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数日後

終業式

和久井龍也

おい!リン!
お前の母さんが
職員室来てたぜ!

揚羽凛太郎

あ、もう
来てたのか!

姫川美咲

え?揚羽くんの
お母さん?

日向奏星

久々に挨拶
しとかなきゃね

姫川美咲

あっ!そっか!
奏星は会った事
あったんだっけ?

日向奏星

うん!凛くんの
看病した時にね!

和久井龍也

あ〜!あったな!
日向が途中で学校
抜け出した時!

和久井龍也

懐かしいなぁ

姫川美咲

あの時の奏星
可愛かったなぁ

姫川美咲

ね?揚羽くん♫

揚羽凛太郎

ま、まぁな・・・

揚羽凛太郎

可愛かったなぁ

日向奏星

もう・・バカ

職員室

職員室では凛太郎の母 渚沙が小雪に挨拶をしていた

揚羽渚沙

ご迷惑、ご心配
おかけしました

常盤小雪

いえ!いえ!
とんでもないです

揚羽渚沙

これつまらない
物ですが・・・

そい言って渚沙は ケーキを手渡す

常盤小雪

こんなに?
良かったのに・・

揚羽渚沙

皆さんで食べてください

揚羽渚沙

ここのケーキは昔から
お気に入りなんですよ

常盤小雪

わざわざ
申し訳ありません

揚羽渚沙

凛太郎!

揚羽凛太郎

ちょ!か、母さん!!

揚羽凛太郎

もう教室まで
来んなよな!

揚羽凛太郎

恥ずかしいだろーが!

揚羽渚沙

何よ!母親って
恥ずかしいもんな訳?

揚羽凛太郎

そうは言ってねーけど

揚羽渚沙

まったく!久々に
母親に会って言う言葉が
それか!

揚羽渚沙

まぁ、あんたらしいわね

姫川美咲

ねぇ?揚羽くん!
この人がお母さん?

揚羽凛太郎

ま、まぁな

姫川美咲

はじめまして!
クラスメイトの
姫川美咲って言います

揚羽渚沙

美咲ちゃんね!
初めてまして!

揚羽渚沙

いつも凛太郎が
お世話になってるわね

揚羽凛太郎

ちょ、だからやめろよ!
そーゆー話すんの!

姫川美咲

いやいや、揚羽くんの
お世話をしてるのは
この子ですよ!

姫川美咲

ね?

美咲は奏星を 抱き寄せる

日向奏星

ちょ!美咲!
お世話って──

揚羽渚沙

ん?なんか何処かで
会った事ある様な・・・

揚羽凛太郎

おい!おい!
忘れたのかよ!

揚羽凛太郎

奏星だよ!奏星!

揚羽凛太郎

日向奏星!

揚羽渚沙

ヒナタ・・カナセ?

揚羽凛太郎

ホラ!母さんが
帰って来た時に
俺の看病してくれてた──

揚羽渚沙

ちょっと待ってね──

渚沙は眼鏡を バッグから取り出して 奏星にかける

日向奏星

・・・・・

揚羽渚沙

わあっ!本当だ!
奏星ちゃんだ!

揚羽凛太郎

どんな確認の仕方だよ!

日向奏星

お、お久しぶりです

揚羽渚沙

いやぁ、一瞬
わからなかったわ!

姫川美咲

奏星、最近眼鏡から
コンタクトに変えたんですよ

揚羽渚沙

いやぁ、可愛く
なり過ぎてて
分からなかった!

揚羽渚沙

眼鏡をコンタクトに
変えるだけでこんなに
変わるもんなのね!

日向奏星

いや、そんな・・・

揚羽渚沙

凛太郎もさっさとしないと
他の誰かに取られちゃうわよ

揚羽凛太郎

え?

姫川美咲

え?

和久井龍也

は?

日向奏星

ん?

揚羽渚沙

ん?なに?

揚羽凛太郎

あっ!そうだ!
まだ母さんに
言ってなかったんだ!

日向奏星

うっそ・・・

和久井龍也

マジかよ・・・

姫川美咲

信じらんない!

