日向奏星
揚羽凛太郎
凛太郎は日向家の ドアを開けて家に入る
そんな凛太郎を 物陰に潜み見つめる少女が一人
眞琴杏樹
眞琴杏樹
杏樹は表札を確認する
眞琴杏樹
眞琴杏樹
日向奏星か・・・
眞琴杏樹
眞琴杏樹
取り返すから
眞琴杏樹
日向奏星
揚羽凛太郎
揚羽凛太郎
日向奏星
日向志津香
日向志津香
お久しぶりね
揚羽凛太郎
日向綾星
揚羽凛太郎
日向綾星
綾星が凛太郎に 抱きつこうとする
日向奏星
そんな綾星を 奏星が後ろから抱き抱えて 抱きつきを阻止する
日向綾星
日向綾星
日向奏星
日向奏星
凛くんは私の彼氏!
日向奏星
日向綾星
日向志津香
日向志津香
揚羽凛太郎
この状況で、凛太郎は ただ困惑しながら 苦笑いするしか出来なかった
日向奏星
日向奏星
日向奏星
日向奏星
奏星は恥ずかしそうに クリスマス仕様に 梱包された小さめの箱を手渡す
揚羽凛太郎
揚羽凛太郎
日向奏星
日向奏星
くれるかな?)
揚羽凛太郎
凛太郎は箱のリボンと 包装紙を丁寧に剥ぐ
揚羽凛太郎
それは本革製の 有名外車メーカーの 手帳型スマホケースだった
揚羽凛太郎
スマホケースじゃん!
日向奏星
使ってる革と
同じ革のケースなんだって
揚羽凛太郎
高かったんじゃね?
日向奏星
揚羽凛太郎
揚羽凛太郎
死ぬまで使う!!
日向奏星
揚羽凛太郎
凛太郎はすぐさま スマホケースに 自分のスマホを入れる
揚羽凛太郎
赤ってのがまた良いな!
揚羽凛太郎
プラスされた感じだよ
揚羽凛太郎
揚羽凛太郎
日向奏星
喜んでくれてよかった
揚羽凛太郎
奏星もペンダント
つけてみてよ!
日向奏星
揚羽凛太郎
日向奏星
お願い・・・
奏星は後ろ髪を両手で持ち上げる
そして、凛太郎が 背後から奏星の首元に手を回す
日向奏星
揚羽凛太郎
揚羽凛太郎
日向奏星
揚羽凛太郎
凛太郎は奏星に 手鏡を手渡す
日向奏星
揚羽凛太郎
日向奏星
揚羽凛太郎
奏星は凛太郎に抱きつく
日向奏星
日向奏星
高価なペンダント
日向奏星
揚羽凛太郎
日向奏星
揚羽凛太郎
凛太郎と奏星は口づけを交わす
ガチャ
日向綾星
日向綾星
日向綾星
日向綾星
突如部屋に入って来た綾星が 口づけを交わす凛太郎と奏星を見て 大声を出す
揚羽凛太郎
日向奏星
入る時はノックしてよ!
日向綾星
日向奏星
しないでくれる?
日向奏星
キスくらいするよ!
日向奏星
揚羽凛太郎
そうだな・・あはは
日向綾星
日向奏星
日向綾星
日向奏星
揚羽凛太郎
日向奏星
日向奏星
言ってたよね?
日向綾星
日向綾星
日向綾星
一緒にどうかな?って
揚羽凛太郎
日向奏星
家でお母さんが
準備してるんじゃない?
揚羽凛太郎
日向奏星
日向綾星
ママって外国じゃないの?
揚羽凛太郎
日向綾星
日向綾星
揚羽お兄ちゃんのママ
日向奏星
よんであげたら?
揚羽凛太郎
日向奏星
聞いてみるよ!
揚羽凛太郎
日向綾星
揚羽凛太郎
揚羽凛太郎
揚羽凛太郎
日向奏星
日向志津香
どうかした?
日向奏星
日向志津香
何だって?
日向志津香
日向奏星
凛くんのお母さんが
帰国してるんだ
日向志津香
日向志津香
ご馳走してもらったのよね
日向奏星
日向奏星
日向奏星
呼んじゃダメかな?
