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44 - カラダの関係、お許し下さい![葵の実家編]Pt.5

♥

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2021年08月18日

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綾乃

……あっ!

ホテルの部屋に入った途端、ベッドへと押し倒される

綾乃

葵っ!何すんの…っ!

そして馬乗りになった葵が、着ていた服を頭から乱暴に脱ぎ始めた

決まってるだろ

お前のカラダを消毒するんだよ

綾乃

消毒って…

綾乃

わ、私ちゃんとお風呂で綺麗にしてきたから大丈夫だってば////

…そんなんじゃ足りない

ギシ…と軋むベッドの上で、覆い被さった彼が髪を撫でる

ごめん…綾乃

俺がもっと早く自分でどうにかしてたら、こんなことにはならなかったのに…っ

綾乃

………

綾乃

ううん、私がちゃんと葵の話も聞かないうちに勝手なことしたから…私のせいなの

綾乃

それに……お兄さんと最後までしちゃったわけじゃないんだから、もういいの…

……俺はよくない

兄貴だろうが誰だろうが…お前のカラダに触られたなんて想像しただけで内臓がバラバラになりそうだから…!

綾乃

葵…っ

アイツに…何された?

…キスされた?

綾乃

……うん

そう答えた瞬間に、突然深く口付けられる

綾乃

…んっ…!

まだクスリ抜けないのか?

綾乃

…違うの

綾乃

葵に……私が反応してる

見つめ合いながら、何度もキスを繰り返しながら綾乃の服を脱がせていく…

他に何されたの?

胸…触られた?

綾乃

……触られた

首筋に唇を這わせながら、裸の胸を優しく掴まれて…

…何されたか言って

ピンク色に染まった乳首を指で軽くつままれる

綾乃

そ、そこ…

綾乃

舐められた…

……バカ

乳首に舌が触れて、ピクッと体が反応する

綾乃

…あっ♡葵…っ!

綾乃

ダメ……やっぱまだ体、変かも…っ

いいよ…全部元に戻すから

そんなの俺が全部、上書きしてやる

膝を割った手が、さっきから過剰なほど反応している部分の溝に触れた

綾乃

あぁ…あっ!♡

コッチは?

綾乃

え…?

ここもアイツに……触られたのっ?

綾乃

……うんっ…

綾乃

で、でも…ちょっとだけ触れられただけだから…!

綾乃

その後すぐ、葵のお母さんが来て…

…そっか

じゃあ俺がいっぱい気持ち良くしてあげる

何もなかったことに…できるぐらいに…

広げられた太ももの内側に、葵は無数のキスを落としていった

綾乃

あ…っ

俺のことしか感じちゃダメ

じゃなきゃ…もう許さない…っ

そう言いながら、水分を含んだ窪みに舌を這わせ始める

綾乃

あ…あぁ…あぁん…!

口淫しながらさらに両脚を広げられると同時に、羞恥心と一緒に快楽が全身を駆け巡る…

綾乃

あ…ぁ…葵っ!ダメ…!

綾乃

私…まだ変なのにっ…!

じゃあもっと変になって…

綾乃

いや…あ…っ!

綾乃

ぁ…!もう、もうダメ…っあぁぁ…!!

ジュワッと溢れ出たものがシーツに滲んでいった

『キミって、多分…元々は普通の女の子だったんじゃない?』

『開発されて、そんなにエロい体になっちゃったんでしょ?』

昇りつめる快楽の中、潤に言われた言葉が鈍く響いた

綾乃

(それでも…いい…)

綾乃

(ふしだらな女でも、快楽に依存してたっていい…っ)

綾乃

(私は…っ)

綾乃

葵が…欲しいの…っ

綾乃

早く…私の中まで葵で上書きして…!!

綾乃

あなたが……どうしようもないぐらいに好きなの…!!

重なり合う肌が、熱を帯びてお互いの隙間を埋めていった…

───────・・・

綾乃

ねぇ…葵

…んー?

綾乃

葵のお父さんって…すっごく女の人にモテたんだってね

綾乃

そのたびにお母さんが気を揉んでたって…お兄さんから聞いたの

へぇ…

綾乃

それで私、思うんだけど…

綾乃

お母さん……一人の女性としてお父さんのこと、すごく愛してたんじゃないかな…

…さぁな

今となっちゃ、そんなこと誰にもわかんないだろ

綾乃

ううん…きっと、今だってその気持ちは変わらないと思うの

…なんでそう思うの?

綾乃

お母さんが葵のこと見た時に、お父さんの名前を呼んだでしょ?

