大好きだから。

渡辺side

最近、楽屋のこの空間が嫌いだ。

ちらっと 阿部ちゃんの方を見てみると、

お願い🥺みたいな目で見てくる。

うぅ、そんな顔されたら...

ハイタッチを求める佐久間に、

そっと手を合わす阿部ちゃん。

はぁ。

正直、なんでって思ってる。

なんで貸さなきゃいけないの？

てか、ものみたいに 言ってる時点で腹立つし。

まぁ、それは俺もなんだけど。

口笛を吹きながら、 前を歩くふっかの後ろをついて行く。

頭の後ろで、 手を組みながら歩いてんの。

正直ダサい。

屋上の柵に肘をついて呑気なふっか。

俺も隣で、 柵に縋りながら遠くを見つめる。

ふっかは俺を見てるけど、

俺の方は、 どうもふっかを見る気にはなれない。

激甘じゃないけど、

これは完全にあいつが悪い。

だって阿部ちゃんが 自分から誘ったわけじゃないし

いつもだって佐久間から寄ってくし。

10:0で佐久間のせい。

最近、阿部ちゃんは 佐久間といることが多い。

そりゃシンメだし、 分かるよその関係性は。

俺だって何があれば基本舘さんだし。

でもやっぱ距離感ってあんじゃん。

シンメだからって

なんでも 許されるわけじゃないんだよ。

なぁ佐久間。

俺はそんなに嫉妬深い方じゃないし、

阿部ちゃんのことも縛りたくない。

だから普通なら許せてるんだよ。

だけど最近は、

ちょっと回数も内容も グレードアップしてて。

ついにはお泊まりまで。

お泊まりってさ、うん。

なんか、さ。

もう何とも言えないよ、 この気持ちは。