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夏祭りまで、
あと5日。
由夏は朝からスマホを見ていた。
画面には、
髙浦伊織 『当日、少しだけ二人で話せる?』
瀬那有眞 『夏祭りの日さ、話したいことある』
…………どうしよう。
【イベント予定】 18:00 夏祭り開始 18:30 ??? 19:00 ???
内容不明。
ゲームなら、マップを開けば分かる。
誰がどこにいるか。
どのイベントがどこで起こるのか。
でも現実には、
【MAP】 ??? ??? ???
全部わからない。
瀬那 有眞 セナ ユウマ
廣瀬 由夏 ヒロセ ユカ
声をかけられて飛び上がる。
瀬那くんだった。
瀬那 有眞 セナ ユウマ
廣瀬 由夏 ヒロセ ユカ
瀬那 有眞 セナ ユウマ
瀬那は由夏の隣の席に座った。
近い。
いつも通り。
なのに今日は少し違う。
瀬那 有眞 セナ ユウマ
廣瀬 由夏 ヒロセ ユカ
瀬那 有眞 セナ ユウマ
瀬那くんは黙る。
廣瀬 由夏 ヒロセ ユカ
瀬那 有眞 セナ ユウマ
言いかけて、やめる。
瀬那 有眞 セナ ユウマ
【イベント情報】 重要会話は、夏祭りまで保留にされました。
由夏は思った。
お願いだから、今言って。
心の準備ができない。
昼休み。
橘 紗良 タチバナ サラ
紗良が走ってくる。
橘 紗良 タチバナ サラ
廣瀬 由夏 ヒロセ ユカ
橘 紗良 タチバナ サラ
廣瀬 由夏 ヒロセ ユカ
橘 紗良 タチバナ サラ
紗良は楽しそうだった。
橘 紗良 タチバナ サラ
由夏は固まった。
廣瀬 由夏 ヒロセ ユカ
橘 紗良 タチバナ サラ
廣瀬 由夏 ヒロセ ユカ
橘 紗良 タチバナ サラ
紗良は笑う。
橘 紗良 タチバナ サラ
その言葉に、由夏の心臓が跳ねる。
廣瀬 由夏 ヒロセ ユカ
橘 紗良 タチバナ サラ
紗良は何気なく言った。
でもその言葉は、由夏の中に残った。
放課後。
髙浦からメッセージが届いた。
『今日、少し話せる?』
由夏は画面を見つめる。
今、聞いてしまえばいい。
夏祭りの日のこと。
何を話すのか。
でも怖かった。
だから、
『うん』
とだけ返信した。
校舎裏。
髙浦は先に来ていた。
夕暮れの中、壁にもたれている。
髙浦 伊織 タカウラ イオリ
廣瀬 由夏 ヒロセ ユカ
髙浦 伊織 タカウラ イオリ
廣瀬 由夏 ヒロセ ユカ
二人でベンチに座る。
しばらく沈黙。
髙浦は何度も口を開きかける。
そして、
髙浦 伊織 タカウラ イオリ
廣瀬 由夏 ヒロセ ユカ
髙浦 伊織 タカウラ イオリ
由夏は息を止めた。
髙浦 伊織 タカウラ イオリ
髙浦は苦笑する。
髙浦 伊織 タカウラ イオリ
また。
【イベント保留】
由夏は思わず叫びたくなった。
廣瀬 由夏 ヒロセ ユカ
髙浦 伊織 タカウラ イオリ
廣瀬 由夏 ヒロセ ユカ
髙浦は少し笑った。
髙浦 伊織 タカウラ イオリ
廣瀬 由夏 ヒロセ ユカ
髙浦 伊織 タカウラ イオリ
その言い方があまりにも優しくて、由夏は頷いた。
そして、
夏祭り当日。
由夏は鏡の前に立っていた。
紗良が選んでくれた浴衣。
髪をまとめて、いつもと違う私。
スマホが震える。
瀬那くんから。
『もう着いた』
そして髙浦から。
『待ってる』
由夏はスマホを握りしめた。
胸が高鳴る。
今日、
何かが変わる。
そんな気がした。
夏祭り会場。
人混み。
屋台。
提灯。
浴衣姿の人々。
由夏が歩いていく。
その姿を最初に見つけたのは、瀬那だった。
瀬那 有眞 セナ ユウマ
足が止まる。
紗良笑う。
橘 紗良 タチバナ サラ
瀬那は、由夏から目が離せなかった。
瀬那 有眞 セナ ユウマ
やっと出た言葉。
由夏の顔が赤くなる。
廣瀬 由夏 ヒロセ ユカ
その瞬間。
スマホに、見えないはずの通知が表示された。
【好感度上昇】 瀬那有眞 ■■■■■■■■■□
しかしその直後。
別の通知が届く。
髙浦伊織 『二人で話したい』
そして瀬那くんからも。
『あとで、二人で話したい』
【重要イベントが同時発生しました】 選択してください。 ▶瀬那有眞と話す ▷髙浦伊織と話す
由夏はまた、
どちらも選べなかった。
コメント
1件
読了しました。この「同時発生」の仕掛け、見事ですね。夏祭りまで保留にされた二つの「重要会話」が、ついに同じタイミングで発火する——ゲームUIで表現される心の動きが、由夏の混乱と緊張をそのまま伝えてきます。紗良の「すごく見ると思う」という何気ない一言が、浴衣姿で登場したシーンで効いてくる構成も好きです。選択肢が出た瞬間の「どちらも選べなかった」という結び。ここで終わるか、と膝を打ちました。次話、どう転ぶのか楽しみです。