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日向奏星

さぁ!あがって!あがって!

揚羽凛太郎

お、おぅ!

凛太郎は日向家の ドアを開けて家に入る

そんな凛太郎を 物陰に潜み見つめる少女が一人

眞琴杏樹

・・・・・

眞琴杏樹

ここがあの女の家か・・

杏樹は表札を確認する

眞琴杏樹

日向・・・

眞琴杏樹

て事はあの女の名前は
日向奏星か・・・

眞琴杏樹

日向・・奏星・・

眞琴杏樹

ぜったい先輩は
取り返すから

眞琴杏樹

覚悟してなよ・・・

日向奏星

さぁ!上がって!

揚羽凛太郎

あぁ、うん!

揚羽凛太郎

お邪魔しまーす

日向奏星

ただいま

日向志津香

おかえりなさい!

日向志津香

あっ!揚羽くん!
お久しぶりね

揚羽凛太郎

お久しぶりです

日向綾星

わぁ!揚羽お兄ちゃん!

揚羽凛太郎

久しぶり!綾星ちゃん

日向綾星

会いたかった!

綾星が凛太郎に 抱きつこうとする

日向奏星

綾星ダメ!

そんな綾星を 奏星が後ろから抱き抱えて 抱きつきを阻止する

日向綾星

ちょっと!

日向綾星

お姉ちゃん!離してよ!

日向奏星

ダメ!

日向奏星

言ったでしょ?
凛くんは私の彼氏!

日向奏星

だから抱きつくのはダメ

日向綾星

えー!お姉ちゃんのケチ!

日向志津香

ごめんね揚羽くん

日向志津香

騒がしくっって

揚羽凛太郎

あはは・・・

この状況で、凛太郎は ただ困惑しながら 苦笑いするしか出来なかった

日向奏星

じゃ、じゃあ、凛くん

日向奏星

その・・コレ・・

日向奏星

メリー・・・

日向奏星

クリスマス・・・

奏星は恥ずかしそうに クリスマス仕様に 梱包された小さめの箱を手渡す

揚羽凛太郎

ありがとう!

揚羽凛太郎

開けていい?

日向奏星

う、うん・・・

日向奏星

(気に入って
くれるかな?)

揚羽凛太郎

(どれどれ・・・)

凛太郎は箱のリボンと 包装紙を丁寧に剥ぐ

揚羽凛太郎

あっ・・コレ・・

それは本革製の 有名外車メーカーの 手帳型スマホケースだった

揚羽凛太郎

これフェリーラの
スマホケースじゃん!

日向奏星

なんでもシートに
使ってる革と
同じ革のケースなんだって

揚羽凛太郎

シートと同じ?なら相当
高かったんじゃね?

日向奏星

ううん。そんな事ないよ

揚羽凛太郎

ありがとう奏星!

揚羽凛太郎

もう一生使うよ!
死ぬまで使う!!

日向奏星

大袈裟だよ!

揚羽凛太郎

さっそく使うよ!

凛太郎はすぐさま スマホケースに 自分のスマホを入れる

揚羽凛太郎

かっちょいー!
赤ってのがまた良いな!

揚羽凛太郎

ただのスマホに高級感が
プラスされた感じだよ

揚羽凛太郎

すげー気に入ったよ

揚羽凛太郎

ありがとう♫

日向奏星

ふふふ。
喜んでくれてよかった

揚羽凛太郎

あっ!そうだ!
奏星もペンダント
つけてみてよ!

日向奏星

う、うん・・・

揚羽凛太郎

着けてあげるよ!

日向奏星

あ、う、うん・・
お願い・・・

奏星は後ろ髪を両手で持ち上げる

そして、凛太郎が 背後から奏星の首元に手を回す

日向奏星

ど、どうかな?

揚羽凛太郎

うん!似合ってる!

揚羽凛太郎

めちゃ可愛いよ!

日向奏星

えへへ。そう?

揚羽凛太郎

ホラ!鏡で見てみろよ

凛太郎は奏星に 手鏡を手渡す

日向奏星

うん・・可愛い・・

揚羽凛太郎

自分で言うヤツ!