綾乃

「慎司」…って

………

綾乃

二人がどんな理由で離婚しちゃったのかは知らないけど…

綾乃

そんなお父さんにそっくりな葵のこと、愛してないはずなんかないと思う

綾乃

むしろ…

いいよ…もうそんなの…っ

だいたい、なんでお前にそんなことわかんの?

綾乃

それは…っ

綾乃

…「女の勘」ってヤツよっ!(キリッ)

………。

…女の勘ってヤツよっ♡

なーんて、クールな女ぶってるわりにはウルサイぐらい喘いじゃってたけど大丈夫?♡(笑)

綾乃

ばっ…!バカ!!////

綾乃

でもほんと、葵って「親の心、子知らず」って感じだよねっ

母さんが仕事で苦労してきたことはちゃんとわかってるって…

綾乃

そういうのはそれだけじゃないのっ

……っ

もう寝るっ!

その夜、葵は幼い頃の夢を見た

教師

今日の授業は作文を発表してもらいまーす!

教師

みなさん、「僕のお父さん、お母さん」の作文はちゃんと書けましたかー?

教師

今日は授業参観日なので、お父さんお母さんの前でしっかり発表しましょうね!

………

ゾロゾロと教室内の後ろに列を作り始める大人たちの中を、葵はチラチラと振り返っては探していた

(お母さん…まだ来てない…)

(やっぱり、仕事が忙しくて来れないのかな…)

教師

はいっ、では結城くんから発表してもらいまーす!

アキラくん

ぼ、ぼぼ、僕ですかっ?!

教師

はい♡しっかり頑張って下さいね!

アキラくん

はい!ええっと…

アキラくん

「ぼ、僕のお父さん、お母さん…」

アキラくん

「僕は、お父さんとお母さんが大好きです。」

アキラくん

「僕のお母さんは、僕のお父さんのことを『M男』と呼んではいつも仲良く遊んでいます。」

アキラくん

「最近、お母さんの部屋でロウソクや革製のムチや、ギラギラした変な形のアイマスクを見つけました。」

アキラくん

「一体、何に使うのかな?」

アキラくん

「もしかしたら、お父さんと遊ぶためのオモチャなのかもしれません。」

アキラくん

「そんなお父さんのことが、なぜかちょっとだけ、羨ましく思いました。」

周りの友達がコッソリ後ろに向かって手を振る中、葵は振り返っては俯く

(まだ来てない…)

(お母さん……やっぱり、オレのことなんて…っ)

その時、教室の入り口からひときわ目立つ女性が現れた…

お母さん

………

あ……!!

(……来た!!お母さんが来てくれた…!!)

アキラくん

「僕も、将来はお父さんのような素晴らしい『M男』になりたいです。」

アキラくん

……終わり

教師

素晴らしい作文でしたよ、結城くんっ!

教師

皆さん、拍手!

パチパチパチパチ…

教師

それじゃあ次は…

教師

桐矢くんっ!

あ……はいっ!

作文用紙を広げて席を立つと同時に後ろを横目で見ると、目が合った母はすぐに視線を外した…

……「僕の、お母さん。」

「僕のお母さんは、ファッションデザイナーの仕事をしています。」

「僕の家には、生まれてからずっとお父さんがいません。」

「でも、僕は……」

お母さん

………

「お母さんがいてくれるので、ちっとも寂しくなんかありません。」

「お母さんは、仕事が忙しくてあまり一緒にご飯を食べたりできませんが、たまに早く帰ってきてくれて一緒にご飯を食べられる時はとっても嬉しいです。」

お母さん

………

「お母さん…」

「キレイで、オシャレで、笑うとちょっと可愛いお母さんが、僕は…」

「……大好きです。」

お母さん

……っ

息子の背中を見つめている視界が滲む

「お母さんがいつかお婆さんになってしまっても、僕がいつまでもお母さんのことを守ってあげたいです。」

……終わり…

教師

…とっても素晴らしかったわ、桐矢くん!

教師

…皆さん、拍手を!

パチパチパチパチパチパチ!!

………

後ろを振り返ると、すでに母の姿は消えていた…

(……あれ?お母さん…)

(途中で…帰っちゃったの…?)

──────・・・

───1週間後

ウスラハゲ部長

ちょっといいかな?藤崎さん

綾乃

はい、何でしょう?

ウスラハゲ部長

先ほどキミにお客様がいらしてね、応接室でお待ちいただいてるからすぐに向かってくれないか?

綾乃

お客様…?

ウスラハゲ部長

ああ、何でもご身内だって言っているんだが…

綾乃

身内って…

ウスラハゲ部長

ボソッ(キミ、身内にあんな有名人がいたのかい?!)

