれてたね

揚羽凛太郎

そうだよ!あのバカ猿!

日向奏星

こら!こら!

和久井龍也

じゃあリン!日向!

和久井龍也

俺らはコッチだからよ!

揚羽凛太郎

ああ!また明後日な!

姫川美咲

うん!じゃあまたね!

日向奏星

気をつけてね!

姫川美咲

はぁーい!奏星もね!

揚羽凛太郎

じゃあ奏星!また明後日な!

日向奏星

う、うん・・・

揚羽凛太郎

どうした?なんか
元気ねーな?

日向奏星

あのさ・・・

日向奏星

もうちょっとだけ
一緒に居たいなぁ

奏星は凛太郎の裾を 優しく掴む

揚羽凛太郎

あ、い、いいけど・・

二人はしばらくの間 公園で時間を潰した

眞琴杏樹

はぁ〜・・・

眞琴杏樹

先輩ったら
どこにいるんだろ?

眞琴杏樹

スマホの番号も
変わってるみたいだし

眞琴杏樹

引っ越してて
住所も分からない

眞琴杏樹

先輩・・・

眞琴杏樹

会いたいよ・・・

眞琴杏樹

会っていっぱい話したい

日向奏星

送ってくれてありがと

揚羽凛太郎

礼なんていいよ!
彼女を送るのなんて
当たり前なんだからさ

日向奏星

うん♬

揚羽凛太郎

まぁ、今日は
疲れただろうから

揚羽凛太郎

早めに休めよ?

日向奏星

凛くんもね!
夜更かししちゃ
ダメだからね!

揚羽凛太郎

わかってるよ!

揚羽凛太郎

じゃあ奏星!お休み!

日向奏星

うん!お休み!

こうして、3泊4日の 長野修学旅行は幕を閉じた

お節介アゲハと弱虫ヒナタ

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