コメント
4件
星を全部、貼り終わると
いっちゃんは夕食の準備のためにキッチンへ
たっくんは脚立を片付けて戻ってくると
ベッドの上に座って
私を膝の上に乗せてくれた
美結
美結
拓郎
美結
早く光る星が見たくて
ワクワクする気持ちを抑えられなくて
美結
何度も催促したけれど
たっくんはただ優しく
拓郎
私の頭を撫でてくれた
美結
たっくんは本当に優しい
いつも優しくて
大きな手で頭を撫でてくれる
もし父が生きていたら
こんな風にしてくれただろうか?
篤郎
お星様を壁や天井にいっぱい貼って
篤郎
私の頭を優しく撫でてくれて
もし父が生きていたら
母は優しくしてくれたのだろうか?
優香里
私にちゃんと愛情を注いでくれただろうか?
篤郎
優香里
今になって考えてしまうif
亮二
美結
結果的に私は凄く幸せだけれど
私が感じているこの幸せの中に
父と母はいない
天国に行ってしまった父と
私を捨ててどこかに消えた母
なぜこんなことを考えてしまうのか
なぜ幸せの中に
ほんの少し不安な気持ちが入り交じるのだろうか
亮二
美結
美結
どれくらい時間が経ったのか
しばらくするとたっくんは立ち上がり
拓郎
美結
ドアの横のスイッチを押した
美結
暗い部屋の中で星達が一斉に光り出して
美結
一気にテンションが上がる
拓郎
郁美
郁美
私の声に驚いたいっちゃんが来て
郁美
美結
美結
郁美
美結
私にとってこの星達は
最高のクリスマスプレゼント
美結
拓郎
美結
たっくんのほっぺにチュってすると
拓郎
涙もろいたっくんはまた
ポロポロと泣き出してしまった
悲しくなくても寂しくなくても
人は泣いてしまうことがある
たっくんの涙はちょっとしょっぱくて
でもとても優しい涙だった