揚羽渚沙

ん?何の話してるの?

揚羽凛太郎

あ、いや、その

姫川美咲

付き合ってるんですよ

姫川美咲

揚羽くんと奏星!

揚羽渚沙

はぁ?付き合ってる?

揚羽渚沙

凛太郎が?

揚羽渚沙

奏星ちゃんと?

姫川美咲

はい♫

揚羽渚沙

私、何も聞いてないけど?

揚羽渚沙

どういう事?

姫川美咲

どういう事?

日向奏星

どういう事?

和久井龍也

どういう事?

揚羽凛太郎

ごめん・・・

揚羽凛太郎

言ってなかったんだ・・

日向奏星

ちょっと酷くない?

揚羽凛太郎

ご、ごめん・・・

揚羽凛太郎

タ、タイミングが・・

日向奏星

ふんっ!!

奏星はそっぽを向く

揚羽凛太郎

ちょ、奏星!

日向奏星

もう知らない!

揚羽渚沙

(あらら・・・)

揚羽凛太郎

奏星ってば・・・

揚羽凛太郎

ごめんって・・・

日向奏星

許さない!

揚羽凛太郎

う・・・

日向奏星

なんてね!
冗談だよ

日向奏星

ふふふ

揚羽凛太郎

もう、勘弁してよ・・・

揚羽渚沙

(ふーん、なんか
2人の関係性が
分かってきたわ)

和久井龍也

おばさん!
お久しぶりっス

揚羽渚沙

あっ、もしかして
龍也くん?

揚羽渚沙

お久しぶりね!

和久井龍也

はい!ご無沙汰してます

揚羽渚沙

なんだかイケメンに
なっちゃって!

和久井龍也

いやぁ、そんな事・・

姫川美咲

私の自慢の彼氏なんです!

揚羽渚沙

あ!そうなの?

姫川美咲

はい♫

揚羽渚沙

この!この!
いつの間にこんな
可愛い彼女できたのー

渚沙は龍也の脇腹を ツンツンとつつく

和久井龍也

いや、あはは・・・

日向奏星

和久井くんと
凛くんのお母さんって
面識あったんだね

揚羽凛太郎

まぁ、龍也とは
中学からの付き合いだしな

日向奏星

あ!そっか!
そうだよね!

揚羽渚沙

そういえば、アンタは今日
午前までだったわよね?

揚羽凛太郎

まぁ、そうだけど

揚羽渚沙

ならお昼はどっかで
食べようか?

揚羽凛太郎

え?いや、今日は──

揚羽渚沙

何よ!母親と一緒に
ご飯に行くのが
そんなに嫌な訳?

揚羽渚沙

いいじゃない!
久々なんだから!

揚羽凛太郎

いや、嫌じゃなくて──

揚羽渚沙

何?なんか予定あるの?

揚羽凛太郎

終わったら奏星と──

揚羽渚沙

あら?そうなの?

日向奏星

あ、私は今度でいいよ!

日向奏星

せっかくお母さんが
帰って来たんだし

揚羽凛太郎

そ、そう?

揚羽渚沙

なら奏星ちゃんも
一緒に来る?

日向奏星

え?いいんですか?

揚羽渚沙

せっかくだしね!

揚羽渚沙

あっ!ていうか
みんな一緒に来る?

揚羽渚沙

龍也くんも美咲ちゃんも

姫川美咲

え?私たちも?
いいんですか?

揚羽渚沙

うん!せっかくだし!

揚羽渚沙

それに──

揚羽渚沙

私が海外行ってる間の
凛太郎の話も聞きたいし

姫川美咲

話します!話します!

姫川美咲

何でも話します!

揚羽凛太郎

余計な事言うなよ?

姫川美咲

みんながいる教室で
奏星と抱き合ってたとか?

揚羽凛太郎

ちょ、おい!コラ!

揚羽渚沙

へー!

揚羽渚沙

抱き合ってたんだぁ

揚羽渚沙

へー!

揚羽凛太郎

(姫川の奴!余計なこと
言いやがって!!!)

揚羽渚沙

美咲ちゃん!美咲ちゃん!