ウスラハゲ部長

ボソボソッ(こ、個人的な話が終わったらぜひとも、弊社との事業提携を勧めていただきたいのだが…////)

綾乃

………

綾乃

まさか…

席を立つと、綾乃は一目散にオフィスを出て行った

ウスラハゲ部長

あ…ちょっと!

ウスラハゲ部長

事業提携の話、よろしく…!!

…コンコン、ガチャンッ

綾乃

失礼します、藤崎ですが…

保篠陽子

…あ、藤崎さんっ

保篠陽子

お仕事中に突然お邪魔してしまって…ごめんなさい

綾乃

い、いえ…

綾乃

あの、私に何か…?

保篠陽子

………

保篠陽子

先日、私の長男が働いた無礼を…代理として謝罪に参りました

保篠陽子

本当に…申し訳ございませんでした…!

立ったまま深々と頭を下げる陽子に、綾乃は慌てて駆け寄った

綾乃

そ、そんな…お母様…っ

綾乃

あなたのような方に頭なんて下げられたら困ります…!!

保篠陽子

…いいえ、すべては母親である私の責任ですから

席に座り、対面する二人

綾乃

それじゃあ、お兄さんの口からあの日のことを…

保篠陽子

ええ…

保篠陽子

あの子がまさか、弟と婚約中のあなたに手を出したりするなんて…っ

保篠陽子

会社のトップである私にあの子はいつでも逆らわず、従順だったあまりに…

保篠陽子

私は母として、息子の苦しみに何も気づけなかった…

綾乃

………

保篠陽子

…それに、潤には強くあなたとお会いするように勧められたの

…数日前

保篠陽子

なんなの?私に話って

保篠陽子

この後大切な会議があるんだから、手短に済ませてちょうだい

書類の束に目を通したままの陽子に、潤は言った

会長、今日はお願いがあって参りました…

本日限りで、代表取締役社長の任を辞任させていただきたく存じます

保篠陽子

……なんですって?

保篠陽子

一体どうして…!

母さん、俺…

もうこれ以上、自分で自分の首を絞めながら生きていきたくはないんだ…

保篠陽子

どういう意味…?

俺は、いつだって母さんのことを信頼して母さんの言う通りに動いてきた

葵みたいに絵も得意じゃなくて、モデルの素質もないこんな俺をここに置いて働かせてくれたことには感謝してる…

でも…その中に、「俺」ってどこにもいなかったんだよ

…これじゃ、葵にバカにされても当然だよな(笑)

保篠陽子

………

なぁ、母さん…

本当は、葵のことを誰よりも愛してるんでしょ?

保篠陽子

え…?

俺、小さい頃からよく知ってるよ

母さんが、父さんにだんだんそっくりに成長していく葵のことを見るのも辛くて、それでも愛情を捨てられない後ろ姿をずっと見てきたから

保篠陽子

あ……っ!

だからこそ…俺は寂しかった

本当は俺なんかより、愛した男にそっくりで絵の上手な葵の方が大切なんじゃないか…って…

そんな葵が家を出て行ってからも、劣等感は消えなかった…

だから…そんなこと信じたくなくて、ずっと母さんの言いなりになるしか…

保篠陽子

もういいわ、潤っ!

保篠陽子

わかったから…

保篠陽子

……ごめんなさい…っ!!

母さん…っ

保篠陽子

お願いだから…っ

保篠陽子

あなたにはあなたの人生があるんだから、もうそんなものにとらわれないで!

保篠陽子

…辞任を認めます

…ありがとう

それと母さん、藤崎綾乃さんのことなんだけど…

保篠陽子

藤崎綾乃って……葵の…

あの時別宅で俺…彼女に手を出した

保篠陽子

なっ…?!

葵への当て付けだよ…ほんと、馬鹿馬鹿しいよな(笑)

でも彼女は…あろうことか俺を庇って嘘をついた

弟の婚約者に手を出した俺の立場だけじゃなくて、そんな俺と母さんとの関係も守るために…

保篠陽子

……っ

母さん、彼女ときちんと会って話をしてくれないか?

葵のこと…そして、自分のことも、全部

保篠陽子

で、でも…っ

葵のことなら心配ないよ、きっと

…今まで、拒絶されるのが怖くて会いに行けなかったんだろ?

母さんがちゃんと自分の気持ちに素直に行動すれば、葵は絶対に無視したりなんかしない…

アイツのこと、幼い頃からずっとコンプレックスだった俺にはわかるから

保篠陽子

潤…っ!!

保篠陽子

ありが…とう…っ

つづく

カラダの関係は、お試し期間後に。

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