日向志津香
日向奏星
日向志津香
日向奏星
日向志津香
聞いてみなさいよ
日向奏星
揚羽凛太郎
日向奏星
揚羽凛太郎
日向志津香
揚羽凛太郎
日向志津香
電話してみたら?
揚羽凛太郎
揚羽凛太郎
日向志津香
凛太郎はスマホを取り出して 渚沙に電話をかける
揚羽渚沙
揚羽凛太郎
揚羽渚沙
楽しんでる?
揚羽凛太郎
揚羽渚沙
買ったの?
揚羽凛太郎
揚羽渚沙
揚羽凛太郎
家にいるんだけどさ
揚羽渚沙
揚羽凛太郎
晩御飯を食べていけって
言ってもらってんだよね
揚羽渚沙
揚羽凛太郎
してもらっててさ
揚羽渚沙
何も聞いてないけど?
揚羽凛太郎
揚羽渚沙
揚羽渚沙
ちゃんと言いなさいよね
揚羽渚沙
いけないじゃない!
揚羽渚沙
揚羽凛太郎
揚羽凛太郎
揚羽凛太郎
って言ってもらってんだよ
揚羽渚沙
日向志津香
ちょっと電話
貸してくれない?
揚羽凛太郎
揚羽凛太郎
揚羽渚沙
揚羽凛太郎
話したいらしいんだけど
揚羽渚沙
揚羽凛太郎
揚羽渚沙
揚羽渚沙
揚羽渚沙
揚羽凛太郎
日向志津香
揚羽渚沙
日向志津香
日向志津香
日向志津香
日向志津香と申します
揚羽渚沙
息子がお世話に
なっております!
揚羽渚沙
揚羽渚沙と申します!
日向志津香
言った通りなんですが
日向志津香
ご一緒にいかがですか?
日向志津香
夕飯のご準備とか
されてたりますか?
揚羽渚沙
準備しようかと──
日向志津香
ご一緒に!
揚羽渚沙
私まで・・・
日向志津香
させていただきたいです
揚羽渚沙
甘えさせて頂きます
日向志津香
日向志津香
奏星を向かわせますので
揚羽渚沙
日向志津香
揚羽渚沙
ありがとうございます
日向志津香
はい!スマホ!
揚羽凛太郎
揚羽凛太郎
揚羽凛太郎
揚羽渚沙
買ってから行くから
揚羽渚沙
LIMEするわね
揚羽凛太郎
日向綾星
揚羽お兄ちゃん!
日向綾星
来てくれるんだよね?
揚羽凛太郎
日向綾星
揚羽凛太郎
日向志津香
会ってみたかったし!
日向志津香
ワイワイやった方が
楽しいでしょ?
揚羽凛太郎
日向奏星
来れるって?
揚羽凛太郎
来るって言ってたなぁ
日向志津香
良かったのに・・
揚羽凛太郎
手ぶらはダメ!
って昔から言ってまして
揚羽凛太郎
性格なんスよ
日向志津香
マズイって思うわよね
日向志津香
お母さんの立場だったら
日向志津香
行くからね
揚羽凛太郎
LIMEが来るはずなんで
日向志津香
今から準備しなきゃね!
ピロン
凛太郎が奏星のリビングで しばらく談笑していると
凛太郎のスマホから LIME通知音が鳴る
揚羽凛太郎
LIME来ました!
日向志津香
揚羽凛太郎
今から向かうらしいです
日向志津香
行って来てくれる?
日向志津香
日向奏星
揚羽凛太郎
日向志津香
日向奏星
返信しなきゃ!
凛くん!ホラ!
揚羽凛太郎
母さん
今から向かうわ!
リン
近所の公園で待ってるから!
母さん
揚羽凛太郎
きてもおかしく──
揚羽凛太郎
揚羽渚沙
揚羽渚沙
揚羽渚沙
ごめんね?
日向奏星
揚羽凛太郎
みんな待ってっからさ!
揚羽渚沙
揚羽渚沙
揚羽渚沙
渚沙が恐る恐るドアを開き 玄関に足を踏み入れる
すると綾星が 満面の笑みで駆け寄って来る
日向綾星
揚羽お兄ちゃんのママ?
揚羽渚沙
日向奏星
揚羽渚沙
揚羽凛太郎
揚羽渚沙
揚羽凛太郎
揚羽渚沙
揚羽お兄ちゃんのママよ!
