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先生
担任が自分を呼んだのを確認して、重そうな教室のドアを開けた。
―――ガラッ。
開けた途端、刃物などの武器や、生徒たちが放ったであろう能力の攻撃が飛んできた。
星歌
私はそう言って攻撃を避け切り、背後から跳ね返ってきたナイフを指で挟んで止めた。
数秒後、教室が歓声に沸いた。
<え、あの量を全部避けた!?すご! <最後って背後のナイフを指で止めてたよな!? <能力も全部避けられたしね。また教室の弁償代が増えるよ…。 <今編入生に呪いかけようとしたけど効かないわ。メンタル系の耐性がエグい…。 <ってことは洗脳系も耐性あるってことだよね!?それでいてフィジカルもヤバいってどゆこと!
先生
この状況で平然と自己紹介をさせるのか。まあ多分これが日常だろうから、仕方ないか。
星歌
<あっ、知ってる!確か、”あの”流星よつばさんの寮部屋でシェアハウスしてるんでしょ? <え、マジで?いきなり問題児とシェアハウスかよ、かわいそー。 <でもあの人の寮部屋って、一応最上級だよね?それは羨ましいな〜。 <いやいや、部屋が良くても同居人がダメだったら良くないでしょ。
何故か既に名前と住所を抑えられているんだが。このクラス、ハッカーがいそうだな。 ハッカーは能力者に匹敵するのに十分な実力がある。 学年にひとりやふたりいてもおかしくはないな。
先生
レグロス。とても海外言語表記の名前だ。 そういえば、この専門高等部には世界中から能力者や実力者が集まるらしい。
星歌
グヴェ
星歌
グヴェ
星歌
グヴェ
レグロス・グヴェか…聞いたことがある。 なんでも、怪力系の能力らしい。 ここに来る前に、能力で大暴れして問題児呼ばわりされていたとか。 この性格で怪力系で、しかも問題児とは。世の中本当に第一印象では判断できない。
星歌
私とグヴェさんは今、3階校舎の窓から”飛んで”任務の指定場所に向かっているところだ。
グヴェ
星歌
帳は、死霊などのアンデッドを倒す時に使われる結界のようなものだ。 浮遊したりテレポートする亡霊タイプのモンスターを帳の中に留めておける。 使用者または使用者以上の実力を持った能力者しか解除・破壊は出来ない。
グヴェ
星歌
グヴェ
早口で叫ぶグヴェさんの鞄に、何かのキャラクターらしい大量のキーホルダーがじゃらじゃら揺れる。 やっぱりなんとなく思ってたけれどグヴェさん、超がつくオタクだった。 オタクで照れ屋で問題児で怪力能力者…肩書きがカオス。
グヴェ
数分後、私達は死霊がいると言われたミナミノの踏切に着いた。
星歌
能力者によって、使える能力は様々だ。 例えば、私は結界能力が使えるけれど、グヴェさんは使えないらしい。 そして能力者は、人によって異なる、その人にしか使えない特殊能力を持っている。 グヴェさんの場合は多分、噂で聞いた怪力系能力だ。
星歌
私は踏切と半径1km以内の線路を覆うように、ドーム型の帳を降ろした。
グヴェ
そうだろうか。これは私を鍛え上げてくれた師匠こと、ある能力者直伝の『帳降り』だ。 能力発動にコツがいるけれど、上手くいけば広範囲に強力な帳を降ろせる。
星歌
グヴェ
遂に照れ屋オタク問題児、レグロス・グヴェの能力が拝める。
グヴェ
高く上がった右手の先の空間が歪んで、大きなハンコのようなものが生まれた。 どうやら、あれは重力を圧縮した重圧弾で出来ているようだ。 あれに潰されたり当たったりしたら、確かにひとたまりもないだろう。 しかも、効果として精神生命体と物理生命体どちらにもダメージがいくみたいだ。 どうりで死霊相手に倒せないと言っていなかったわけだ。 これなら単独でも死霊を倒せているだろう。本当に凄い。
グヴェ
彼女はそう言って、右手のハンコをぶん回して凄い勢いで敵を蹴散らしていく。 大量にいた死霊が、瞬く間に消えてしまった。 そして天才とはなんだろうか。天才を凌駕する暴れっぷりだと思う。
星歌
グヴェ
任務が終わった私達はそれぞれ能力を解除して、そのまま自分の寮へ帰った。
寮に帰ると、電気はおろか鍵すらかかっていない。 鍵を閉めて部屋の中を見渡すと、私が作った朝ご飯は無く、よつばさんの部屋だけ電気が点いていた。
星歌
よつば
星歌
よつば
星歌
よつば
この人は、いつもこうなんだろうか。わからないが、これでは皆困るだろう。私は別に構わないけれど。 先生にもああ言われた手前、下手なことはできないが退くわけにもいかない。 せいぜい学校に行くくらいはしてほしい。 不登校だかなんだか別に知らないが、そうでもしてくれないと面倒だ。 とりあえず、明日の朝は朝食を豪華にしてみるか。(←メンタルケアし慣れてない)
翌日、よつばさんと私の寮に悲鳴が響いた。