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学校を後にした凛太郎が 自宅へ向かうべく 帰宅路を歩いていると

揚羽凛太郎

ん?なんか公園が
騒がしいな

揚羽凛太郎

なんだろ・・・

凛太郎は子供の騒ぎ声が聞こえる 公園の中へと足を踏み入れる

公園の中では 小学生と思しき男の子ふたりが

同じく小学生と思しき 女の子1人に寄ってたかって 罵声を浴びせていた

男の子A

ねぇ知ってる?

男の子A

コイツの姉ちゃんさぁ

男の子A

高校生なのに
学校行ってないんだって

男の子B

ひきこもりじゃん!

男の子B

ひっきこもりっ!

男の子B

ひっきこもりっ!

女の子

そんな事ないもんっ!

女の子

ちゃんと学校
行ってるもん!

男の子A

ひっきこもりっ!

女の子

お姉ちゃんを
馬鹿にしないで!

揚羽凛太郎

(ったく、いじめかよ)

揚羽凛太郎

(相手は女の子だぞ?)

揚羽凛太郎

コラ!コラ!

揚羽凛太郎

お前ら何やってんだ!

男の子A

だれ?おじさん

揚羽凛太郎

お、おじさんって

揚羽凛太郎

俺高校生なんだけど

男の子B

おじさんだよ!

揚羽凛太郎

だから俺は──

揚羽凛太郎

いや、そうじゃなくて

揚羽凛太郎

寄ってたかって
女の子いじめちゃ
ダメだろ!!

揚羽凛太郎

男ってのは女の子を
護ってやるもんだろ?

男の子A

だってコイツの姉ちゃん
引きこもりなんだもん!

揚羽凛太郎

引きこもり?

男の子B

学校にも行かないで
家でダラダラ
してるだけなんだよ!

男の子B

おっかしいじゃん!

揚羽凛太郎

人には色々
事情があるんだよ!

揚羽凛太郎

引きこもりって
知ってるんなら

揚羽凛太郎

友達同士、もっと
悩みを聞いてやるとか──

男の子B

うるさい!死ね!

男の子A

じじい!消えろ!

揚羽凛太郎

死って──

揚羽凛太郎

お前らなぁ!

男の子A

逃げろ!

男の子B

わぁ!逃げろ!

揚羽凛太郎

おい!待てって!

少年たちは 凛太郎に捨て台詞を吐き その場から逃げていく

揚羽凛太郎

ったく・・・

女の子

ぐすっ・・・

揚羽凛太郎

君・・大丈夫?

凛太郎は女の子の肩に 優しく手を置き語りかける

女の子

う、うん・・・

揚羽凛太郎

あんな奴らの言う事
気にしなくていいからね?

女の子

お兄ちゃん・・・
ありがと・・・

揚羽凛太郎

いいよ!いいよ!

揚羽凛太郎

まぁ、気をつけて帰りな?

凛太郎は少女の頭を 優しく撫でる

女の子

うん・・・

女の子を諭し 凛太郎が帰ろうとした時

女の子

いたっ!

揚羽凛太郎

ん?どうした?大丈夫?

女の子

う、うん・・大丈夫

少女は口では大丈夫と言っているが 膝を両手で押さえており 指の隙間からは血が見えていた

揚羽凛太郎

ちょっと見せてみて!

女の子

お兄ちゃん・・

揚羽凛太郎

あちゃー、擦りむいてるなぁ

揚羽凛太郎

あいつらに
やられたの?

日向綾星

さっき、石を投げられて

揚羽凛太郎

まじかよ!?

揚羽凛太郎

(ったくあのガキ!)

揚羽凛太郎

(石投げるとか
ありえねーだろ!)

揚羽凛太郎

その・・歩いて帰れそう?

女の子

わかんない・・・

女の子

ぐすっ・・・

揚羽凛太郎

(このままにしとくのは
流石に可哀想だよな・・)

揚羽凛太郎

(しょうがないなぁ)

揚羽凛太郎

ホラ!おんぶ
してあげるから

女の子

で、でも・・・

揚羽凛太郎

その足じゃ歩いて帰るのは
無理そうだから・・・

揚羽凛太郎

お兄ちゃんが送ってくよ!

女の子

い、いいの?

揚羽凛太郎

うん!いいよ!

揚羽凛太郎

ホラ!

女の子

ありがと・・・

揚羽凛太郎

へぇ・・・

揚羽凛太郎

お姉ちゃんって
霞学園の生徒なんだぁ

女の子

うん♫

女の子

2年生なんだ

揚羽凛太郎

うっそ!?まじで!?

