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凛太郎は奏星の傘に入り 通学路を歩く

揚羽凛太郎

うわぁ、雨酷く
なってきたなぁ

日向奏星

でも揚羽くん?

揚羽凛太郎

ん?どうした?

日向奏星

私の家までは
濡れずに帰れるけど

日向奏星

そこから先どうするの?

日向奏星

確か揚羽くんの家って
だいぶ先なんだよね?

揚羽凛太郎

まぁ、日向の家まで
濡れずに行けるならいいよ!

揚羽凛太郎

あとは何とかするからさ!

日向奏星

大丈夫?

揚羽凛太郎

超絶スピードで
駆け抜ければなんとか!

日向奏星

あの・・・

揚羽凛太郎

ん?

日向奏星

揚羽くんが
迷惑じゃないなら

日向奏星

ウチで雨宿りしない?

揚羽凛太郎

え?日向の家で?

日向奏星

(あれ?何言ってるの?私)

日向奏星

(咄嗟に言っちゃったけど
何も理由を考えてない)

日向奏星

(ど、どうしよ・・・)

日向奏星

(あっ!そうだ!)

日向奏星

揚羽くんって
私の妹の事覚えてる?

揚羽凛太郎

妹?あぁ!確か
綾星ちゃんだっけ?

日向奏星

うん

揚羽凛太郎

綾星ちゃんがどうしたの?

日向奏星

実は綾星ね、どうやら
揚羽くんの事を
気に入ったみたいなの

揚羽凛太郎

え?まじ?

日向奏星

揚羽くんが綾星を
送って来てくれた日に

日向奏星

また遊びに来る!って
約束したでしょ?

揚羽凛太郎

あぁ!したなぁ!確かに!

日向奏星

こんな雨だし
よかったら綾星に
会ってあげてくれないかな?

揚羽凛太郎

でもお邪魔じゃない?

日向奏星

ううん。
そんな事ないよ

日向奏星

揚羽くんが来てくれれば
綾星も喜ぶと思うんだ

日向奏星

ど、どうかな?

揚羽凛太郎

なら・・お邪魔しようかな

日向奏星

(よかったぁ)

日向奏星

(断られなかった)

日向奏星

(妹をダシに使うのは
ちょっと卑怯だけど)

日向奏星

(これでもう少しだけ
揚羽くんと居れる)

揚羽凛太郎

なんか懐かしいなぁ

日向奏星

ウチから揚羽くんが
出てきた時は
びっくりしたなぁ

揚羽凛太郎

あはは!だろうな

日向奏星

さぁ!入って!
濡れちゃうから

揚羽凛太郎

ありがとう

日向奏星

ただいま!

揚羽凛太郎

お邪魔しまーす!

日向綾星

お姉ちゃんお帰り──

日向綾星

って、わぁ!
揚羽お兄ちゃんだぁ!

揚羽凛太郎

久しぶり!綾星ちゃん!

揚羽凛太郎

もう傷治った?

日向綾星

うん♫ホラ!
もう元通り♫

揚羽凛太郎

そりゃ良かったぁ

日向綾星

ママー!揚羽お兄ちゃんが
遊びに来てくれたよー!

日向志津香

あら!揚羽くんじゃない!

揚羽凛太郎

ご無沙汰してます

日向志津香

今日はどうしたの?

揚羽凛太郎

いやぁ、実は今日
傘を忘れちゃって

揚羽凛太郎

ひな・・娘さんから
ウチで雨宿りすればって
言ってもらったんです

揚羽凛太郎

迷惑だったらすぐに──

日向志津香

迷惑なんて思わないわよ

日向志津香

どうぞ上がって!上がって!

揚羽凛太郎

はい!お邪魔します!

日向奏星

あ、揚羽くん
スリッ──

日向綾星

はい!お兄ちゃん!
スリッパ!

揚羽凛太郎

ありがとう♫

日向奏星

むっ!

日向綾星

どうしたの?
お姉ちゃん

日向奏星

なんでもない・・・

揚羽凛太郎

ん?

日向志津香

(まったく・・・)

日向志津香

(妹相手に
張り合っちゃって)

日向志津香

(大人気ない
お姉ちゃんね・・・)

日向志津香

あっ!揚羽くん!
ケーキ好き?

揚羽凛太郎

ケーキですか?
まぁ、好きですけど

日向志津香

よかったら
食べてってよ

日向志津香

知り合いか頂いた
ケーキがあるのよ

揚羽凛太郎

いや、俺は雨宿り
させてもらうだけで

日向綾星

いいじゃん!
食べていきなよ!ね?

揚羽凛太郎

そう?

