巫子
それで、九尾様は何と?
怒鬼
今夜には儀式が
始められるかと
申しておりました。
始められるかと
申しておりました。
巫子
…そんなことは
聞いとらん。
聞いとらん。
怒鬼
え…。
巫子
儀式を、
止めなかったのか?
止めなかったのか?
怒鬼
ッ…!
申し訳御座いません!
申し訳御座いません!
巫子
謝罪は要らぬ。
わしゃそんな報告を
耳に入れたかったんじゃ
あらぬ。
わしゃそんな報告を
耳に入れたかったんじゃ
あらぬ。
巫子
…このままじゃ、
全て滅ぶじゃろ。
全て滅ぶじゃろ。
怒鬼
…。
巫子
まぁよい。
巫子
人間にこれ以上情は持たん。
怒鬼
お考えください!
巫子様‼︎
怒鬼がそう言うと、
巫子は「にゃあ」と 鳴きながら 猫に変化した。
そのまま障子を 破り、
森に消えたまま、 夜になっても 帰らないと云ふ。
「にゃーお」と 鳴きながら 足に擦り寄って来る。
桃源鬼
何しておる巫子。
猫はニヤリと笑うと 形を変え人間に戻る。
巫子
おや、バレておったか。
桃源鬼
どうした急に。
巫子
今夜、
九尾様がついに
"狐の嫁入り儀式"を
始めるようじゃが、
参加するか?
九尾様がついに
"狐の嫁入り儀式"を
始めるようじゃが、
参加するか?
桃源鬼
…興味あらぬ。
巫子
同感じゃ。
桃源鬼
今日はここで
儀式が終わるまで
休もうじゃないか。
儀式が終わるまで
休もうじゃないか。
巫子
そうするかの。