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ナンパ男の秘密

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ナンパ男の秘密

44 - きっかけは夜のチャイニーズレストラン

♥

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2021年04月03日

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あ、キスされる…

そう思った時にはすでに 唇に柔らかい感触があった

突然の行為だったけど 不思議と嫌悪感はなく驚くほどに胸が高なる

重なった唇が離れると 困ったように笑う彼の整った顔

倫也

ごめんね、あまりにも君が可愛くてつい

倫也

嫌だった?

これ以上近くとキケン…

頭の中で鳴り響く警告音に耳を塞ぐ

美鈴

(この瞬間から私の心はずっと囚われたまま…)

美鈴

はぁ〜…

彼に奥さんがいるなんて最初からわかってた

それなのにバカみたいに夢中になって 不毛な関係を続けて約2年…

美鈴

(ようやく別れを切り出せたのに)

美鈴

(どうしても彼のことばかり考えてしまう…)

倫也

美鈴

美鈴

!オーナー…

倫也

休憩中?

美鈴

はい

美鈴

でももう戻りますので…

倫也はその場を去ろうとする美鈴の腕を掴む

倫也

…もう普通に話してくれないの?

美鈴

離してください

美鈴

お願いします…

美鈴

…………

倫也

…悪かった

倫也

仕事、頑張って

掴んでいた美鈴の腕を離し去っていく倫也

その背中を見つめる美鈴の瞳には うっすらと涙が浮かぶ

美鈴

(もうこの仕事やめようかな…)

決して私のものにはならない彼を これ以上見つめ続けるのは

あまりにも辛い…

どうしてこんなにも好きになってしまったの?

休日前で人の出入りが多い日だった

学生服の青年が1人で席に座っている

家族連れの多いこの店には少し珍しい光景だ

美鈴

(高校生かな?)

席に水とおしぼりを運ぶ

美鈴

失礼します

虎太郎

あの!

美鈴

はい?

虎太郎

俺、あなたがここで働く姿を見かけて以来

虎太郎

ずっと気になってて

虎太郎

その…

虎太郎

一目惚れです!

美鈴

えっ

ザワザワとした店内だがもしかすると 近くの席の客には 聞こえていたかもしれない

真っ赤な顔をした青年の あまりにも唐突な告白に驚く美鈴

虎太郎

これ俺の番号です

虎太郎

連絡くれたら嬉しいです!

11桁の数字が書かれてある 小さな紙の切れ端を差し出され握らされる

美鈴

あの…

虎太郎

俺に少しだけチャンスください

虎太郎

ウザかったら遠慮なくフってくれて大丈夫なんで

虎太郎

まだ断らないでください

俯き両手を握りしめる青年

ストレートな物言いだが 緊張しているのがうかがえる

その姿を見ると、 この紙を突き返すことはできなかった

- 1ヶ月後 -

夜の開店準備でお店の表を掃除している美鈴

虎太郎

あの…!

美鈴

君…

虎太郎

なかなか連絡がないんで…その…

美鈴

私27歳なの

美鈴

君と10個くらいは年が離れてると思う

虎太郎

確かに俺はまだ17だけど…

虎太郎

でも年は関係ないです

美鈴

そうね…けど君高校生でしょう?

虎太郎

俺が高校卒業したら男として見てくれますか?

美鈴

君ってストレートだね、よく言われない?

虎太郎

…俺17だし高校生だけど真剣です!

美鈴

そう…

美鈴

真剣に伝えてくれたからきちんと答えるべきよね

美鈴

私忘れられない人がいるの

美鈴

今は次の恋愛なんてとても考えられない

美鈴

君は若いし私よりもっと若くて素敵な人が…

虎太郎

俺あなたが好きです!

虎太郎

あなたのことまだ何も知らないけど

虎太郎

だからもっとたくさん知りたいです!

虎太郎

次の恋愛してもいいなって思ったら

虎太郎

その時は少しでもいいから

虎太郎

俺のこと思い出してほしいです!

美鈴

…………

虎太郎

俺、佐山虎太郎っていいます

虎太郎

お名前教えていただいてもいいですか?

美鈴

…朝倉美鈴

虎太郎

美鈴さん…お名前知れて嬉しいです!