揚羽渚沙

そういう話!
いっぱい聞かせて!

姫川美咲

はい!喜んで!

揚羽凛太郎

はぁ〜・・・

揚羽凛太郎

面倒な事になって来たな

和久井龍也

ドンマイ!リンwww

揚羽凛太郎

笑ってんじゃねーよ!

揚羽凛太郎

内心面白くなって来た!
とか思ってんだろ?

揚羽凛太郎

どーせ!

和久井龍也

まぁな!

揚羽凛太郎

クソぅ!!

日向奏星

ふふふ

それから皆は、渚沙に連れられ 近所のファミレスに来ていた

揚羽渚沙

え?奏星ちゃんが
凛太郎の看病してた時って

揚羽渚沙

学校抜け出して
来てたの?

姫川美咲

そうなんですよ!

揚羽渚沙

へぇ、そうだったんだ

揚羽渚沙

知らなかった

姫川美咲

たぶんあの時はもう
奏星は揚羽くんの事
好きだったと思いますよ

姫川美咲

ね?奏星♫

日向奏星

さぁ、忘れちゃった

姫川美咲

何、目をそらしてんの!

姫川美咲

もぅ!可愛いんだから!

日向奏星

もう、そんな前の話
今持ち出さなくても!

揚羽渚沙

(確かに可愛いわね)

揚羽渚沙

(凛太郎には勿体無い
くらいに可愛いわね)

渚沙は微笑む

揚羽凛太郎

何笑ってんだ?
母さん・・・

揚羽渚沙

微笑ましいなって
思っただけ

揚羽凛太郎

なんだそれ・・

日向奏星

すいません

日向奏星

ちょっとお手洗いに
行ってきます

揚羽渚沙

謝らなくていいわよ

揚羽渚沙

行ってらっしゃい

姫川美咲

行ってらっしゃーい

日向奏星

うん、行ってくる

揚羽渚沙

そういえば明日って
クリスマスイヴよね

揚羽凛太郎

ああ、そうだな

揚羽渚沙

アンタは何か
用意してる訳?

揚羽凛太郎

用意?用意って何?

揚羽渚沙

はぁ?クリスマスに
用意って言ったら
ひとつしか無いでしょ!

揚羽渚沙

クリスマス
プレゼントよ!

揚羽凛太郎

・・・・・

瞬きの回数が 異様に多くなる凛太郎

揚羽渚沙

アンタ・・・

揚羽渚沙

まさかとは思うけど──

揚羽凛太郎

・・・・・

姫川美咲

まさか用意
してないの?

姫川美咲

クリスマス
プレゼント!

和久井龍也

いや?いや!まさか!

和久井龍也

さすがのリンでも
それは無いって!

和久井龍也

なぁ?リン!

揚羽凛太郎

・・・・・

揚羽渚沙

まさか──

揚羽凛太郎

ごめん・・・

揚羽渚沙

バカじゃないの?
アンタは!!

揚羽凛太郎

やっぱマズイよな

姫川美咲

マズイなんて
もんじゃないよ!

姫川美咲

ありえないから!

揚羽凛太郎

いやぁ、忘れてた
訳じゃないんだけどさ

揚羽凛太郎

何渡したらいいか
悩みに悩み抜いてたら

揚羽凛太郎

いつのまにか
クリスマスイヴ前日に!

揚羽凛太郎

みたいな・・・

和久井龍也

ありえねぇ・・

揚羽凛太郎

龍也は用意
してんのかよ!

和久井龍也

当たり前だろーが!

姫川美咲

え?なに用意
してくれたの?

和久井龍也

バーカ!そりゃお前・・

和久井龍也

明日まで秘密だよ

姫川美咲

えー!ケチ!

和久井龍也

じゃあ美咲も
教えてくれよ!

姫川美咲

ひ★み★つ★

和久井龍也

なんだよ!それ!

揚羽凛太郎

・・・・・

揚羽渚沙

アンタ本当に何も
用意してないみたいね

揚羽凛太郎

面目ない・・・

揚羽渚沙

アンタって本当に
あの人にそっくりね!