揚羽凛太郎

なら頂こうかな

日向奏星

(綾星・・・
なんか近くない?)

日向綾星

はい!お兄ちゃん!
ケーキ!

揚羽凛太郎

ありがとう♫

揚羽凛太郎

じゃあお母さん!
有り難く頂きます!

日向志津香

遠慮せずに食べてね!
まだまだあるから

揚羽凛太郎

はい!頂きます!

日向志津香

でも揚羽くんって
奏星から聞いたんだけど

日向志津香

お母さんが海外にいるから
今は一人暮らしなんですってね

揚羽凛太郎

あ、話してたんだ!

日向奏星

ちょっと!ママ!
余計な事言わないでよ!

日向志津香

あらごめんなさい

日向奏星

もぅ!

日向綾星

でも家で一人って
寂しくない?

揚羽凛太郎

まぁ、昔はそう思ってたけど
今はもう慣れたよ!あはは

日向志津香

でも色々大変じゃない?

日向志津香

炊事洗濯も自分一人で
やってるんでしょ?

揚羽凛太郎

まぁ、毎日って
訳じゃないんで

揚羽凛太郎

面倒だから数日分
まとめてとか
やっちゃいますから

日向志津香

それでも偉いわよ!
いやぁ、感心するわ

揚羽凛太郎

あははは!
ありがとうございます♫

日向志津香

そうだ!揚羽くん!

揚羽凛太郎

はい?

日向志津香

今日の夕飯とか
もう決めてあるの?

揚羽凛太郎

まぁ、家にある物で
適当に済ませようかと

日向志津香

じゃあまだ
準備はしてないのよね?

揚羽凛太郎

まぁ、はい・・・
帰ってからやる予定で──

日向志津香

なら良かったら
ウチで食べていきなさいよ

揚羽凛太郎

え?流石にそこまでは──

日向奏星

いいじゃん!
食べていきなよ!

揚羽凛太郎

そう?

日向綾星

一人で食べるより
みんなで食べた方が
美味しいよ?

揚羽凛太郎

まぁ、確かにそうだけど

揚羽凛太郎

本当に良いんですか?

日向志津香

もちろんよ♫

日向志津香

揚羽くんにはお礼を
したいって思っていたから

揚羽凛太郎

じゃあ、お言葉に甘えて・・

日向綾星

やったぁ!

日向奏星

もう綾星はしゃぎすぎ

日向綾星

だって嬉しいんだもん

日向綾星

お姉ちゃんは
嬉しくないの?

日向奏星

え?ま、まぁ・・
嬉しくないって言ったら
嘘になるけど・・・

日向志津香

(素直に嬉しいって
言えばいいのに)

日向志津香

(変なとこ頑固なんだから)

プルルルルル

志津香のスマホから 着信音が鳴る

日向志津香

あら?誰かしら

日向志津香

え?

日向綾星

どうしたの?

日向志津香

パパからよ・・

日向奏星

どうかしたのかな?

日向志津香

さぁ・・・

志津香は疑問に思いながらも 電話に出る

日向志津香

はい?もしもし?

日向志津香

うん!うん!

日向志津香

もぅ!ちゃんと
持っていきなさいよね

日向志津香

わかった!わかった!

日向志津香

すぐに持っていくから!

日向志津香

はい!はい!

日向志津香

じゃあ駅で待ってて!

日向志津香

はーい!

揚羽凛太郎

どうかされたんですか?

日向志津香

いやぁね、パパ
というか旦那からね

日向志津香

傘を忘れたから
駅まで持ってきてくれって!

日向志津香

まったく!きちんと
天気予報確認しないから!

揚羽凛太郎

う・・耳が痛いっスね・・

日向志津香

あらごめんなさい!
揚羽くんに言ったんじゃ
ないのよ?

揚羽凛太郎

いや、いいんですよ

揚羽凛太郎

実際に天気予報は
見てませんでしたから

日向綾星

でも揚羽お兄ちゃんが
天気予報見てなかったおかげで

日向綾星

こうして遊びに
来てくれたんだもん!

揚羽凛太郎

お!良い事言ってくれた!

揚羽凛太郎

さすが綾星ちゃん!

日向綾星

えへへ

日向奏星

私が行ってこようか?

日向志津香

いやいいわよ!
私が行くから!

日向志津香

せっかく友達が
来てくれたんだから

日向志津香

奏星が行っちゃ
揚羽くんが可哀想よ

揚羽凛太郎

いや、俺は──

日向志津香

いいの!いいの!

日向志津香

ちゃちゃっと
行ってくるから!

