気がつくと私はある1人の宇宙人に さらわれていたようでした。
ある部屋の中で私は たたずんでいました。
部屋の片側いっぱいを 本が占めており、
読んだことのない分厚い本たちが木製の古い棚に綺麗に収納されています。
向かいにはふかふかとしたゆとりあるベッドが配置されています。
すべて私だけのもの。
私の立つ正面には大きめの窓がありました。
黒い外には星が散りばめられており、かつてないほどに広い外の世界がありました。
しかし、外に出ることは出来ません。 なぜなら宇宙だからです。
私は宇宙人にさらわれ、こうして部屋を与えられました。
私の理想の部屋を与えてくれました。
どこか風が吹いているような涼しさがあり、宇宙だというのに鈴虫の声が聞こえます。
最高の現実逃避
その時、そう私は考えていたのです
宇宙人にさらわれてしまった。 だから地球にいない。
じゃあもう仕方ないよね。
私は現状に満足しておりました。
外に出られないのなら、 苦しくなるのではないかと思いました。
しかし、どうも宇宙人さんの私への対応は祝福されているようで居心地はとてもよく、
さらわれたというのに、ゆっくりと悠長に過ごしていました。
だってこの人にさらわれちゃったんだから仕方がないじゃん。
勉強も人間関係も全て放り出して、宇宙人と一緒に過ごしていました。
さらわれた後のことなんて、誰も知りやしないから、気長に過ごせばいいさ。
…
これは私が数週間前に見た夢です。
"理想の部屋"
私が気まぐれで想像して紙に描いたことのある"理想の部屋"そのものでした。
あの宇宙人は一体 誰だったのでしょうか
おわり