ユウヤ
最近ヤベェのよ
仁
何が?
ユウヤ
めっちゃ視線感じてんの
仁
誰の?
ユウヤ
俺の右隣の席の女子がさ
ユウヤ
やたら俺のこと見てくるんだよ
ユウヤ
アイツ俺のこと好きなんじゃねぇかな?
仁
右隣…
仁
…いや、流石に勘違いなんじゃねぇの?
ユウヤ
でもここ1週間くらいずっとだぜ?
ユウヤ
流石にヤベェだろ
仁
お前さ、さっきから誰の話してんの?
仁
お前一番廊下側の席だろ
仁
右隣に誰も座ってねぇじゃん
ユウヤ
は…?え?
ユウヤ
いや、だって右隣に座ってんだよ
ユウヤ
こっち見て笑ってんだよ?
仁
何それ、気持ち悪ぃな
仁
お前明らかにヤバい何かに引き込まれてるって
ユウヤ
…ちょっと理解が追いつかねぇわ
ユウヤは居るはずもない女に見つめられていると言う
仁
なぁ、たいち
たいち
どした?
仁
今日さ、ユウヤがめっちゃ気持ち悪い事言ってたんだよ
たいち
ん?
仁
なんかユウヤ曰く、右隣に座ってる女子がユウヤをずっと見てくるんだってさ
仁
でもアイツ一番廊下側の一番前の席に座ってるじゃん?
仁
右隣なんか誰も座ってないのよ
たいち
え?
仁
たいちさ、ユウヤの後ろに座ってるじゃん?
仁
たいちなら何か知ってたりしないかなと思ってさ
たいち
ちょっと待って
たいち
お前さ、何の話してんの?
仁
え、いやユウヤが気持ち悪い事言ってるって話だけど
たいち
たいち
いや、だからユウヤって誰?
仁
え、たいちの前の席の奴だけど
たいち
俺廊下側の一番前の席に座ってんだけど
仁
…は?え?
たいち
お前気持ち悪い事言うなよ
ユウヤなんて人間は実在していなかった