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ある日の異世界研究部 1
仮入部期間 最終日
珀
庵
珀
庵
バシッ
珀
珀
庵
珀
庵
珀
珀
庵
珀
庵
珀
珀
珀
珀
庵
珀
庵
庵
珀
珀たちが話していると、寧々が教室から廊下へ出てきた。
珀
ボクはさり気なく隅に身を潜める。
庵
珀
庵
珀
庵
庵から氷点下の視線を受けながら、ボクはそのまま様子を見守る。
すると────
落ち着いた声が、寧々を引き止めた。
寧々
寧々
珀
「鮎」と呼ばれた人物は、寧々の横を歩きながら話始める。
鮎
珀
寧々
彼女が発した言葉は、「美術部」。
一瞬だけ、ボクの頭に「?」が大量に浮かんだ、
珀
庵
珀
珀
寧々
鮎
鮎
鮎
寧々
鮎
寧々
鮎
寧々
鮎
容赦なく、聞こえる会話。
ボクは、頭にドラを落とされたような衝撃をまだ消化出来ないまま、救いを求めるように庵を見る。
庵
庵
庵
珀
珀
庵
庵
その声にハッとして、ボクは周りを見る。
───ただでさえ、高身長である異質な2人が、
1年棟で盗み聞きを犯し、
さらに突然片方が大声をあげたこの状況。
注目されない方がおかしいと言っても過言ではなかった。
庵
珀
珀
珀
庵
眉間にこれでもかというほどシワが寄った庵に手を引かれながら、
今日も変わっている部長はその場を後にしたのだった。
ある日の異世界研究部 1 END
美術室
鮎と寧々は、作品づくりに勤しんでいる。
鮎
寧々
寧々
鮎
鮎
鮎
寧々
美術部も楽しい。
けれど────
何処となく、異世界研究部に惹かれている自分もいるのだ。
鮎
寧々
鮎
寧々
鮎
寧々
寧々
寧々
彼女は「完璧主義」だ。
私と違って、進路を決めている。
描いている夢に近づこうと、努力が出来る。
何時だって、手を抜かない。
そのプライド故の、発言なのだろうか。
鮎はまた黙々と、パレットで色を作る。
その背中は、少し強ばっているようだった。
寧々
寧々
心のモヤを拭うように、寧々も作品づくりに戻った。
そうして、前半の時間が過ぎていき───
海月
海月
海月
海月
海月
海月の声でぽつぽつと生徒が移動を始める。
寧々も、海月に一声をかけた。
寧々
海月
海月
寧々
寧々
海月
寧々
そうして、美術室を後にした。
寧々
寧々
寧々
彼女はドアノブに手をかけたが、それは一向に回らない。
寧々
入るべきか、否か。
まだ、迷っていたのである。
寧々
───でも、
寧々
私は、「入りたい」。
まだ知らない世界を、知りたい。
寧々
緊張のあまり忘れていたノックを思い出し、
その手をドアの前へ持って来ようとした時───
寧々
背後から聞いた事のある声が突然聞こえ、
寧々は素っ頓狂な声を出す。
寧々
寧々
いかにも馬鹿にした笑いを連発する遥斗を思いっきり睨む。
遥斗
遥斗
寧々
寧々
遥斗
遥斗
寧々
遥斗
寧々
寧々
今度こそ、彼女らはドアをノックした。
寧々
パンッ!
軽い音がしたと思えば、
寧々と遥斗の頭には、キラキラしたカラーテープが乗っていた。
寧々
思わず、遥斗の方を向く、
だが、彼は目の前の光景を唖然と眺めているようだった。
自然と、寧々の瞳も前方を見る。
……クラッカーを持った人物が一人。
スマホをいじっている人物が一人。
ジト目で遠巻きから見ている人物が一人居た。
クラッカーを持っている人物が、満面の笑顔で口を開いた。
そう、短時間で嫌に私の印象に残ったその顔で。
珀
遥斗
珀
寧々
寧々
珀
寧々
珀
遥斗
遥斗
優
寧々
優
遥斗
遥斗
優
珀
珀
寧々
珀
寧々
珀
珀
寧々
珀
珀
庵
珀
庵
珀
その後もウダウダ話しながら、珀と庵は出ていってしまった。
残された寧々、遥斗と優はお互いの顔を見合い、
その場の雰囲気でソファーに座る。
優
優
優
寧々
寧々
遥斗
寧々
寧々
寧々
寧々
優
優
寧々
優
優
寧々
寧々
優
遥斗
遥斗
遥斗
優
優
相変わらずの無表情だったが、
そこには確かに馬鹿にしている感情があった。
寧々
寧々
寧々
遥斗
遥斗
優
遥斗
そうして、優はスマホを見せる。
少しブレてはいるが、
遥斗の驚く様をよく捉えている。
遥斗
遥斗
寧々
遥斗
優
優
寧々
「やれやれ」と、癖でポケットに手を入れながら呆れていると、
寧々
何か、薄い物が指に当たった。
寧々
寧々
そのまま指でなぞると、「紙」のようだと感じる。
寧々
考えた末、その場で紙を出してみることにした。
見れば、小さなノートの切れ端だった。
寧々
それだけ見れば、ただのゴミだった。
ただのゴミなら、偶然なのだろう。
偶然、そう、とても偶然だ。
偶然……。
偶然だと、信じたかった。
寧々
寧々
「逃げるな」
確かに、書いてあった。
でも、彼女はそれ以外の事に恐怖を覚えた。
…あの、ノートはよく知っている。
たまに、文字を消す時に破れていたノート。
たまに、友人に見せていたノート。
───い つ も 、
私 が 書 い て い る ノ ー ト。
もう一つ、再度確認して鳥肌が立った事実がある。
───筆跡が、私そのものだった事だ。
寧々
掠れ、震えている声を絞り出す寧々。
流石に、今まで言い合いをしていた彼らも異変に気づく。
遥斗
遥斗
優
寧々
寧々
私はそのままドアを開け、廊下へ出ていく。
困惑と、心配が見られる顔をする二人を残して。
廊下には、水道と鏡がある。
水道は歯磨きや手洗いなどで使われる。
鏡の前には、髪の毛を気にする人々がよく集まる。
寧々
寧々
何かが這い上がってくる感覚がしたので、
慌てて水を飲む。
寧々
寧々
得体の知れない恐怖に襲われていると、
知らない声がする。
寧々
寧々
周りを見渡すが、誰も居ない。
「まさか」と思い、自然に顔がある方向へ向く。
そう────
「鏡」へ。
私が、映っている
でも、それが恐ろしかった。
鏡を見て、一分も経っていない。
周りには、誰も居ない。
でも、声がした。
そう、
声 が し た の だ 。
「鏡」から─────!
寧々
寧々
寧々
まるで、珍しい物を見るように、「鏡から身を乗り出して」、
唖然と鏡を見る寧々に、彼女は告げる。
その指先が、硬直している寧々の頬に触れる。
それは驚く程に、冷たく、硬かった。