日向奏星

何よ!可愛いでしょ?

揚羽凛太郎

うん!可愛いよ

奏星は凛太郎に抱きつく

日向奏星

ありがとう・・凛くん

日向奏星

こんな可愛くて
高価なペンダント

日向奏星

本当にありがとう

揚羽凛太郎

いやぁ、照れるな。あはは

日向奏星

凛くん・・・

揚羽凛太郎

奏星・・・

凛太郎と奏星は口づけを交わす

ガチャ

日向綾星

お姉ちゃん──

日向綾星

ママがね──

日向綾星

今日の晩御飯は──

日向綾星

って、わぁ♫

突如部屋に入って来た綾星が 口づけを交わす凛太郎と奏星を見て 大声を出す

揚羽凛太郎

綾星ちゃん!?

日向奏星

ちょっと!
入る時はノックしてよ!

日向綾星

二人ともやらしー!

日向奏星

人聞きの悪い言い方
しないでくれる?

日向奏星

恋人同士なんだから
キスくらいするよ!

日向奏星

ね?凛くん!

揚羽凛太郎

あ、ま、まぁ
そうだな・・あはは

日向綾星

なら私も──

日向奏星

なんでそうなるのよ!

日向綾星

冗談だよ!冗談!

日向奏星

まったく!もう!

揚羽凛太郎

あはは・・・

日向奏星

で、どうかしたの?

日向奏星

ママがどうとか
言ってたよね?

日向綾星

あ、うん!

日向綾星

ママがね!今日の晩御飯

日向綾星

揚羽お兄ちゃんも
一緒にどうかな?って

揚羽凛太郎

俺も?

日向奏星

でも、凛くん・・
家でお母さんが
準備してるんじゃない?

揚羽凛太郎

そ、そうだよな・・

日向奏星

聞いてみたら?

日向綾星

あれ?揚羽お兄ちゃんの
ママって外国じゃないの?

揚羽凛太郎

今日帰って来たんだ

日向綾星

え?そうなの?

日向綾星

会ってみたいなぁ
揚羽お兄ちゃんのママ

日向奏星

なら、凛くんのお母さんも
よんであげたら?

揚羽凛太郎

母さんまで?

日向奏星

ちょっとママに
聞いてみるよ!

揚羽凛太郎

ちょ!奏星!

日向綾星

私も聞いて来る

揚羽凛太郎

綾星ちゃんまで・・・

揚羽凛太郎

・・・・・

揚羽凛太郎

行っちまった・・・

日向奏星

ねぇ!ママ!

日向志津香

あら?奏星!
どうかした?

日向奏星

今日の夕飯の話何だけど

日向志津香

ああ!揚羽くんは
何だって?

日向志津香

大丈夫そう?

日向奏星

それがね、今日から
凛くんのお母さんが
帰国してるんだ

日向志津香

ああ!そうだったわね

日向志津香

確か今日のお昼を
ご馳走してもらったのよね

日向奏星

うん!でね──

日向奏星

今日の夕飯さぁ──

日向奏星

揚羽くんのお母さんも
呼んじゃダメかな?

日向志津香

ああ!良いわね!

日向奏星

ホント?

日向志津香

お昼のお礼もしたいし

日向奏星

なら大丈夫?

日向志津香

まぁ、揚羽くんに
聞いてみなさいよ

日向奏星

わかった

揚羽凛太郎

あの・・奏星?

日向奏星

あっ!凛くん!

揚羽凛太郎

やっぱ母さんまでって──

日向志津香

私たちは構わないわよ

揚羽凛太郎

そ、そうですか?

日向志津香

お母さんに
電話してみたら?

揚羽凛太郎

え、ええ・・・

揚羽凛太郎

なら聞いてみます

日向志津香

うん!

凛太郎はスマホを取り出して 渚沙に電話をかける

揚羽渚沙

もしもし?

揚羽凛太郎

あっ、母さん?

揚羽渚沙

どう?奏星ちゃんと
楽しんでる?

揚羽凛太郎

あ、う、うん・・・

揚羽渚沙

プレゼントはもう
買ったの?

揚羽凛太郎

まぁ、買ったんだけどさ

揚羽渚沙

なに?どうかした?