揚羽渚沙
よろしくね?
渚沙は膝を曲げて 綾星と同じ目線で自己紹介をし 綾星の頭を優しくなでる
日向綾星
日向綾星
綾星は丁寧にお辞儀をする
揚羽渚沙
渚沙は綾星を抱きしめる
日向綾星
日向志津香
ご足労いただき
ありがとうございます
日向志津香
揚羽渚沙
お招き頂き
ありがとうございます
日向志津香
お母さんですね
揚羽渚沙
日向奏星
玄関で話さないで
日向奏星
日向志津香
日向志津香
私ったらつい
揚羽渚沙
揚羽渚沙
揚羽渚沙
渚沙は志津香に 道中で買ったケーキを手渡す
日向志津香
日向志津香
ありがとうございます
揚羽渚沙
揚羽渚沙
何度かご飯をご馳走に
なってるみたいで
日向志津香
日向志津香
ご馳走になったみたいで
日向志津香
揚羽渚沙
日向綾星
揚羽お兄ちゃんのママ
日向綾星
渚沙は志津香に促され ソファに腰を下ろす
揚羽渚沙
お手伝い──
日向志津香
日向志津香
日向志津香
されててください!
揚羽渚沙
渚沙は申し訳なさそうに ソファに腰を下ろす
それからしばらく 渚沙は綾星からの 質問攻めにあっていた
日向綾星
お兄ちゃんのママ!
揚羽渚沙
日向綾星
昔はどんな子供だったの?
揚羽渚沙
そうね・・・
日向奏星
揚羽凛太郎
揚羽渚沙
女風呂入ってたわね
揚羽凛太郎
その話かよ!!
日向綾星
日向綾星
揚羽凛太郎
母さんの嘘だから!
揚羽凛太郎
揚羽渚沙
揚羽渚沙
鉢合わせして以来
揚羽渚沙
男風呂に入るって
言ってたじゃない!
揚羽凛太郎
揚羽凛太郎
日向奏星
日向綾星
揚羽渚沙
揚羽凛太郎
揚羽渚沙
日向奏星
日向奏星
ビビりようだったもんね
揚羽凛太郎
揚羽渚沙
揚羽渚沙
凛太郎と一緒に
揚羽渚沙
行ったことあるの?
日向奏星
日向奏星
お化け屋敷が
あったんですけど
揚羽渚沙
日向奏星
ずっと私の手を
握ってたんです
日向綾星
揚羽渚沙
一緒に行こうか?
揚羽凛太郎
揚羽渚沙
奏星ちゃん?
日向奏星
揚羽渚沙
可愛いわね?
日向奏星
日向奏星
クリスマスプレゼントで
揚羽渚沙
日向奏星
揚羽凛太郎
揚羽渚沙
渚沙が凛太郎の脇腹を からかうように突っつく
揚羽凛太郎
日向綾星
買ってもらってズルい
日向奏星
日向綾星
私も着けてみたい!
日向奏星
宝物なんだから!
日向志津香
揚羽渚沙
うるさくしちゃって
日向志津香
賑やかな方が楽しいですから
日向綾星
日向綾星
綾星が奏星の ペンダントを指差す
日向志津香
日向志津香
買ってあげたかしら?
日向綾星
クリスマスプレゼント
なんだって!
日向志津香
日向志津香
揚羽くん
揚羽凛太郎
日向志津香
揚羽凛太郎
ないっスよ
日向奏星
凛くん
揚羽凛太郎
日向綾星
日向志津香
もう買ってあるわよ!
日向志津香
日向綾星
日向綾星
揚羽凛太郎
日向奏星
揚羽凛太郎
用意してるって
言っちゃうの?
日向奏星
揚羽凛太郎
揚羽凛太郎
サンタさんが!とか
日向奏星
あんまりサンタとか
信じてなかったから
揚羽凛太郎
日向奏星
日向奏星
揚羽凛太郎
日向奏星
お母さん
揚羽凛太郎
母さんに行くな!)
揚羽渚沙
信じてたわよ
揚羽凛太郎
揚羽渚沙
手紙なんか書いてたり
してたわよね!アンタ
日向奏星
揚羽凛太郎
揚羽凛太郎
まだ残ってんのかよ
揚羽凛太郎
揚羽渚沙
思い出なんだから!