女の子

何でそんな驚いてるの?

揚羽凛太郎

実は俺も霞学園の
2年生なんだよ

女の子

すごい偶然だね♫

揚羽凛太郎

なんて名前の人?

女の子

ヒナタカナセ
って言うの

揚羽凛太郎

(ヒナタ?)

揚羽凛太郎

(偶然かな?)

女の子

私は日向綾星

揚羽凛太郎

ヒナタアヤセね・・・

日向綾星

お兄ちゃんは?

揚羽凛太郎

俺?俺は揚羽
凛太郎って言うんだ

日向綾星

アゲハ・・・

日向綾星

なんか可愛い名前だね♫
蝶々さんみたい♫

揚羽凛太郎

あはははは
可愛い名前なんて
初めて言われたよ

揚羽凛太郎

まぁ、たしかに
蝶々みたいだよな♫

日向綾星

ここが私の家!

揚羽凛太郎

わかった!

凛太郎はおんぶした綾星を 落とさないように 慎重にインターフォンを押す

日向志津香

はい?

揚羽凛太郎

あ、すいません・・

揚羽凛太郎

今手が塞がってて
開けてもらえませんかね

日向志津香

はぁ・・・

綾星の母、志津香は 突然ドアを開けろと言う 訪問者を疑問に思いながらも

とりあえずドアを開けた

ガチャ

揚羽凛太郎

あ、すいません
ありがとうございます

日向志津香

あの・・・
どちら様ですか?

揚羽凛太郎

この人、お母さん?

凛太郎は背中におんぶしている 綾星に問いかける。

日向綾星

ママ・・・

綾星は凛太郎の 背中から顔を覗かせる

日向志津香

え?綾星?どうしたの?

日向志津香

何であなたが綾星を?

揚羽凛太郎

学校から帰る途中に
公園の前を通ったら

揚羽凛太郎

足を怪我してる
娘さんを見つけまして

揚羽凛太郎

どうも、歩いて帰るのが
無理そうだったので──

日向志津香

まぁ!そうだったんですか?

日向志津香

わざわざすいません

日向志津香

ありがとうございます

揚羽凛太郎

いえ、とんでもないです

日向志津香

よかったら
上がっていってください

日向志津香

ぜひお礼をさせてください

揚羽凛太郎

いえ、そういう
お返しがほしくて
した訳じゃないですから

日向志津香

ですが──

揚羽凛太郎

僕、これから
予定があるんですよ

日向綾星

えー!帰っちゃうの?

揚羽凛太郎

ごめんね!綾星ちゃん

日向綾星

また遊びに来てよ!ね?

揚羽凛太郎

うん♫約束するよ!

揚羽凛太郎

じゃあ失礼します!

揚羽凛太郎

綾星ちゃん!

揚羽凛太郎

きちんと消毒
してもらうんだよ!

揚羽凛太郎

バイ菌入ったりしたら
危ないからね!

日向綾星

うん♫

日向志津香

今日は
ありがとうございました

揚羽凛太郎

いえ、そんな・・・

日向奏星

ん?

揚羽凛太郎

あ・・・

日向奏星

あっ!

日向奏星

確か・・・

日向奏星

揚羽くん?

揚羽凛太郎

確か日向さんだったよね?

日向奏星

う、うん・・・

日向奏星

そうなんですけど

日向奏星

なんでウチから
出てきたんですか?

揚羽凛太郎

あ、実は──

日向綾星

あ!お姉ちゃん!
お帰り!

日向奏星

あ!綾星!ただいま

日向奏星

ってどうしたの?
その足!怪我?

日向綾星

実はね──

日向奏星

そうだったの?

日向奏星

ありがとう
ございます揚羽くん

日向奏星

妹を送ってくれて

揚羽凛太郎

いや、いいんだよ

揚羽凛太郎

怪我した女の子を
見捨てる訳にも
いかないからさ!

日向綾星

ねぇ!お姉ちゃん

日向奏星

なに?

日向綾星

この揚羽お兄ちゃんって
お姉ちゃんのお友達?

日向奏星

あ、それは──

揚羽凛太郎

うん!友達だよ!

日向綾星

わぁ♫やっぱり♫

日向奏星

(揚羽くん・・・)

揚羽凛太郎

やっぱり
姉妹っていいなぁ

日向綾星

お兄ちゃんは居ないの?