揚羽凛太郎

俺いまさぁ、奏星の
家にいるんだけどさ

揚羽渚沙

うん!それで?

揚羽凛太郎

実は奏星のお母さんから
晩御飯を食べていけって
言ってもらってんだよね

揚羽渚沙

あら?そうなの?

揚羽凛太郎

何度かご馳走
してもらっててさ

揚羽渚沙

はぁ?私そんな話
何も聞いてないけど?

揚羽凛太郎

ごめん・・・

揚羽渚沙

アンタねぇ・・・

揚羽渚沙

そういう話は
ちゃんと言いなさいよね

揚羽渚沙

私からもお礼しなきゃ
いけないじゃない!

揚羽渚沙

まったくもう!

揚羽凛太郎

で、でさぁ

揚羽凛太郎

今日の晩御飯に──

揚羽凛太郎

母さんも呼んだら?
って言ってもらってんだよ

揚羽渚沙

え?私も?

日向志津香

揚羽くん!
ちょっと電話
貸してくれない?

揚羽凛太郎

あ、はい

揚羽凛太郎

あっ!母さん!

揚羽渚沙

なに?

揚羽凛太郎

なんか奏星のお母さんが
話したいらしいんだけど

揚羽渚沙

え?

揚羽凛太郎

代わっていい?

揚羽渚沙

ちょっと待って!

揚羽渚沙

コホン!コホン!

揚羽渚沙

ええ!いいわよ!

揚羽凛太郎

なら代わるわ!

日向志津香

あの・・もしもし

揚羽渚沙

はい!もしもし!

日向志津香

はじめまして

日向志津香

娘がお世話になってます

日向志津香

奏星の母の
日向志津香と申します

揚羽渚沙

いえ!こちらこそ
息子がお世話に
なっております!

揚羽渚沙

凛太郎の母の
揚羽渚沙と申します!

日向志津香

今、揚羽くんが
言った通りなんですが

日向志津香

今日、夕飯を
ご一緒にいかがですか?

日向志津香

もしかして、もう
夕飯のご準備とか
されてたりますか?

揚羽渚沙

いえ、今から
準備しようかと──

日向志津香

でしたらどうですか?
ご一緒に!

揚羽渚沙

でも良いんですか?
私まで・・・

日向志津香

はい!ぜひご一緒
させていただきたいです

揚羽渚沙

て、では、お言葉に
甘えさせて頂きます

日向志津香

よかったぁ。

日向志津香

でしたら近くまで
奏星を向かわせますので

揚羽渚沙

はい!ありがとうございます

日向志津香

お待ちしてますね

揚羽渚沙

わざわざお気遣い
ありがとうございます

日向志津香

じぁあ!揚羽くん!
はい!スマホ!

揚羽凛太郎

あっ、はい

揚羽凛太郎

じゃ、じゃあ母さん

揚羽凛太郎

そういう事だからさ

揚羽渚沙

じゃあ私は差し入れ
買ってから行くから

揚羽渚沙

家出る時に
LIMEするわね

揚羽凛太郎

わ、わかった・・・

日向綾星

ね?ね?
揚羽お兄ちゃん!

日向綾星

お兄ちゃんのママは
来てくれるんだよね?

揚羽凛太郎

ま、まぁ、うん・・・

日向綾星

やったぁー!!!

揚羽凛太郎

なんかすいませんね

日向志津香

いいのよ!私も
会ってみたかったし!

日向志津香

せっかくなら皆んなで
ワイワイやった方が
楽しいでしょ?

揚羽凛太郎

ありがとうございます

日向奏星

お母さんは直ぐに
来れるって?

揚羽凛太郎

なんか差し入れ買ってから
来るって言ってたなぁ

日向志津香

まぁ、差し入れなんて
良かったのに・・

揚羽凛太郎

こういう時は
手ぶらはダメ!
って昔から言ってまして

揚羽凛太郎

まぁ、そーゆー
性格なんスよ

日向志津香

まぁ、確かに手ぶらは
マズイって思うわよね

日向志津香

私も揚羽くんの
お母さんの立場だったら

日向志津香

何かしら用意して
行くからね

揚羽凛太郎

向かう時に母さんから
LIMEが来るはずなんで

日向志津香

ならそうと決まれば
今から準備しなきゃね!