揚羽渚沙
揚羽渚沙
読ませてあげるわ
日向奏星
揚羽凛太郎
揚羽渚沙
知らないでしょ
揚羽凛太郎
ただいまー!
リビングに康文の声が響く
日向志津香
日向志津香
日向康文
日向綾星
綾星が康文に抱きつく
日向康文
康文は綾星の頭を 優しくなでる
そんな康文の的な 白い小さな箱が 握られていた
日向綾星
日向康文
日向康文
日向綾星
日向綾星
日向康文
日向志津香
揚羽渚沙
揚羽渚沙
なっております
揚羽渚沙
渚沙と申します
日向康文
日向康文
お母さんでしたか!
日向康文
康文と言います
日向康文
揚羽渚沙
よろしくお願いします
日向康文
日向康文
日向志津香
今日お昼をご馳走
してもらったみたいなのよ
日向康文
日向康文
揚羽渚沙
揚羽渚沙
ご馳走していただいた
みたいで・・・
日向志津香
日向志津香
日向康文
日向志津香
頂いたのよ
日向康文
買ってきちゃったよ
日向綾星
日向康文
日向綾星
ケーキ食べたーい!
日向康文
ケーキ食べような
日向綾星
それからしばらくの間 凛太郎と渚沙は 日向家の食卓で 談笑しながら食事を楽しんだ
揚羽渚沙
揚羽渚沙
美味しかったです
日向志津香
日向志津香
揚羽渚沙
ありませんよ
日向志津香
日向志津香
いらして下さいね
揚羽渚沙
揚羽渚沙
いらしてください
揚羽渚沙
できませんが
日向志津香
させてもらいます
揚羽凛太郎
揚羽凛太郎
日向奏星
揚羽凛太郎
揚羽凛太郎
日向綾星
揚羽凛太郎
揚羽凛太郎
揚羽凛太郎
揚羽凛太郎
日向志津香
揚羽くん!
揚羽凛太郎
揚羽渚沙
家族だったわね
揚羽渚沙
揚羽凛太郎
今日と変わらねーかな
揚羽渚沙
歓迎されてる感じ
だったわね
揚羽凛太郎
揚羽凛太郎
認めてもらえたしな
揚羽渚沙
奏星はペンダントを 何度も手にしては 笑みをこぼしていた
日向奏星
プレゼント・・
日向奏星
日向奏星
身近に感じれる
気がする
奏星はペンダントのハートに 優しくキスをする
日向奏星
日向奏星
奏星はペンダントを胸に当て
ベッドに横になり 体をくねくねさせる
日向志津香
気がつくと 背後には志津香の姿があった
日向奏星
日向奏星
日向志津香
いいじゃない!
日向奏星
入って来ないでよ!
日向志津香
日向奏星
日向志津香
日向志津香
パパがふたりに
日向志津香
渡したいんだって
日向奏星
すぐに行く!
日向志津香
日向奏星
日向志津香
日向奏星
日向奏星
日向志津香
日向奏星
ママに見られちゃった)
日向康文
日向康文
日向綾星
日向康文
メリークリスマス
康文は綾星に クリスマスプレゼントを 手渡す
日向綾星
日向綾星
日向康文
開けてごらん!
日向綾星
綾星は目を輝かせながら 包装紙を破く
日向綾星
箱に入っていたのは 赤子サイズの大きな テディベアだった
日向綾星
日向綾星
日向綾星
日向綾星
綾星は康文に抱きつく
日向康文
よかったよ!
日向康文
日向奏星
日向康文
メリークリスマス
康文は綾星に クリスマスプレゼントを 手渡す
日向奏星
日向康文
日向奏星
奏星が包装紙を丁寧に開け 中に入っていたのは
奏星がかねてより憧れを抱いていた ハイブランドの長財布だった
日向奏星
日向志津香
日向志津香
ブランド物も
良いんじゃないかって
日向奏星
日向志津香
言いなさい!
日向志津香
パパなんだから
日向奏星
日向奏星
日向康文
日向綾星
私も欲しい!
日向奏星
貰ったものが
欲しいだけじゃん!
日向綾星
楽しくクリスマスを過ごす 奏星であったが
その幸せは音を立てて 崩れようとしていた