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20XX年、8月1日(土)、13:00

鳳仙(ほうせん)県、蒼海市の □□アパートの一室にて

高森 金星

zzzz.......

高森 金星

んあぁ...zz

高森 金星

あちぃ...zz

暖房(27度)がついている部屋の中

まだ寝足りないというのに、重い瞼をゆっくりと開けて目を覚ます。

高森 金星

ぅあぁ...z

炬燵の中に体全体をすっぽりと入れた汗だくの彼は...

名前:高森 金星(まあず) 年齢:21歳 身分:大学生

Fucking Hot!!

高森 金星

アッツいわボゲェ!!

涼しさを求め、炬燵の外へと飛び出す。

今世紀最悪の目覚めといってもいい。

高森 金星

(何で暖房なんかつけてんだ...俺)

炬燵の上にあるエアコンのリモコンを手に取り、冷房に切り替える。

高森 金星

(炬燵も...邪魔だ...)

...と床に散らかった使用済みのティッシュ、皺だらけの衣服類、カップ焼きそばの空容器、空の注射器を踏みしめ...

コンセントを力任せに引っこ抜く。

高森 金星

はぁあ''ぁあ...

荒れた床にドッと座り込み、全身を駆け巡るような気持ち悪い疲れが襲ってきてしまい...

たまらず溜息が出てしまう。

高森 金星

..........

そのまま俺はしばらくの間、魂が抜けたかのように、ただ呆然と天井を見上げていた。

高森 金星

(暖房に炬燵..)

高森 金星

(俺、昨日何してた?)

頭皮をボリボリと掻き毟りながら昨日の事を思い出そうとするも....

その時だった

ザワザワ...

窓から見た景色で最初に目に入ったものに向かいなさい

向かう為に必要な物は全て机の引き出しの中にある

頭を下敷きの角でバゴンッ!と殴られたかの様な衝撃と共に

他の事が考えられない程にこれらの言葉が頭を埋め尽くした。

金星(まあず)

アイタタタ...

金星(まあず)

(この言葉...確か昨日言われた気がするな...)

金星(まあず)

(黒いフードを被っていた...っけ?)

金星(まあず)

くっそ、思い出せねえ

あまりにも抽象的すぎる内容なので、もっと具体的に思い出すことにしてみる。

事の起こりを1つずつ順序立てて確認するように...

金星(まあず)

んんん~

金星(まあず)

昨日は確か...◯◯に飲み会に誘われて

金星(まあず)

それで...

時は遡り

7月30日、17:30 呆居酒屋にて

ガヤガヤと活気づいている音、店員の足音、元気溌剌とした掛け声

そして、俺と◯◯とその他4匹の猿

乾杯!

ハマっているゲーム、大学の講義とかゼミ、就職活動とかの他愛も無いただの雑談を繰り広げていた。

金星(まあず)

いやマジそうなんよ

金星(まあず)

それがさぁ...

ただの雑談と云えど、俺含めた全員が盛り上がって...

金星(まあず)

ナイナイナイナイナイ!

金星(まあず)

蹴り殺すぞお前w!

金星(まあず)

無いから!全然そんなの無えし!

飲んで...

金星(まあず)

ぶぇあっはははw!!

とにかく飲んで...

酔って...

金星(まあず)

オウ?アバダケダブラ?

2ヶ月振りに皆と会えて交わすこういう付き合いが、この上なく楽しいんだ。

そして時間は過ぎ去り、化粧したお月様が''こんにちは''をした頃

金星(まあず)

じゃああ!みんあ!

◯◯

さよなら~

サルB

ウィッス!

サルC

バイちゃ~

俺は少しの寂しさを身に染めながら1人と4匹のサルと''さようなら''をして

△△駅に酔い潰れた状態でフッラフラと覚束無い足取りで向かった。

金星(まあず)

オエップ

コツコッコココツコッ(歩く音)

来てる...来てるぞ

すごく近くなってきてる!

あの時の記憶がこっちに全力ダッシュで向かってきてるぞおお!

駅まであと目と鼻の先の距離といったところで

俺は''あの人''に声を掛けられたんだ。

金星(まあず)

フッラフララ~

ちょっといいかな?そこの君

機械に弄くられたような抑揚の無い不協和音。

質素なパイプ椅子に座って全身を黒で包み込んだジジイから発せられたその声。

金星(まあず)

ふ...ぁい?

不協和音に聞こえたが、どことなくミステリアスな雰囲気が俺を魅了した。

怖いもの見たさという奴なのだろう。心が踊る。

君の運勢を占ってあげよう

金星(まあず)

うぇ?ふらひゃい?

金星(まあず)

みいっすよぉ!そんなのぉヒッ

金星(まあず)

金ぇ、取るんでじょ?

金星(まあず)

あど俺ぇ、あうまじ占ひってえ信じてなぃでぇすしい~ヒック

テレビとかYoutubeに出てる占い師とか催眠術師だとか...