ピロン

凛太郎が奏星のリビングで しばらく談笑していると

凛太郎のスマホから LIME通知音が鳴る

揚羽凛太郎

あっ!母さんから
LIME来ました!

日向志津香

お母さんなんだって?

揚羽凛太郎

ケーキ買ったから
今から向かうらしいです

日向志津香

なら奏星!悪いけど
行って来てくれる?

日向志津香

揚羽くんと一緒に!

日向奏星

わかった!

揚羽凛太郎

なら行ってきます!

日向志津香

うん!気をつけてね!

日向奏星

あっ!お母さんに
返信しなきゃ!
凛くん!ホラ!

揚羽凛太郎

あっ、そっか

母さん

ケーキ買ったから
今から向かうわ!

リン

わかった!奏星と
近所の公園で待ってるから!

母さん

はぁーい!了解!

揚羽凛太郎

もうそろそろ
きてもおかしく──

揚羽凛太郎

あっ!来た!

揚羽渚沙

ごめん凛太郎!

揚羽渚沙

遅くなっちゃった

揚羽渚沙

奏星ちゃんも
ごめんね?

日向奏星

いえ!大丈夫です!

揚羽凛太郎

さぁ!行こうぜ!
みんな待ってっからさ!

揚羽渚沙

ええ・・・

揚羽渚沙

(なんか緊張してきた)

揚羽渚沙

お邪魔しまーす!

渚沙が恐る恐るドアを開き 玄関に足を踏み入れる

すると綾星が 満面の笑みで駆け寄って来る

日向綾星

もしかして
揚羽お兄ちゃんのママ?

揚羽渚沙

え?えっと・・・

日向奏星

私の妹の綾星です

揚羽渚沙

あっ、妹さん居たんだ

揚羽凛太郎

あれ?言ってなかった?

揚羽渚沙

アンタ何も言わないわね

揚羽凛太郎

ごめん・・・

揚羽渚沙

そうだよ!私が
揚羽お兄ちゃんのママよ!

揚羽渚沙

揚羽渚沙って言います!
よろしくね?

渚沙は膝を曲げて 綾星と同じ目線で自己紹介をし 綾星の頭を優しくなでる

日向綾星

私は!日向綾星です!

日向綾星

小学3年生の9歳です!

綾星は丁寧にお辞儀をする

揚羽渚沙

いやぁー可愛いー!

渚沙は綾星を抱きしめる

日向綾星

えへへ

日向志津香

わざわざ
ご足労いただき
ありがとうございます

日向志津香

綾星の母の志津香です

揚羽渚沙

あ、いえ、こちらこそ
お招き頂き
ありがとうございます

日向志津香

いやぁ、お若い
お母さんですね

揚羽渚沙

いやぁ、そんな──

日向奏星

ホラ!ママ!
玄関で話さないで

日向奏星

部屋に入ってもらおうよ

日向志津香

ああ!そうね!

日向志津香

すいませんね
私ったらつい

揚羽渚沙

いや、そんな、あはは

揚羽渚沙

あ、お母さん

揚羽渚沙

つまらない物ですが

渚沙は志津香に 道中で買ったケーキを手渡す

日向志津香

まぁ、美味しそうなケーキ

日向志津香

わざわざ
ありがとうございます

揚羽渚沙

いえ、とんでもないです

揚羽渚沙

なんでも凛太郎が
何度かご飯をご馳走に
なってるみたいで

日向志津香

まぁ、お互い様ですよ

日向志津香

今日奏星がお昼を
ご馳走になったみたいで

日向志津香

ありがとうございました

揚羽渚沙

いえ、いえ

日向綾星

なんかママと
揚羽お兄ちゃんのママ

日向綾星

お礼言い合ってて変なの

渚沙は志津香に促され ソファに腰を下ろす

揚羽渚沙

やっぱり何か
お手伝い──

日向志津香

いや、いいんですよ

日向志津香

大事なお客様ですから!

日向志津香

ゆっくり
されててください!