揚羽渚沙

まるで生写しみたい

姫川美咲

あの人?

揚羽渚沙

ああ、私の旦那よ!旦那!

姫川美咲

ああ!揚羽くんの
お父さんか!

揚羽凛太郎

まぁ、俺が中学ン時に
病気で死んだんだけどな

姫川美咲

あっ、そうだったんだ

姫川美咲

なんかごめんなさい・・

揚羽渚沙

あはは!いいのよ!
謝らなくって!

和久井龍也

相当沈んでたよな!
リン・・・

揚羽凛太郎

昔の話だよ

和久井龍也

でも確かに今のリンに
くりそつって感じだったよな

揚羽渚沙

ホントそうなのよ

揚羽渚沙

凛太郎を出産する
って時だってね

揚羽渚沙

道に迷った挙句に
病院を間違えて

揚羽渚沙

結局、病院に着いた時には
私は出産が終わってて

揚羽渚沙

泣きながら
面目ない!ってねwww

姫川美咲

なんか揚羽くんが
そうなる未来が見えた

揚羽凛太郎

俺はそんなヘマ
しねーよ!

揚羽渚沙

どうだか!

揚羽渚沙

今まさに
そんな感じじゃない!

揚羽凛太郎

う・・・

姫川美咲

まさに生写しですね

揚羽渚沙

ほんとよ・・・

揚羽渚沙

似て欲しくないトコだけ
似てるんだから

揚羽渚沙

私の遺伝子は何処に
行っちゃったのかしら

揚羽凛太郎

そこまで言うかよ・・

和久井龍也

言われてんぞ!リン!

揚羽凛太郎

うるせーな!

それからしばらく 一同は談笑していた

揚羽渚沙

さぁ!そろそろ
お開きにしましょうか

姫川美咲

今日はご馳走様でした

日向奏星

ご馳走様でした

和久井龍也

ご馳走様でした

揚羽渚沙

いいのよ!いいのよ!

揚羽渚沙

私もみんなと
お話しできて
楽しかったからね

姫川美咲

揚羽くんの
お父さんの話も
聞けたからね

日向奏星

え?お父さんの話?

日向奏星

何その話?私
聞いてないんだけど

揚羽凛太郎

奏星は知らなくていいよ

日向奏星

えー!なんでー!

日向奏星

みんなだけ
ズルくない?

姫川美咲

あとでLIMEで
教えてあげる

揚羽凛太郎

余計な事
しなくていいから!

姫川美咲

ちょっと何言ってるか
分からないなぁ

揚羽凛太郎

おいっ!

和久井龍也

あははは!

揚羽凛太郎

お前も笑ってんなよ!

揚羽渚沙

ふふふ

姫川美咲

じゃあ私はこの辺で
失礼します

和久井龍也

お先に失礼します

和久井龍也

今日はありがとう
ございました!

揚羽渚沙

いいのよ!

揚羽渚沙

気をつけて帰るのよ!

姫川美咲

はぁーい!

龍也と美咲は 手を繋ぎながら 街の奥へと消えていった

揚羽渚沙

アナタ達は
どうするの?

揚羽渚沙

ふたりでどっか
行くの?

揚羽凛太郎

まぁ、そうだなぁ

日向奏星

ご迷惑じゃないなら

日向奏星

凛くんとふたりで
ブラブラしたいですけど

日向奏星

せっかくお母さんが
帰ってきてる訳だし

揚羽渚沙

あはは!いいのよ!
気なんか遣わなくて!

揚羽渚沙

二人で楽しんでらっしゃい!

日向奏星

ありがとうございます

揚羽渚沙

あっ!そうだ!

揚羽渚沙

凛太郎!

揚羽渚沙

ちょっと来なさい

揚羽凛太郎

え?

揚羽渚沙

いいから来なさい!

渚沙が凛太郎の腕を 強引に引っ張る

揚羽凛太郎

ちょ!おい!母さん!

揚羽渚沙

ごめんね!奏星ちゃん!

揚羽渚沙

ちょっと
待っててね!

日向奏星

あ、はい・・・

日向奏星

(どうかしたのかな?)