揚羽凛太郎

うん。一人っ子だからね

日向綾星

じゃあ寂しくなったら
いつでも遊びに来て
いいからね!

日向奏星

ちょっと綾星──

揚羽凛太郎

あはは!ありがと♫

日向志津香

こら綾星!まだ手当てが
終わってないんだから
動いちゃダメでしょ!

日向志津香

あっ!奏星!
帰ってたのね!
おかえりなさい♫

日向奏星

ただいま

揚羽凛太郎

じゃあ俺、もう行くね

揚羽凛太郎

家族の時間の
邪魔しちゃ悪いし

日向志津香

今日はありがとう
ございました

揚羽凛太郎

頭あげてくださいよ!

揚羽凛太郎

俺は大丈夫ですから!

揚羽凛太郎

じゃあ失礼します

日向奏星

・・・・・

凛太郎が日向家を後にし 自宅へ向かって歩いていると

日向奏星

揚羽くん!

背後から凛太郎を呼ぶ 奏星の声が聞こえてくる

揚羽凛太郎

あぁ日向さんか!
どうかした?

日向奏星

さっきはありがとう
ございます

日向奏星

妹の前で気を遣ってくれて

揚羽凛太郎

え?気なんか
遣ったっけ?

日向奏星

私の友達だって・・・

揚羽凛太郎

いや、俺は
友達のつもりだけど?

日向奏星

え?

揚羽凛太郎

クラスメイトなんだし

揚羽凛太郎

クラスメイトって
友達じゃない?

日向奏星

揚羽くん・・・

揚羽凛太郎

てか何で俺の
名前知ってんの?

揚羽凛太郎

名乗ってないよね?

日向奏星

常盤先生から聞いたんです

揚羽凛太郎

ああ!なるほど!
そういう事か!

揚羽凛太郎

というかさ

日向奏星

はい?

揚羽凛太郎

なんで敬語なの?

日向奏星

あ、いや・・・

揚羽凛太郎

同い年なんだからさ

揚羽凛太郎

タメ口でいいじゃん!

日向奏星

あ、いや、そうです、だね

揚羽凛太郎

あははは。敬語と
タメ口混じってるよ

日向奏星

笑わなくても・・・

揚羽凛太郎

あ、ごめん

揚羽凛太郎

別に馬鹿にした
わけじゃなくて

揚羽凛太郎

まぁ、なんだ・・その

揚羽凛太郎

ハイ!

凛太郎は奏星に右手を差し出す。

日向奏星

え?

揚羽凛太郎

いや、え?じゃなくて

揚羽凛太郎

握手だよ!握手!

揚羽凛太郎

今日から友達として
よろしくって事で!

日向奏星

あ、そう言う事か

揚羽凛太郎

ホラ!握手!

日向奏星

う、うん・・・

奏星は凛太郎に右手を差し出し 握手する

日向奏星

よ、よろしく・・・

揚羽凛太郎

うん!よろしくね!

揚羽凛太郎

じゃあ、また明日学校でね!

日向奏星

あ、う、うん・・・

日向奏星

また、明日・・・

奏星は小さく手を振る

揚羽凛太郎

うん!それじゃ!

日向奏星

また明日・・・

日向奏星

かぁ・・・

日向奏星

なんか久々に
言われた気がするなぁ

日向奏星

揚羽くんって

日向奏星

なんか不思議な人・・・

日向奏星

でも私・・・

日向奏星

友達・・出来たんだ・・

日向奏星

あれ?でも

日向奏星

何で揚羽くんって
私の名前知ってだんだろ?

日向奏星

先生に聞いたのかな?

日向奏星

ま、いいっか

日向奏星

明日聞いてみよ

日向綾星

ねぇ!お姉ちゃん

日向奏星

どうしたの?

日向綾星

揚羽お兄ちゃんって
次はいつ遊びに
来てくれるかな?

日向奏星

え?遊びに?

日向綾星

うん♫

日向綾星

絶対に遊びに
来てねって言ったら

日向綾星

約束するって
言ってくれたの♫

日向奏星

はぁ・・・

日向綾星

ねぇ!学校で
揚羽お兄ちゃんに
聞いてきてよ

日向奏星

え・・それは・・

日向綾星

だってお友達なんでしょ?

日向奏星

まぁ、うん・・・
そうだけど・・・

日向綾星

じゃあ聞いてきてね!

日向綾星

おやすみ!

日向奏星

ちょ!綾星!

日向奏星

待ちなさい!

