ヒデオ
瘴気の森と言うだけあって
ヒデオ
空気感もだいぶどんよりしてるな
ザリル
その程度で済んでる人間はただのオジサンとは言いませんよ
ヒデオ
そうかな?
ザリル
普通の人間ですとここの空気を吸うだけで難病にかかるか
ザリル
精神を壊してしまうか死に至るのですから
ヒデオ
結構恐ろしいところだね
ザリル
森の中にところどころ見える毒沼が原因なんですけど
ザリル
どれだけどく沼を清掃しても濁るんですよね
ヒデオ
なんか別で原因があるのかな?
ザリル
と思うんですよね
ザリル
ここに来た理由はその原因を探ることなので
ヒデオ
なるほどね
ザリル
まぁ、これ自体は私がやる必要は無いんですが
ザリル
体を動かしてないとどうも落ち着かない性分でしてね
ザリル
事務的なことよりもこういった体を動かす職の方が向いてるんですが
ザリル
立場上事務的なこともやらないと行けなくて
ヒデオ
魔物の世界もだいぶ苦労してるねぇ
ザリル
あくまでも私の場合ってやつですけどね
ヒデオ
ヒデオ
じゃあ提案なんだけど
ヒデオ
定期的に私と手合わせをしてくれないかな?
ザリル
理由の程を説明してくれませんか?
ヒデオ
ほら、私もいつまでも若い訳では無いし
ヒデオ
適度な運動は大事だと思うんだよ
ヒデオ
それにものによっては売り物も自分の足で調達することもあるからね
ヒデオ
体力はつけておきたいんだ
ザリル
確かにそうですね
ザリル
やはり人と魔族では寿命などの感覚が違うので
ザリル
筋力の低下はどうしてもって感じですね
ヒデオ
ま、やれることはやっておきたいかな
ヒデオ
一度だけの人生だしね
ザリル
明るい人生でよろしいかと
ヒデオ
ヒデオ
と、そんな平和ボケした話してたらスケルトンが出てきたね
ザリル
この辺に現れるスケルトンは私達の管轄外ですね
ザリル
大体ここに現れるスケルトンは元冒険者たちです
ザリル
この森で息絶えた者がその無念さ故に骸になってもなお動き続けるとか
ザリル
しかし動けてもこの森からは出られないみたいですがね
ヒデオ
理由は不明って訳か
ザリル
可能性としてはこの森に魂を縛る何かがあるんでしょうね
ヒデオ
随分とふわっとしてるな
ザリル
なんせこの森は私達でも多少害がありますし
ザリル
意外とここに居る魔物たちの実力も高く
ザリル
役職が下の者には任せられなくて
ザリル
調査したくても出来ないのが現状です
ヒデオ
魔王城も人手を増やせばいいものを
ザリル
ザリル
実を言うと今人間たちと戦争中でして
ヒデオ
はい?
ザリル
なんでも魔王様と人の国の代表者との価値観が合わず発展したと
ヒデオ
申し訳ないが両者ともしょうもないぞ
ザリル
ご最もですが、やはり売られた喧嘩は買いたくなるのが魔族です
ヒデオ
根本はやはり闘争を求めてるのか
ザリル
かもしれないですね
ザリル
ザリル
と、そんなことよりサッとこのスケルトンをやってしまいましょう
ヒデオ
この辺まで来てる人間ってことはかなりの腕利きみたいだが…
ヒデオ
ま、私の敵ではないかもな
ヒデオ
(武装を見たところ戦士二枚と魔術師一の白魔道士が一枚かな)
ヒデオ
(冒険者の基礎的なパーティーだな)
ヒデオ
(前衛で固めて後衛職に援護を貰う)
ヒデオ
(隙を見ては白魔道士の回復や補助魔法でバフを貰って、て感じか)
ヒデオ
(ナイフ一本でなんとかなるか怪しいが)
ヒデオ
(ま、定石通り前衛崩しからだな)
戦士二枚の連携攻撃をスッとかわし、盾持ちのスケルトンに狙いすまし牽制のフレアを背に当てる
火力を抑えたつもりだが当てられたスケルトンは一気に燃え上がり灰と化した
ザリル
衰えてない火力ですね
ヒデオ
アンデッド系だから炎が効くだけだと思うけどね
ザリル
さ、ではもう一体も頼みます
ザリル
ほか二体は何とかしましょう
ヒデオ
なら、私はこのナイフ一本であのスケルトンを相手しますね
後衛職にあたる二体のスケルトンは魔法陣を作り出し攻撃態勢に入る
しかし、それよりも早くザリルが移動して彼の間合いまで迫ると思えば刹那、二体のスケルトンはバラバラに斬られてその場に崩れる
ザリル
やはり、この辺まで来れる実力があるとはいえども
ザリル
後衛職故に機動力も皆無ですか
ザリル
まぁ相手は私ですから仕方ないのもありますかね
ザリル
ザリル
と、自画自賛もこの辺にして
ザリル
私はヒデオさんの動きでも見るかな
ヒデオ
ヒデオ
(大型の剣を扱うタイプの戦士か)
ヒデオ
(大振りだが丈がある分近くに行くのは困難だね)
ヒデオ
(かと言って先程のようにフレアの牽制をしたところで)
ヒデオ
(見られてる以上対策されるのがオチだ)
ヒデオ
(となると別の方法で距離を詰める必要があるが)
ヒデオ
(簡単には詰めれないし相手方から来てくれても)
ヒデオ
(反撃の隙はかなり少ない上にこちらはナイフなので密接しないといけないレベル)
ヒデオ
(さぁて…どうしたものかな)
こうして考えてる間にもスケルトンは容赦なく攻撃を続ける
ヒデオ
ヒデオ
(ちょっと聴くか怪しいんだけど)
ヒデオ
(古典的だが効果のあるものを使うか)
ヒデオ
(もう一度攻撃を誘って隙を作らせる)
何かを閃いたヒデオはその思惑のために、再度攻撃を誘い相手はそれにまんまと乗ってしまう
ヒデオ
効くか怪しいが物は試しだ
ヒデオ
光魔法『フラッシュ』
指を鳴らすとその瞬間眩い光が放たれそれが直撃したスケルトンは大きく怯んでいた
ヒデオ
目がないのに聞くもんだね
ヒデオ
ならあとはカンタン
ヒデオ
無力化でいいので鎖骨を外して腕を上げれなくしてしまう
ヒデオ
さらに足も動かされると困るので
ヒデオ
こっちは単純にへし折るかな
ザリル
ザリル
さすがの一言ですね
ザリル
最低限の動きで回避し
ザリル
連戦を予測し簡単かつ効果的な戦略で無力かとは…
ヒデオ
連戦は予測してないし低コストで済んだのもたまたまよ
ヒデオ
ま、無力化は頭の片隅にいたからやったまでだけどね
ザリル
これならこちらの森の調査も簡単にいけそうです
ザリル
頼りにしてますねヒデオさん
ヒデオ
そっちこそ秒で片付けてくれて
ヒデオ
現役の方には私は負けるよ