日向志津香

ちょっと待っててね

日向志津香

旦那が帰ってきたら
揚羽くんを紹介したいし

日向志津香

じゃあ行ってくるわね

日向綾星

行ってらっしゃい!

日向奏星

行ってらっしゃい!

揚羽凛太郎

あ、行ってらっしゃい!

日向綾星

ね?揚羽お兄ちゃん
何して遊ぼっか?ね?

揚羽凛太郎

ああ、そうだなぁ──

日向綾星

あっ!鬼ごっこしよ!
鬼ごっこ!ね?ね?

揚羽凛太郎

いや、家の中じゃ無理だよ!

日向綾星

お兄ちゃんが鬼ね!

日向綾星

スタート!

日向綾星

逃げろー!

綾星は楽しそうに 部屋の奥に消えていく

揚羽凛太郎

ちょ!綾星ちゃん!

日向奏星

ごめんね揚羽くん

日向奏星

綾星ったら
揚羽くんと遊びたいって
いつも言ってたから

日向奏星

はしゃいでるんだよ

揚羽凛太郎

え?そんな事
言ってくれてたの?

日向奏星

悪いけど
付き合ってあげて

揚羽凛太郎

よし!ならさっさと
捕まえちゃうか!

揚羽凛太郎

ハンターは今
解き放たれた!行くぞ!

日向奏星

(何気に揚羽くんも
楽しんでる)

日向奏星

(なんか子供っぽい
ところもあるんだ)

しばらくの間 家の中で鬼ごっこを 楽しむ凛太郎と綾星

揚羽凛太郎

(あ!そうだ!)

揚羽凛太郎

綾星ちゃん!ちょっと!

凛太郎は小声で 綾星に呼びかけ手招きする

日向綾星

なぁに?

綾星が廊下の奥から 顔だけを出す

揚羽凛太郎

いいから!ちょっと!

日向綾星

フン!その手には
引っかからないよ

揚羽凛太郎

違うって!
いいから!ちょっと

日向綾星

あやしーなー!

綾星は凛太郎に 疑いの眼差しを向けながらも ゆっくりと凛太郎に近づく

日向綾星

なぁに?

揚羽凛太郎

そういえばさ

揚羽凛太郎

あれから男の子に
嫌なこと言われてない?

揚羽凛太郎

大丈夫かな?

日向綾星

男の子?

揚羽凛太郎

ホラ!居たじゃん!

揚羽凛太郎

俺と綾星ちゃんが
初めて会った公園で!

日向綾星

ああ!あれか!

揚羽凛太郎

あれから大丈夫?

揚羽凛太郎

なんかされたり
してない?大丈夫?

日向綾星

まぁ、いまだに嫌な事
言ってくる子は居るけど

日向綾星

私は大丈夫だよ!

揚羽凛太郎

そっか・・なら安心か

揚羽凛太郎

よかった!よかった!

凛太郎は安心したように 笑みをこぼす

日向綾星

揚羽お兄ちゃん・・・

日向綾星

私の事心配
してくれてたの?

揚羽凛太郎

当たり前だろ!

揚羽凛太郎

女の子に石なんて
投げるような連中だしな

日向綾星

揚羽お兄ちゃんって
優しいんだね♫

揚羽凛太郎

いや、まぁ、普通だよ

凛太郎は照れたように 目線を逸らす

日向綾星

ありがと♫

揚羽凛太郎

あと、ヒナ──

揚羽凛太郎

お姉ちゃんには
黙ってるからさ

日向綾星

え?

揚羽凛太郎

いや、ホラ!

揚羽凛太郎

あまり言わない方が
いいかなぁと思って

揚羽凛太郎

こんな話したって
誰も笑顔にならないしね

日向綾星

ありがとう!
揚羽お兄ちゃん

綾星は凛太郎に抱きつく

揚羽凛太郎

ちょ!綾星ちゃん////

凛太郎は顔を真っ赤にして 両手をバタつかせる

揚羽凛太郎

(いや!待てよ!)

揚羽凛太郎

(警戒してない
今がチャンスじゃね?)

揚羽凛太郎

(よし──)

揚羽凛太郎

捕まえ──

揚羽凛太郎

た!!!!

凛太郎は綾星を捕まえようとするが その手は無常にも空を切る

揚羽凛太郎

あれ・・・

日向綾星

残念でしたー!ベー

日向綾星

甘いよ!お兄ちゃん!

揚羽凛太郎

だぁ!しまった!
チャンスを逃した!

日向綾星

私は捕まらないよ!