カードに水晶玉...

あんな馬鹿げた物を信じるのは頭がお花畑のガキと女と猿だけだ。

何しろ、あんなの非科学的じゃねえか。

それでしたら...

私が占いで君の事に関することを当ててあげよう

ああ...お代は結構だよ?

先程の感じとは打って変わって声の整った真面目さを感じさせる声。

金星(まあず)

ん~

金星(まあず)

まぁ...ひいですけどヒック

別に急いでる訳でもないし

ほんの数分間だけ縛られるだけだ。なんてことはない。

そんな考えの元、パイプ椅子にドシッと腰掛ける。

君の好きな食べ物はレモンだね?

俺が座るやいなや、ジジイはズバッとそう言い放つ。

金星(まあず)

...!

確かに俺の好きな食物の中にレモンは含まれている。

物心がつく小さい頃から好き好んで食べていたくらいだ。

でも、好きな食べ物には他にも梅干し、グレープフルーツとかシークヮーサーなんかも含まれている。

こんなのただのまぐれに過ぎない

それと君は中学1年生から3年生にかけて...

名前が原因で虐めを受けていたようだね?

闇に埋もれた電撃がビリリと走り、酔いが少し覚める。

こう...暴行を受けるというよりかは

誰かに話しかけても回りには無視されたり...

仲間外れにされr

バンッ!

俺は机を叩き、シジイの言葉を強制終了させる。

金星(まあず)

もう...話はその辺で大丈夫です

これ以上、誰にも言えないようなドス黒い話を聞きたくなかった。

金星(まあず)

(今の占い...いつから始めてた?)

金星(まあず)

(俺が座ってから5秒くらいで話始めてた...)

金星(まあず)

(まさか、俺を見つけたその瞬間から既に始めていた...?)

このジジイの事がますます気になっていく自分がいた。

気づいた頃には、もう酔いはすっかり覚めていた。

金星(まあず)

信じます...

金星(まあず)

だから...俺の運勢を占って頂けませんか?

深々と頭を下げ、そう言う。

モワン...サッ...ギギギ...

ジジイは手の平を水晶玉の上空で撫でる様な、祓う様な、殺や取りをするかの様な...

言葉にし難い摩訶不思議な動きをしていた。

.....

君のこれからの人生...

少し経ってから...

眉間に皺を寄せながらジジイが口を開く...

金星(まあず)

(何が....見えたんだ)

無意識に前屈みの姿勢になってしまう。

''凶''で満ち足りているようだ

これから生きていく上で

君に幸が降ることはまったくと言っていい程無い

あらゆる厄災が君に襲いかかる...

それはもう...死んだ方がマシと言えるくらいに...

金星(まあず)

えっ

思わずポロッとそう口に出てしまった。

幸が降ることが無いって...それ程までに俺の人生はお先真っ暗だというのか

何かの間違いであってほしい

だってそんなの...あんまりじゃないか

背凭れに寄りかかり、目線を下げた。

金星(まあず)

フッ...ハハ

心に出来たそんな思いを潰す為に、俺は無理やり口角を上げて笑ってみせる。

ただ...

おいおいおいおいおい

まだ何かあるっていうのか?

1つだけ''吉''に向かう方法がある

顔を上げた

金星(まあず)

どんな...方法でしょうか

淡い期待を胸に、それと若干の疑いもかけながらそう聞いてみる

君、□□アパートに住んでいるだろう?

金星(まあず)

はい

その部屋にある''窓''が...大事なんだ

明日...目が覚めたら...

窓から見た景色で最初に目に入ったものに向かいなさい

向かう為に必要な物は全て机の引き出しの中にある

現実に戻る。

金星(まあず)

ああ、そうか...

金星(まあず)

そうだったな...

金星(まあず)

(それから、家に帰って俺は...)

炬燵の上にある6本のビール缶に視線を移す。

金星(まあず)

(酔うまで飲み直して...)

金星(まあず)

(それから意味不明な行動をして寝たって感じか)

そう思考を放棄して、いい加減な推理で自分を納得させた俺は...

窓を凝視してた。

金星(まあず)

(見てみっか)

荒れた床から立ち上がり、縦縞模様のカーテンを開けて

埃がかかった汚ならしい窓を横にスライドさせる。

外のジメッとした暑苦しい空気が顔面に突き刺さる。

窓から見える景色には田んぼ、風に当たって揺れる葉、大小様々な山々が見られ、自然の雄大さを感じさせてくれる。

だが、俺に最初に目に入ったのは

山の中にポツンとある蒼色の屋根、壁が白く塗装された''家''だった。

回りが碧色のせいで、一際その家が目立っており

隠れられそうで、隠れられていなかった。

金星(まあず)

あれだ

あれこそが俺の...

向かうべき場所!!

行かなくては...

この命が尽きる前に何としてでも行かなくては!

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