美味しい。
また食べてしまった。
僕はもう好きな人を作れない。
食べてしまうのが怖い。
もう恋をするのはやめよう。
陸
ふぁ…
陸
今日も学校だ。
男子A
よぅ!陸!
陸
おはよー。
男子A
お前、モテるのに元気ねえな。
男子A
俺にそのモテ度少しくれよ。
陸
あげられたらあげたいよ?
男子A
カッコつけんなよー!
陸
いや、つけてないけど。
玲愛
男子Aいますか?
男子A
ね、姉ちゃん…ゾクッ
玲愛
なんで勝手に行ったのー?ニヤリ
男子A
い、いや…
男子A
こいつが俺を無理やり連れてったの!
陸
え、僕…?
玲愛
あの人?
玲愛
玲愛
ねえ、ほんと?
陸
いや、違う…
玲愛
ふふっ、私と付き合って。
陸
はあ!?
男子A
ねっ、姉ちゃん!
男子A
無茶言うな!
陸
…………別にいいけど。
玲愛
え、ほんと?やった!
男子A
お前、軽!
好きじゃないけど、
別にいいや。
好きじゃなければ、
人は食べないし。
玲愛
わあ!家綺麗だね!
陸
ありがと。
玲愛
おいしそう…
玲愛
食べたいよぉぉおおおおお!
え、
バシッ!
陸
ね、ねえ…
僕こんな感じで食べてたのかな。
玲愛
あっ、ごめん…
陸
大丈夫…
玲愛
私、今…
陸
落ち着いて。僕もそうだから。
玲愛
へ…?
陸
僕、好きな人食べちゃう人だから。
陸
君と一緒。
玲愛
……………
玲愛
好きなの…
陸
え?
玲愛
前から見てたんだけど、陸のこと、好きだった。
陸
そっか。
玲愛
こんな私だけど、付き合って欲しい。
好きになる。
こんな人、初めてだ。
僕………
どっちも同じなんだ。
怖くない。
食べることも無い。
よし。
陸
うん。僕も今の聞いて好きになった。
玲愛
ほん、と?
陸
うん。
陸
お願いします。
玲愛
はいっ!
うっ…
激しい頭痛が走った。
陸
……………
玲愛
どうしたの?
陸
好きだよ…
陸
だから、食べてもいいよね?
玲愛
えっ…
陸
食べたいよぉぉおおおおお!
玲愛
きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
安心してたら、
体が勝手に動いてた。
そうだよね。
男には力づくで勝てないよね。
つい、食べてしまった。
油断してしまった。