揚羽渚沙

あ、ありがとうございます

渚沙は申し訳なさそうに ソファに腰を下ろす

それからしばらく 渚沙は綾星からの 質問攻めにあっていた

日向綾星

ね!ね!
お兄ちゃんのママ!

揚羽渚沙

なぁに?

日向綾星

揚羽お兄ちゃんって
昔はどんな子供だったの?

揚羽渚沙

昔?うー・・ん
そうね・・・

日向奏星

それ私も聞きたいです

揚羽凛太郎

余計な事言うなよ?

揚羽渚沙

小学生4年生まで
女風呂入ってたわね

揚羽凛太郎

ちょ!よりにもよって
その話かよ!!

日向綾星

えー!!!

日向綾星

お兄ちゃん子供!

揚羽凛太郎

いや、これは
母さんの嘘だから!

揚羽凛太郎

そう!嘘!嘘!

揚羽渚沙

何言ってんのよ!

揚羽渚沙

女風呂で同級生に
鉢合わせして以来

揚羽渚沙

もう大人だから
男風呂に入るって
言ってたじゃない!

揚羽凛太郎

だぁー!もう!

揚羽凛太郎

言うなよ!!

日向奏星

ふふふ

日向綾星

次は?次は?

揚羽渚沙

そうね・・・

揚羽凛太郎

もう思い出さなくていいよ!

揚羽渚沙

お化け屋敷が昔から苦手ね

日向奏星

あっ、昔からだったんだ

日向奏星

まぁ、あの
ビビりようだったもんね

揚羽凛太郎

うるせーなぁ

揚羽渚沙

あのビビりよう?

揚羽渚沙

奏星ちゃんって
凛太郎と一緒に

揚羽渚沙

お化け屋敷
行ったことあるの?

日向奏星

この前文化祭があって

日向奏星

出し物のなかに
お化け屋敷が
あったんですけど

揚羽渚沙

ふんふん

日向奏星

お化け屋敷の中でも
ずっと私の手を
握ってたんです

日向綾星

お兄ちゃん可愛い

揚羽渚沙

じゃあ今度
一緒に行こうか?

揚羽凛太郎

行かねーよ!!

揚羽渚沙

それはそうと
奏星ちゃん?

日向奏星

はい?

揚羽渚沙

そのペンダント
可愛いわね?

日向奏星

あっ、これは、その

日向奏星

凛くんからの
クリスマスプレゼントで

揚羽渚沙

あっ!これが?

日向奏星

ね?凛くん?

揚羽凛太郎

まぁ、その、うん

揚羽渚沙

へー!やるじゃん!

渚沙が凛太郎の脇腹を からかうように突っつく

揚羽凛太郎

茶化すな!

日向綾星

えー!お姉ちゃんだけ
買ってもらってズルい

日向奏星

いいでしょ!

日向綾星

ちょっと貸して!
私も着けてみたい!

日向奏星

ダーメ!私の
宝物なんだから!

日向志津香

随分と賑やかですね

揚羽渚沙

あっ、すいません
うるさくしちゃって

日向志津香

いいんですよ!
賑やかな方が楽しいですから

日向綾星

ねー!ママ!

日向綾星

私もあれ欲しい!

綾星が奏星の ペンダントを指差す

日向志津香

なに?そのペンダント

日向志津香

私、奏星にそんなの
買ってあげたかしら?

日向綾星

揚羽お兄ちゃんからの
クリスマスプレゼント
なんだって!

日向志津香

あら?そうなの?

日向志津香

ありがとうね
揚羽くん

揚羽凛太郎

いや、そんな、あはは

日向志津香

高かったんじゃ無い?

揚羽凛太郎

いや、そんな事
ないっスよ

日向奏星

ありがとうね
凛くん

揚羽凛太郎

お、おぅ

日向綾星

私も買って!ママ!

日向志津香

奏星と綾星には
もう買ってあるわよ!

日向志津香

クリスマスプレゼント

日向綾星

ホント!?

日向綾星

わぁーい!やったー!

揚羽凛太郎

なぁ?奏星?

日向奏星

なに?