揚羽凛太郎

なんだよ急に!

揚羽渚沙

急に!じゃないでしょ!

揚羽渚沙

アンタ!

揚羽渚沙

クリスマスプレゼント
どうするつもりなの?

揚羽凛太郎

その話か・・・

揚羽渚沙

いい機会だから
今日一緒に
選んであげたら?

揚羽凛太郎

きょ、今日?

揚羽渚沙

何驚いてんのよ!

揚羽渚沙

今日選ばなくて
いつ選ぶつもりよ!

揚羽凛太郎

それは・・・

揚羽渚沙

キチンと用意
してない事を伝えて

揚羽渚沙

一緒に選ぼう!って
伝えなさい!

揚羽凛太郎

う、うん・・・

揚羽渚沙

声が小さい!

揚羽渚沙

わかった?

揚羽凛太郎

わ、わかった・・・

揚羽渚沙

はい!しっかり!

渚沙は凛太郎の背中を 思いっきり平手打ちする

揚羽凛太郎

た、叩くなよな・・・

揚羽渚沙

何言ってんの!
気合い入れて
あげてんのよ!

揚羽渚沙

さぁ!しっかり
やって来なさい!

揚羽凛太郎

お、おぅ!

揚羽凛太郎

しっかりやって来るよ!

揚羽渚沙

そう!そう!
その意気よ!

揚羽渚沙

男見せる時でしょ!

揚羽凛太郎

ああ!

揚羽渚沙

ごめんね奏星ちゃん!

揚羽渚沙

もう用事は済んだから

日向奏星

あの・・やっぱり──

揚羽渚沙

いや、いいの!いいの!

揚羽渚沙

もう本当に話は
終わったから!

揚羽渚沙

ね?凛太郎!

揚羽凛太郎

あ、ああ・・・

揚羽凛太郎

だからこっからは
二人で回ろうよ

日向奏星

うん♫わかった♫

揚羽渚沙

なら二人で
楽しんできなさいね!

日向奏星

はい!

揚羽凛太郎

帰る時にLIMEするよ

揚羽渚沙

はぁーい!わかったわ!

揚羽渚沙

気をつけてね!

日向奏星

では失礼します・・・

凛太郎と奏星は渚沙と別れた後 しばらく街をブラついていた

日向奏星

あしたクリスマスイヴだね

揚羽凛太郎

あ、ああ・・・

日向奏星

・・・・・

揚羽凛太郎

奏星!

日向奏星

ん?なに?

揚羽凛太郎

実はさ・・・

揚羽凛太郎

そ、その・・・

揚羽凛太郎

(言え!言うんだ俺!)

日向奏星

ん?どうかした?

揚羽凛太郎

ごめんなさいっ!

凛太郎は奏星に 深々と頭を下げる

日向奏星

え?どうしたの急に・・

日向奏星

謝ったりなんかして

揚羽凛太郎

実はさ・・俺・・

揚羽凛太郎

まだ、クリスマスプレゼント
用意できてなくてさ・・

日向奏星

プレゼント?

揚羽凛太郎

奏星に何渡したら
喜んでもらえるか
考えてたんだけど

揚羽凛太郎

結局答えが出ないまま
今日になっちゃってさ

揚羽凛太郎

本当にごめん!

日向奏星

・・・・・

揚羽凛太郎

だからさ、悪いんだけどさ

揚羽凛太郎

一緒に選んでくれないかな?

揚羽凛太郎

やっぱ自分じゃ
何を奏星に渡せばいいか
分からなくてさ・・

揚羽凛太郎

どうせなら奏星が
本当に欲しいものを
買いたいんだ

揚羽凛太郎

できたら一緒に
選びたいなぁ・・なんて

日向奏星

凛くん・・・

揚羽凛太郎

ごめんな・・・

揚羽凛太郎

男ならカッコよく
これだ!って選んで

揚羽凛太郎

堂々と渡すべきだと
思うんだけど

揚羽凛太郎

やっぱ俺には
無理だったよ

日向奏星

ふふふ

揚羽凛太郎

え?奏星?

