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仕事の残業と秋雨前線の影響で
電車が遅れてしまい、家に着く頃には
日付をすっかりまたいでいた。
俺が送ったメッセージに
既読は付かないままだった。
不安に思った俺はどしゃ降りの中、
雨で濡れる事も気にせず全速力で家へ帰った。
不安は的中。
君の荷物が綺麗サッパリ全て無くなっていた。
テーブルには書き置きがあり、そこには
「誕生日、一緒に過ごしたかった」
と記されていた。
俺はそれでようやく、
君の誕生日が昨日だという事を思い出した。
君からの連絡が無いまま、
一年の時が過ぎた。
トントンとドアを叩く音が
聞こえた気がして、
慌ててドアを開けた。
そこには誰もおらず、
激しい雨がドアに叩きつけて いただけだった。
切なさと虚しさで涙を流しながら、
俺はケーキのロウソクに火を着けた。