綾星はキッチンに向かって走り出す

揚羽凛太郎

待て!絶対に捕まえて──

揚羽凛太郎

はぁ・・はぁ・・

揚羽凛太郎

ごめん・・もう無理

凛太郎は荒い息遣いで 床に倒れ込む

日向綾星

えー!お兄ちゃん
ヘナチョコー!

綾星は両手の指先で 凛太郎の腹をツンツンと突っつく

揚羽凛太郎

綾星ちゃん
辛辣すぎるって・・

揚羽凛太郎

やっぱ小学生の
パワフルさには負けるわ

日向奏星

ふふふ

日向志津香

ただいま!

日向綾星

あっ!ママが帰ってきた!

志津香の声に反応し 綾星は玄関先に走っていく

揚羽凛太郎

あんなに走り回ったのに

揚羽凛太郎

まだあんな元気
あんのかよ

揚羽凛太郎

すげーな綾星ちゃん

日向奏星

付き合わせてごめんね

日向奏星

疲れたでしょ?

揚羽凛太郎

全然!って言いたいけど
かなり体力持ってかれたわ

日向奏星

ふふふ

揚羽凛太郎

まぁ、いい運動に
なったよ(笑)

揚羽凛太郎

かなりハード
だったけどね

日向奏星

ふふふ

日向綾星

パパ!ママ!
お帰り!

日向志津香

ただいま!

日向康文

ただいま!綾星!

奏星の父、康文(やすふみ)が 綾星の頭を優しく撫でる

日向綾星

お帰り!

日向綾星

さぁ!早く!早く!

日向綾星

揚羽お兄ちゃん
お腹空かせてるよ

日向志津香

はい!はい!

日向志津香

わかってるから!
引っ張らないの!

日向康文

揚羽お兄ちゃん?

日向康文

お兄ちゃんって?

日向志津香

だから言ったじゃない!

日向志津香

奏星のクラスメイトが
家に来てるって

日向康文

お兄ちゃんって
男の子か?

日向志津香

あら?言ってなかったかしら?

日向康文

お前なぁ・・・

日向康文

家で娘たちを
男の子に預けたのか!

日向志津香

何か問題ある?

日向康文

あるだろ!

日向康文

娘たちに何かあったら
どうするんだよ

日向綾星

揚羽お兄ちゃんは
そんな事しないよっ!

日向康文

綾星はまだ小さいから
分からないだけだ!

日向志津香

あなたの
考えすぎじゃない?

日向康文

いやぁ、年頃の
男の子なんか──

揚羽凛太郎

なんか
言い争ってない?

揚羽凛太郎

大丈夫かな?

日向奏星

もぅ・・・

日向奏星

揚羽くんが居るのに!

日向奏星

やめてよね・・・

日向康文

君が揚羽くんか?

凛太郎は康文から話しかけられ すぐさま立ち上がる

揚羽凛太郎

あ、お邪魔してます!

揚羽凛太郎

娘さんと同じ
高校に通ってる

揚羽凛太郎

揚羽凛太郎といいます

揚羽凛太郎

今日は・・その・・
ありがとうございます

凛太郎は丁寧にお辞儀する

日向康文

悪いが帰ってくれないか

揚羽凛太郎

え!?

日向奏星

ちょ!パパ!
何言ってるのよ!

日向康文

悪いが私は君の事を
あまり信用できない

揚羽凛太郎

そ、それはどいいう・・

日向康文

私が君ぐらいの頃は
女の子の家に押しかける
なんて絶対にしなかった

日向奏星

パパ!揚羽くんは
押しかけた訳じゃなくて
ウチに雨宿りを──

日向康文

奏星は黙っていなさい!

日向奏星

パパ・・・

揚羽凛太郎

・・・・・

日向康文

私が言いたい事が
分かるかな?

揚羽凛太郎

あ、はい・・・

揚羽凛太郎

両親不在の自宅で
娘さんと会った事のない
男の子が一緒にいたら

揚羽凛太郎

お父さんの立場
からしたらやっぱり
娘さんの事が心配でしょうし

揚羽凛太郎

僕の行動が軽率でした

揚羽凛太郎

申し訳ありません

日向奏星

なんで謝るの?

日向奏星

揚羽くんは何も
悪い事してないのに!

日向康文

分かってくれた
ならいいんだ

日向康文

悪いが今日は──

揚羽凛太郎

はい!失礼します

日向綾星

え?帰っちゃうの?

揚羽凛太郎

ごめんね!ちょっと
帰らなくちゃいけなくなって

日向奏星

帰らなくて良いよ!

揚羽凛太郎

で、でも・・・

日向志津香

あなた!奏星の
話を聞いて!

日向志津香

揚羽くんは──

日向康文

黙っていなさい!

日向奏星

なんで?揚羽くんは
私の友達なんだよ?