日向奏星

・・・・・

日向奏星

はぁ・・・

日向奏星

まぁ、とりあえず
聞いてみようかな

翌日

和久井龍也

はぁ?日向の家に行った?

揚羽凛太郎

まぁな・・・

和久井龍也

ストーカーじゃん!

揚羽凛太郎

馬鹿!

揚羽凛太郎

だから偶然だって
言ったろーが!偶然って!

揚羽凛太郎

もとは女の子を
家まで送るつもりで

揚羽凛太郎

そこがたまたま
日向の家だったってだけで

和久井龍也

また例のお節介か

揚羽凛太郎

またって辞めろよ

和久井龍也

まぁ、でもこれで
日向も学校に
慣れてくれるといいけどな

揚羽凛太郎

まぁな・・・

和久井龍也

あれ?

揚羽凛太郎

どうした?

和久井龍也

ホラ!あそこ!

龍也は校門を指差す

揚羽凛太郎

ん?

凛太郎が不思議そうに 校門に視線を移すと

日向奏星

・・・・・

そこには奏星の姿があった!

揚羽凛太郎

日向?

日向奏星

あっ、揚羽くん

揚羽凛太郎

おはよ!

日向奏星

お、おはよ・・・

和久井龍也

日向!久しぶり!

日向奏星

あ、和久井くん・・

日向奏星

お久しぶりです・・・

揚羽凛太郎

(また敬語になってるよ)

日向奏星

あっ!揚羽くん!
また笑った?

揚羽凛太郎

い、いや、別に・・・

日向奏星

むっ!

揚羽凛太郎

ご、ごめん・・・

和久井龍也

(あれ?日向って
こんなキャラだった?)

揚羽凛太郎

でもどうしたの?

日向奏星

いや、その・・・

日向奏星

昨日のお礼を
改めて言いたくって

揚羽凛太郎

あははは!
別にいいのに!

和久井龍也

まぁ、こいつは
お節介が趣味なヤツだからさ

和久井龍也

気にしなくて
いいと思うぜ!

揚羽凛太郎

お前が言うなよ!

日向奏星

二人って、その
お友達なの?

和久井龍也

ああ!まぁ、なんつーか
中学ン時からの
腐れ縁って感じかな

日向奏星

そっか・・・

揚羽凛太郎

ん?どうした?

日向奏星

いや・・・

日向奏星

私にはそんな友達
居ないから・・・

揚羽凛太郎

何言ってんだよ!
俺が友達じゃんか!

揚羽凛太郎

昨日言ったじゃん!
握手だってしたんだし!

日向奏星

揚羽くん・・・

日向奏星

ありがとう・・・

和久井龍也

(相変わらず
リンのコミュ力はエグいな)

和久井龍也

(もう日向と
ここまで喋ってんよ)

揚羽凛太郎

さ!行こうよ!

揚羽凛太郎

遅刻しちゃうよ!

日向奏星

うん・・・

取り巻きA

あっ!姫川さん!アレ!

姫川美咲

はぁ?なに?

取り巻きA

日向が学校
来てますよ!

姫川美咲

はぁ?日向って
あの日向奏星?

取り巻きB

その日向ですよ!ホラ!

美咲は指さされた方を見ると そこには凛太郎、龍也と共に 校内へ入る日向の姿があった

姫川美咲

あいつ・・・

姫川美咲

学校辞めたって
思ってたけど

姫川美咲

まだ居たんだ・・・

姫川美咲

つーか、何であいつが
揚羽くんと楽しそうに
してるわけ?

姫川美咲

まじ不愉快なんだけど!

取り巻きA

またやります?

姫川美咲

はぁ?

取り巻きB

いじめですよ!いじめ!

取り巻きB

やってやりましょうよ

姫川美咲

いや・・まだよ

取り巻きA

え?なんでですか?

姫川美咲

日向が昨日から
登校してるんだとすると

姫川美咲

担任の常盤も注意深く
日向を見てるはず

姫川美咲

常盤は日向が
不登校になった理由を
知ってるから

姫川美咲

私達に対しても
目を光らせてるはず

姫川美咲

昨日そんな感じしたもん

取り巻きA

た、たしかに・・・

姫川美咲

だから、今日向に
接触するのはリスキーよ!

姫川美咲

まぁ、もうしばらく
様子見てあげようよ

姫川美咲

頃合いを見て──

姫川美咲

大丈夫そうなら──

姫川美咲

また虐めてやろうよ♫

取り巻きB

そうですね♫

姫川美咲

また楽しくなりそうね
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