揚羽凛太郎

普通にプレゼント
用意してるって
言っちゃうの?

日向奏星

え?

揚羽凛太郎

あ、いや、ホラ・・

揚羽凛太郎

いい子にしてれば
サンタさんが!とか

日向奏星

まぁ、私たちは
あんまりサンタとか
信じてなかったから

揚羽凛太郎

そうなんだ・・

日向奏星

凛くんは信じてた?

日向奏星

サンタさん!

揚羽凛太郎

いや、俺は別に・・

日向奏星

どうでした?
お母さん

揚羽凛太郎

(最後まで聞かずに
母さんに行くな!)

揚羽渚沙

中1まで
信じてたわよ

揚羽凛太郎

ちょ!おいっ!

揚羽渚沙

サンタさんに
手紙なんか書いてたり
してたわよね!アンタ

日向奏星

あは!可愛い!

揚羽凛太郎

む、昔の話だろーが

揚羽凛太郎

つーか、そんな手紙
まだ残ってんのかよ

揚羽凛太郎

捨てろよ!そんなもん!

揚羽渚沙

いいじゃない!
思い出なんだから!

揚羽渚沙

あ、そうだ!

揚羽渚沙

今度奏星ちゃんにも
読ませてあげるわ

日向奏星

あ!私読みたいです

揚羽凛太郎

その前に焼き捨てるわ

揚羽渚沙

どこにあるか
知らないでしょ

揚羽凛太郎

う・・・

ただいまー!

リビングに康文の声が響く

日向志津香

あっ!帰ってきたみたい

日向志津香

おかえり!

日向康文

ああ!ただいま!

日向綾星

パパおかえり!

綾星が康文に抱きつく

日向康文

ただいま綾星!

康文は綾星の頭を 優しくなでる

そんな康文の的な 白い小さな箱が 握られていた

日向綾星

パパ!それなに?

日向康文

ああ!これね!

日向康文

クリスマスケーキだよ

日向綾星

ケーキ!わぁーい!

日向綾星

やったー!

日向康文

というか誰か来てるのか?

日向志津香

ああ、実はね──

揚羽渚沙

はじめまして

揚羽渚沙

息子がお世話に
なっております

揚羽渚沙

凛太郎の母の
渚沙と申します

日向康文

ああ、これは!これは!

日向康文

揚羽くんの
お母さんでしたか!

日向康文

私は奏星の父
康文と言います

日向康文

よろしくお願いします

揚羽渚沙

いえ、こちらこそ
よろしくお願いします

日向康文

でもどうしたんだ?

日向康文

急に・・・

日向志津香

実は奏星がね
今日お昼をご馳走
してもらったみたいなのよ

日向康文

ああ!そうだったのか

日向康文

ありがとうございます

揚羽渚沙

いえ、とんでもないです

揚羽渚沙

凛太郎も何度が夕飯を
ご馳走していただいた
みたいで・・・

日向志津香

だからそのお礼も兼ねて

日向志津香

夕飯にご招待したって訳

日向康文

ああ!そういう事か!

日向志津香

ケーキの差し入れも
頂いたのよ

日向康文

あ、俺もケーキ
買ってきちゃったよ

日向綾星

ケーキいっぱいだね!

日向康文

あはは!そうだな!

日向綾星

私たくさん
ケーキ食べたーい!

日向康文

よし!ならいっぱい
ケーキ食べような

日向綾星

うん♫

それからしばらくの間 凛太郎と渚沙は 日向家の食卓で 談笑しながら食事を楽しんだ

揚羽渚沙

今日はありがとうございました

揚羽渚沙

物凄く
美味しかったです

日向志津香

あはは!また!また!

日向志津香

お上手ですね!

揚羽渚沙

いや、そんな事
ありませんよ

日向志津香

私たちも楽しかったです

日向志津香

またいつでも
いらして下さいね

揚羽渚沙

ありがとうございます

揚羽渚沙

今度はぜひウチにも
いらしてください

揚羽渚沙

たいしたお構いは
できませんが

日向志津香

はい!ぜひお邪魔
させてもらいます

揚羽凛太郎

じゃあ奏星!

