セミが五月蝿いある夏の日
私は死ぬ為に屋上に来た
???
…やぁ、こんにちは
私は冷めきった声で屋上のフェンスに寄りかかっていた人に声を掛けた
貴方は…誰?
???
私…?私は
アカツキ
アカツキだよ
初対面なのに馴れ馴れしく話す「アカツキ」に私はイライラしていた
貴方は何なの? そこ、避けてくれない?
アカツキ
アカツキ
ま、まぁまぁちょっとくらい話そうよ
アカツキ
死んでしまうのだろう?
私はここへ来た理由を当てられ、ビクッとした
…そうだけど、何? 止めるつもり?
私は学校に居場所が無いんだよ… ただ勉強しに来てるだけなのに、何で虐められなきゃいけないんだろう
アカツキ
じゃあ、そのままその気持ちをいじめっ子に伝えてみようよ
無理だよ… 私は人に気持ちを伝えれないの
どうせ怖くて一言も喋れないよ…
アカツキ
親には言えないの?
私はお母さんしか居ないの…だから迷惑なんてかけれない
アカツキ
私には話せてるじゃん。
…そうだね 不思議、アカツキには何でも話せる気がする
アカツキ
それは良かった
アカツキ
君は死ぬ為にここに来たみたいだけど、死ななくてもいいんじゃない?
アカツキ
死んだらそれこそ親に迷惑が掛かるよ
アカツキ
学校なんて狭い世界なんだから
アカツキ
死ぬくらいなら学校なんて行かなくていい。
休んでもっと広い世界に出た方がいいよ
休んでもっと広い世界に出た方がいいよ
アカツキ
君はまだ何処にでも行けるんだから
そう、だね ありがとう、何だかスッキリした
お礼に、私もアカツキの悩みでも聞いてあげるよ。
アカツキ
ありがとう
アカツキ
じゃあ、お言葉に甘えて
アカツキ
私がなんでこんな事してるかって言うとね
アカツキ
もう少しでいくんだ。
引っ越しとか?
アカツキ
…うん、まぁ、そう
アカツキ
遠い遠い所へいってしまうから
アカツキ
せめてこの学校で悩んでいる人を助けてあげたいって思ってね。
そう、なんだ… もうアカツキと会えなくなっちゃうんだね…ちょっと寂しい…
アカツキ
またいつか逢えるよ。
大丈夫
大丈夫
そう、かなぁ?
アカツキ
うん、絶対そうだよ
アカツキ
さ、もう行って
アカツキ
こんな所にもう用は無いでしょ?
うん! ありがとう、また会いに来るね
アカツキ
…ありがとう
アカツキ
さようなら