るぅとside
最後を飾るのはころちゃんとさとみくん。
僕は莉犬の隣でじっとその始まりを見ている。
黄神
頑張れころちゃん~、、!!
赤崎
、、、
黄神
、、莉犬?応援、、しないの?
赤崎
、、、さとみくんってるぅとくんの事好きだから、、、俺が応援しても無駄なの
黄神
、、、は?
俯いているから彼の顔は見えないけど声は確かに沈んでいた。
急に言われたその言葉に戸惑う僕は何も言えないまま、ただ莉犬を見つめる。
赤崎
__今も好きだよ、、絶対、、
黄神
え?、、え、、?何言ってるの?
さとみくんが僕の事を好き?今も?
『抵抗が無いってだけだよ。だからって好きってわけじゃ、、』
ふと彼の言葉がよぎり、口を閉ざす僕。
赤崎
さとみくん、るぅとくんと話すときだけ楽しそうに話すんだよ?絶対に好いてる
黄神
、、、
寂しそうな悔しそうな声のまま僕の顔を見つけた。
赤崎
___俺、さとみくんが好き
黄神
、、うん
赤崎
るぅとくんはころちゃんが好きでしょ
黄神
、、、さとみくんに聞いた?
赤崎
普通に分かるよ。俺が騎馬戦の後「好きな人」って言ってたの気づかなかった?
黄神
、、、、もう死のうかな←
顔を腕で隠す僕と苦笑する莉犬。僕は仕返しとばかりに口を開く。
黄神
僕の事好きなんて絶対に有り得ません
赤崎
そんなの分かんないよ
黄神
、、この前僕と彼ところちゃんでラーメンを食べたのは知ってますよね?
赤崎
、、それが?
黄神
1番最初にさとみくんが誘おうとしてたのは莉犬ですよ
赤崎
、、え?
そう言うと彼は少し目を見開き、頬を染めた。
黄神
僕と彼の恋はずっと昔に終わってるんです。今彼が好きなのは、、僕じゃない別の人じゃないかな
赤崎
、、、
黄神
嫉妬しちゃうのもわかる、、僕もその立場だとそうなると思う
赤崎
、、別に嫉妬じゃないし、、あの、るぅとくん、、ごめんね
黄神
気にしなくていいよ
彼の頭をポンポン撫で、僕は笑う。
その瞬間、ピストルが鳴り響いて僕たちは目をグラウンドへ向けた。
第1走者が走り始めたのだ。
赤崎
、、、さとみくん頑張れ、、
__彼はずっと不安だったのかもしれない。
僕等は幼馴染で、初恋の相手同士だったから。
、、それも何処かでさとみくんに聞いたのかな。
さとみくんもさとみくんで莉犬の事信用してるし。
そんな彼らを僕は応援したい。
いつか、2人の恋の成就を願って。
黄神
、、、頑張れぇぇぇぇぇ!!ころちゃん!!
もう少しでバトンが行き渡るアンカーの彼に僕は大声で応援したのだった。