日向奏星

あ、ごめん

日向奏星

別にバカにした訳じゃなくて

日向奏星

ちゃんと考えてくれて
たんだなぁって思ったら

日向奏星

なんだか凛くんが
可愛く見えてきたと言うか

揚羽凛太郎

はは・・・

揚羽凛太郎

カッコ悪いな・・俺

日向奏星

ううん!そんな事ないよ

日向奏星

そこまで考えて
くれてたなんて

日向奏星

むしろ嬉しいから

揚羽凛太郎

奏星・・・

日向奏星

だから、一緒に
選びに行こう?

揚羽凛太郎

ああ!ありがとう奏星!

日向奏星

ふふふ

そんな凛太郎と奏星のやりとりを 遠目から覗きみる少女

眞琴杏樹

先輩・・・

眞琴杏樹だ

眞琴杏樹

いろんな場所を散々
探し回って

眞琴杏樹

やっと見つけた・・・

眞琴杏樹

はぁぁぁ!私の目の前に
揚羽先輩が居るぅ!

眞琴杏樹

もうそれだけで幸せ♫

眞琴杏樹

でも・・・

眞琴杏樹

隣にいる女・・・

眞琴杏樹

誰?

眞琴杏樹

まさか彼女なんて事
ないよね?先輩・・

眞琴杏樹

だって先輩には
私が居るんだもん

眞琴杏樹

あっ!そっか!

眞琴杏樹

無理やり
付き合わされてるんだ

眞琴杏樹

そうだよね

眞琴杏樹

うん!きっとそうだよ!

眞琴杏樹

でなきゃおかしいもんね!

眞琴杏樹

私っていう存在が居ながら
あんな女と一緒に居るなんて!

眞琴杏樹

揚羽先輩!待っててね!

眞琴杏樹

次は私が助けて
あげる番だよ!

ジュエリーショップ

凛太郎と奏星は 近所の商業施設に併設されている ジュエリーショップに来ていた

揚羽凛太郎

(オーソドックスだけど
やっぱジュエリーが無難かな?)

揚羽凛太郎

(ありきたりかな?)

揚羽凛太郎

ど、どうかな?奏星

日向奏星

なんかどれも
可愛いね

揚羽凛太郎

他も見て回る?

日向奏星

うー・・・ん

日向奏星

もうちょっとだけ
見てみたいなぁ

揚羽凛太郎

わかった。なら
もう少し居ようか

日向奏星

うん♫

日向奏星

(なんかどれも
可愛くて魅力的に見えるな)

日向奏星

(あっ!これ・・・)

奏星はとある ペンダントに心を奪われる

それはピンクゴールドの ハートを象ったペンダントだった

日向奏星

(可愛いなぁ!コレ)

日向奏星

(でも肝心なのは
値段だよね・・)

日向奏星

(いくらなんだろ・・・)

日向奏星

(安いと良いけど・・)

奏星は恐る恐る 値札を確認する

日向奏星

(わぁ!高っ!)

日向奏星

(ダメダメ!
こんな高価な物!)

日向奏星

(ダメだよ!ダメ!ダメ!)

日向奏星

(なんかもっと
こう・・安いやつ・・・)

揚羽凛太郎

何か良いのあった?

日向奏星

え?

奏星は焦った様子で ペンダントの前に立ち塞がり 値札を隠す

揚羽凛太郎

ん?どうかした?

日向奏星

ううん。なんでもないよ

日向奏星

そ、それよりな、なんか
別のお店も見てみたく
なっちゃったな

揚羽凛太郎

別の店?

揚羽凛太郎

この店、あんま
良いの無かった?

日向奏星

あ、う、うん・・・

日向奏星

じ、実はそうなんだ・・

揚羽凛太郎

(なんか挙動不審じゃね?)

揚羽凛太郎

なんかあった?

揚羽凛太郎

なんか様子おかしくない?

日向奏星

な、なんでもないよ!
大丈夫だから!

日向奏星

さ!さ!別のお店行こ!

日向奏星

ね?ね?

揚羽凛太郎

ちょ、奏星!
押すなって!

揚羽凛太郎

わかった!わかったから!