揚羽凛太郎

またLIMEするよ

日向奏星

うん!気をつけてね!

揚羽凛太郎

おぅ!

揚羽凛太郎

綾星ちゃんも!またね

日向綾星

また遊びにきてね

揚羽凛太郎

うん!また来るよ!

揚羽凛太郎

じゃあお母さん

揚羽凛太郎

今日は失礼します

揚羽凛太郎

ご馳走様でした

日向志津香

じゃあ!またね!
揚羽くん!

揚羽凛太郎

はい!

揚羽渚沙

なんかいい雰囲気の
家族だったわね

揚羽渚沙

いつもあんな感じなの?

揚羽凛太郎

まだ、大体は
今日と変わらねーかな

揚羽渚沙

アンタも家族に
歓迎されてる感じ
だったわね

揚羽凛太郎

まぁ、な・・

揚羽凛太郎

お父さんからも
認めてもらえたしな

揚羽渚沙

よかったじゃん!

奏星はペンダントを 何度も手にしては 笑みをこぼしていた

日向奏星

凛くんからの
プレゼント・・

日向奏星

えへへ・・

日向奏星

なんか凛くんを
身近に感じれる
気がする

奏星はペンダントのハートに 優しくキスをする

日向奏星

凛くん・・好き

日向奏星

きゃー❤️

奏星はペンダントを胸に当て

ベッドに横になり 体をくねくねさせる

日向志津香

随分と楽しそうね

気がつくと 背後には志津香の姿があった

日向奏星

きゃぁあ!

日向奏星

マ、ママ!!

日向志津香

そんなに驚かなくても
いいじゃない!

日向奏星

もう!オバケみたいに
入って来ないでよ!

日向志津香

オバケって失礼ね・・

日向奏星

で、なに?

日向志津香

1階に来てちょうだい

日向志津香

1日早いけど
パパがふたりに

日向志津香

クリスマスプレゼント
渡したいんだって

日向奏星

わかった!
すぐに行く!

日向志津香

・・・・・

日向奏星

何?まだ何かあるの?

日向志津香

のろけてるわね

日向奏星

うるさい!

日向奏星

早く行ってよ!もう!

日向志津香

はい!はい!

日向奏星

(恥ずかしいところ
ママに見られちゃった)

日向康文

コホン・・・

日向康文

じゃあ、まず綾星から

日向綾星

ワクワク!

日向康文

はい!綾星!
メリークリスマス

康文は綾星に クリスマスプレゼントを 手渡す

日向綾星

パパありがとう!

日向綾星

開けていい?

日向康文

ああ!もちろん!
開けてごらん!

日向綾星

うん♫

綾星は目を輝かせながら 包装紙を破く

日向綾星

わぁ!

箱に入っていたのは 赤子サイズの大きな テディベアだった

日向綾星

可愛いー!

日向綾星

おっきー!

日向綾星

ありがとうパパ!

日向綾星

大好き!

綾星は康文に抱きつく

日向康文

喜んでもらえて
よかったよ!

日向康文

じゃあ次は奏星だな

日向奏星

うん♫

日向康文

はい!奏星!
メリークリスマス

康文は綾星に クリスマスプレゼントを 手渡す

日向奏星

ありがとうパパ!

日向康文

開けてごらん!

日向奏星

うん♫

奏星が包装紙を丁寧に開け 中に入っていたのは

奏星がかねてより憧れを抱いていた ハイブランドの長財布だった

日向奏星

え?これって・・

日向志津香

奏星も来年成人だしね

日向志津香

そろそろこういう
ブランド物も
良いんじゃないかって

日向奏星

ありがとう!

日向志津香

お礼ならパパに
言いなさい!

日向志津香

この財布を選んだのは
パパなんだから

日向奏星

ありがとうパパ!

日向奏星

大切に使うね!

日向康文

ああ!

日向綾星

いいなー!
私も欲しい!

日向奏星

綾星ったら!私が
貰ったものが
欲しいだけじゃん!

日向綾星

いいじゃん!ケチ!

楽しくクリスマスを過ごす 奏星であったが

その幸せは音を立てて 崩れようとしていた

お節介アゲハと弱虫ヒナタ

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