揚羽凛太郎

日向!いいんだよ!
お父さんは日向の事が
心配なだけなんだから

日向奏星

で、でも・・・

揚羽凛太郎

すいません

揚羽凛太郎

なんか雰囲気
悪くしちゃったみたいで

揚羽凛太郎

僕は帰りますから・・

揚羽凛太郎

あと、ケーキご馳走様でした

日向奏星

本当に帰っちゃうの?

揚羽凛太郎

ああ!

揚羽凛太郎

なんか俺のせいで
変な空気になっちゃったな

揚羽凛太郎

ごめんね?

日向奏星

揚羽くんが
謝る事ないよ・・

揚羽凛太郎

あと、お父さんの事
責めないであげてね?

揚羽凛太郎

日向の事が心配なんだよ

日向奏星

揚羽くん・・・

揚羽凛太郎

じゃあお邪魔しました

ガチャ

日向奏星

あっ!揚羽くん
せめて傘を──

日向奏星

・・・・・

日向奏星

パパひどいよ!

日向奏星

なんで揚羽くんに
あんな事言ったの?

日向康文

高校生の男の子なんてな

日向志津香

だから奏星の話を
聞けって言ったのに!

日向康文

なんの話だ!

日向志津香

この前、話したわよね?

日向志津香

怪我した綾星を家まで
送って来てくれた
男の子が居たって!

日向康文

その話が今日の話と
なんの関係があるんだ?

日向志津香

だから!その綾星を
送ってくれた男の子が

日向志津香

アンタがさっき
追い返した
揚羽くんなのよっ!

日向康文

え!?まじで!?

日向康文

おい!おい!
先に言ってくれよ!

日向志津香

言おうとしたわよ!

日向志津香

アンタが自分の
主張ばかりして

日向志津香

娘の話を
聞かないからでしょ?

日向康文

て事は、奏星がいつも
話してる揚羽くんってのも

日向志津香

あの男の子の事よ!

日向康文

嘘だろ!?まじか!?

日向志津香

マジよ!

日向奏星

・・・・・

日向康文

ごめんなぁ・・奏星・・

日向康文

まさかあの子が
揚羽くんだったなんて

日向康文

パパ知らなかったんだ!

日向康文

ごめん・・・

日向奏星

パパ!サイテー!

日向康文

う・・・

日向奏星

揚羽くんは大切な
友達だったのに

日向奏星

揚羽くんのおかげで
教室登校ができるように
なったなのに!

日向奏星

揚羽くんに嫌われたら
どう責任とってくれるのよ!

日向奏星

ぐすっ・・・

日向奏星

パパなんか大っ嫌い!

奏星は涙を流しながら 自分の部屋に走っていく

日向康文

あ・・奏星・・・

日向志津香

あらら・・・
嫌われちゃったわね

日向綾星

パパったらサイテー

日向康文

綾星まで・・・

日向綾星

私を送ってくれた
お姉ちゃんの大切な
友達の揚羽お兄ちゃんに

日向綾星

あんな事が言うパパ
なんか私も大っ嫌い!

日向康文

ぐ・・・

日向綾星

大っ嫌い!

綾星は自分の部屋まで走っていく

日向志津香

あらら・・・
娘二人に嫌われたわね

日向康文

はぁ〜

日向康文

まいったなぁ〜・・

日向康文

どうしたもんか・・・

うつむく康文は 志津香の方を見る

日向志津香

私に助け舟期待
したって無駄よ

日向康文

う・・・

日向志津香

まぁ、自分から
謝る事ね

日向康文

そこんなんとか!

日向志津香

はぁ〜・・・

日向志津香

だらしないわね・・・

大雨の中、走って 自宅までやってきた凛太郎は

全身ずぶ濡れになっていた

揚羽凛太郎

わぁびしょ濡れだ・・・

揚羽凛太郎

まいったなぁ〜・・・

揚羽凛太郎

これ明日までに
乾くのかなぁ?

揚羽凛太郎

でも日向・・・

揚羽凛太郎

お父さんさんとの関係
悪くなっちゃったり
してないといいけどなぁ

揚羽凛太郎

・・・・・

揚羽凛太郎

明日謝っとくかぁ

日向奏星

ぐすっ・・・

日向奏星

パパなんかサイテー

日向奏星

大っ嫌い・・・

日向奏星

はぁ〜・・・

日向奏星

揚羽くんに
嫌われちゃったかなぁ

日向奏星

ぐずっ・・・

お節介アゲハと弱虫ヒナタ

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あぁぁあぁ、 お父さんの勘違い( ´・ω・`)

ユーザー
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