あ、キスされる…
そう思った時にはすでに 唇に柔らかい感触があった
突然の行為だったけど 不思議と嫌悪感はなく驚くほどに胸が高なる
重なった唇が離れると 困ったように笑う彼の整った顔
倫也
倫也
これ以上近くとキケン…
頭の中で鳴り響く警告音に耳を塞ぐ
美鈴
美鈴
彼に奥さんがいるなんて最初からわかってた
それなのにバカみたいに夢中になって 不毛な関係を続けて約2年…
美鈴
美鈴
倫也
美鈴
倫也
美鈴
美鈴
倫也はその場を去ろうとする美鈴の腕を掴む
倫也
美鈴
美鈴
美鈴
倫也
倫也
掴んでいた美鈴の腕を離し去っていく倫也
その背中を見つめる美鈴の瞳には うっすらと涙が浮かぶ
美鈴
決して私のものにはならない彼を これ以上見つめ続けるのは
あまりにも辛い…
どうしてこんなにも好きになってしまったの?
休日前で人の出入りが多い日だった
学生服の青年が1人で席に座っている
家族連れの多いこの店には少し珍しい光景だ
美鈴
席に水とおしぼりを運ぶ
美鈴
虎太郎
美鈴
虎太郎
虎太郎
虎太郎
虎太郎
美鈴
ザワザワとした店内だがもしかすると 近くの席の客には 聞こえていたかもしれない
真っ赤な顔をした青年の あまりにも唐突な告白に驚く美鈴
虎太郎
虎太郎
11桁の数字が書かれてある 小さな紙の切れ端を差し出され握らされる
美鈴
虎太郎
虎太郎
虎太郎
俯き両手を握りしめる青年
ストレートな物言いだが 緊張しているのがうかがえる
その姿を見ると、 この紙を突き返すことはできなかった
- 1ヶ月後 -
夜の開店準備でお店の表を掃除している美鈴
虎太郎
美鈴
虎太郎
美鈴
美鈴
虎太郎
虎太郎
美鈴
虎太郎
美鈴
虎太郎
美鈴
美鈴
美鈴
美鈴
美鈴
虎太郎
虎太郎
虎太郎
虎太郎
虎太郎
虎太郎
美鈴
虎太郎
虎太郎
美鈴
虎太郎
そう言って笑う虎太郎はまるで 太陽みたいに眩しかった
- 3ヶ月後 -
あの日から虎太郎は 毎週末レストランにご飯を食べに来た
食事をしない日も毎日の様に 美鈴が開店準備をしているところに現れた
虎太郎
彼は毎回ストレートに想いを伝えてくる
それが全く嫌ではなかったし、
明るい彼と会話をすると 仄暗い自分の心が少し晴れていくのがわかった
倫也と別れてもうすぐ半年…
倫也のことを考える時間は 少しずつ減っているような気がした
倫也
美鈴
倫也
美鈴
少し歩いて駅の改札に着く
美鈴
倫也
突然腕を引かれて倫也に抱きしめられた
美鈴
倫也
倫也
倫也
倫也
久しぶりの彼の温もりが心地良くてゾッとする
美鈴
美鈴
美鈴
溢れ出す涙
虎太郎
虎太郎の手が美鈴と倫也を引き離し 美鈴の手を掴んでその場から離れる
美鈴
倫也の姿が見えないところまで走ってきていた
虎太郎
虎太郎
虎太郎
美鈴
虎太郎
美鈴
美鈴
虎太郎
美鈴
美鈴
弱々しく微笑む美鈴
虎太郎
虎太郎
虎太郎
虎太郎
美鈴
美鈴
美鈴
虎太郎
虎太郎
週末だったが レストランに虎太郎の姿はなかった
美鈴
後ろからの不穏な気配に自然と早足になる
男性A
不審な男性に話しかけられ息が止まる
美鈴
男性A
男性A
急に強い力で腕を掴まれる
美鈴
虎太郎
虎太郎の学生カバンが 不審な男の頭にクリーンヒットする
虎太郎
一連の流れに呆然とする美鈴の手を引いて走る
美鈴
虎太郎
虎太郎
虎太郎
虎太郎
虎太郎
虎太郎
美鈴
美鈴
握った美鈴の指先は冷たく少し震えていた
虎太郎はか細い美鈴の肩を抱き寄せる
虎太郎
虎太郎
虎太郎
虎太郎
虎太郎
美鈴
虎太郎の想いに思わず目頭が熱くなった
美鈴はバッグの中から 1枚の紙切れを取り出す
虎太郎
美鈴
美鈴
美鈴
虎太郎
虎太郎
嬉しそうな虎太郎を見て微笑む美鈴
きっかけは夜のチャイニーズレストラン
私とあなたが初めて出会った場所
コメント
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読みました!
続きあるかな?