そう言って笑う虎太郎はまるで 太陽みたいに眩しかった

- 3ヶ月後 -

あの日から虎太郎は 毎週末レストランにご飯を食べに来た

食事をしない日も毎日の様に 美鈴が開店準備をしているところに現れた

虎太郎

美鈴さん今日も会えて嬉しいです!

彼は毎回ストレートに想いを伝えてくる

それが全く嫌ではなかったし、

明るい彼と会話をすると 仄暗い自分の心が少し晴れていくのがわかった

倫也と別れてもうすぐ半年…

倫也のことを考える時間は 少しずつ減っているような気がした

倫也

美鈴

美鈴

あ、オーナー。お疲れ様です

倫也

駅まで一緒に歩かないか?

美鈴

はい

少し歩いて駅の改札に着く

美鈴

それじゃあ

倫也

美鈴

突然腕を引かれて倫也に抱きしめられた

美鈴

!?

倫也

戻ってきて欲しい

倫也

美鈴を失ってからの時間、考えない時はなかったよ

倫也

ずるいことを言ってるのはわかってる

倫也

でも美鈴がいないと俺は…

久しぶりの彼の温もりが心地良くてゾッとする

美鈴

(この腕の中に帰りたい)

美鈴

(だけどこの腕の中は誰よりも孤独な気持ちになる場所)

美鈴

お願い…!離して!

溢れ出す涙

虎太郎

美鈴さん!!

虎太郎の手が美鈴と倫也を引き離し 美鈴の手を掴んでその場から離れる

美鈴

虎太郎くん!?

倫也の姿が見えないところまで走ってきていた

虎太郎

あ、今ちょうど帰りで!

虎太郎

俺ストーカーじゃないです!

虎太郎

アイツ変質者ですか?

美鈴

レストランのオーナーよ

虎太郎

えっ!?

美鈴

元彼なの

美鈴

前に言った私の忘れられない人

虎太郎

あ、俺余計なこと…

美鈴

ううん、いいの

美鈴

むしろ助かったから

弱々しく微笑む美鈴

虎太郎

俺…美鈴さんが好きです!

虎太郎

いつも美鈴さんと会うと幸せな気持ちになれます!

虎太郎

俺…年下だし頼りないかもだけど…

虎太郎

俺じゃダメですか?

美鈴

虎太郎くん…

美鈴

ごめんなさい、気持ちには答えられない

美鈴

(次の恋愛に踏み出すなんて私には…)

虎太郎

わかりました…

虎太郎

困らせてすみません!駅まで送りますね

週末だったが レストランに虎太郎の姿はなかった

美鈴

(もうさすがに来ないよね…)

後ろからの不穏な気配に自然と早足になる

男性A

お姉さん今帰り?

不審な男性に話しかけられ息が止まる

美鈴

急いでますので…

男性A

そうツレないこと言わないで

男性A

俺と遊ぼうよ

急に強い力で腕を掴まれる

美鈴

痛…!

虎太郎

美鈴さんから離れろ!

虎太郎の学生カバンが 不審な男の頭にクリーンヒットする

虎太郎

美鈴さん!走って!

一連の流れに呆然とする美鈴の手を引いて走る

美鈴

虎太郎くん!?

虎太郎

美鈴さんにはふられたけど

虎太郎

やっぱ諦めきれなくて…

虎太郎

話しかけようと思って

虎太郎

店から出てきた美鈴さんのあとをつけてタイミングを…

虎太郎

ってすみません

虎太郎

ストーカーは俺っすね…

美鈴

ううん…

美鈴

助けてくれてありがとう…

握った美鈴の指先は冷たく少し震えていた

虎太郎はか細い美鈴の肩を抱き寄せる

虎太郎

これからも俺に美鈴さんを守らせてください

虎太郎

俺だったら美鈴さんに悲しい顔させないです

虎太郎

ずっとそばにいます

虎太郎

笑顔にします

虎太郎

大好きなんです!

美鈴

虎太郎くん…

虎太郎の想いに思わず目頭が熱くなった

美鈴はバッグの中から 1枚の紙切れを取り出す

虎太郎

その紙…持っててくれたんですか?

美鈴

彼のこと完全には忘れられてないの

美鈴

でも…

美鈴

今夜、家に帰ったら電話するわ

虎太郎

…!

虎太郎

待ってます!!!ずっと!!!

嬉しそうな虎太郎を見て微笑む美鈴

きっかけは夜のチャイニーズレストラン

私とあなたが初めて出会った場所

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