日向奏星

(あんな高いの欲しいなんて
さすがに言えないからなぁ)

揚羽凛太郎

ん?

揚羽凛太郎

(なんだ?あのペンダント)

奏星が去ったあとの売り場には 明らかに陳列が乱れた箇所があった

揚羽凛太郎

(あのペンダントだけ
明らかに乱れてるな)

揚羽凛太郎

(もしかして奏星は
あれを見てたのかな?)

揚羽凛太郎

ちょっと待って!奏星!

日向奏星

え?な、なに?

日向奏星

ど、どうしたの?

凛太郎は黙って 売り場に向かって歩き

先ほどのピンクゴールドの ペンダントを手に取る

日向奏星

(あっ!それは!)

揚羽凛太郎

ハート形のペンダントか

日向奏星

だ、ダメだよ!
それ高いから!

揚羽凛太郎

高い?

揚羽凛太郎

なんで高いって
知ってんの?

日向奏星

あっ・・・・

揚羽凛太郎

奏星?

日向奏星

そ、それは、その・・

日向奏星

だから・・えっと・・

揚羽凛太郎

可愛いペンダントだなぁ

揚羽凛太郎

コレほしいの?

日向奏星

で、でも・・高いし

日向奏星

何か別の安いヤツを・・

揚羽凛太郎

(どれどれ・・・)

揚羽凛太郎

(いくらなんだ?)

凛太郎は値札を確認する

揚羽凛太郎

(うっ・・8000円かぁ・・)

揚羽凛太郎

(予算は5000円くらい
って考えてんだけど)

揚羽凛太郎

(でもたかだか3000円超え
くらいなら許容範囲かな)

揚羽凛太郎

これ買おうよ!

日向奏星

で、でも高いよ?

揚羽凛太郎

でも、奏星はこれが
欲しいんでしょ?

日向奏星

そ、そうだけど・・

揚羽凛太郎

言ったろ?俺は
奏星が欲しいものを
買いたいんだよ

日向奏星

凛くん・・・

揚羽凛太郎

どうする?買う?

日向奏星

い、いいの?

揚羽凛太郎

ああ!奏星の為なら
8000円くらい
安いもんだよ!!

揚羽凛太郎

(安くないけど)

揚羽凛太郎

(むしろすげー高いけど)

日向奏星

凛くん・・・

日向奏星

あ、ありがとう・・

揚羽凛太郎

じゃあ早速
レジ行こっか

日向奏星

うん♫

日向奏星

ありがとう凛くん

日向奏星

ずっと大切にするね

揚羽凛太郎

そんなに
喜んでもらえて
よかったよ!

揚羽凛太郎

(かなりの
出費だったけど)

揚羽凛太郎

(まぁ、奏星の
喜んだ顔見れたし)

日向奏星

あっ!そうだ!

揚羽凛太郎

ん?どうした?

日向奏星

今から時間ある?

揚羽凛太郎

まぁ、うん
あるけど・・・

日向奏星

ちょっと
ウチ寄ってかない?

日向奏星

渡したいものがあるんだ

揚羽凛太郎

え?もしかして
クリスマスプレゼント?

日向奏星

う、うん・・・

揚羽凛太郎

え?まじで?行く!行く!

日向奏星

よかったぁ

日向奏星

じゃあ行こ♫

凛太郎と奏星は 手を繋いで帰宅路を歩く

それを尾行する杏樹

眞琴杏樹

おかしいよ・・・

眞琴杏樹

先輩はあんな女と
一緒なのに

眞琴杏樹

何であんなに
楽しそうなの?

眞琴杏樹

先輩のその笑顔は
私だけの物だったのに

眞琴杏樹

全部あの女のせいなんだ

眞琴杏樹

先輩が変わっちゃったのは!

眞琴杏樹

あのカナセとかいう
女のせいなんだ・・

眞琴杏樹

絶対に許さない!

眞琴杏樹

私の先輩を騙して
弄んでるんだ!

眞琴杏樹

絶対にゆるさない!

お節介アゲハと弱虫ヒナタ

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杏樹ちゃん、もう凛くんのこと解放してあげて…、

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