貴方が、褒めてくれた
私の心を
彩るのは
──夜に映える、花。
少女漫画みたいな
薔薇のような出逢いじゃないけれど
一目見て、打ち付けられた。
真っ当な、物語をなぞる
鉛筆は、もう折れてしまったよ。
ぐしゃぐしゃのキャンパスに
貴方という、色が現れたの。
蒸し暑い
活動場所で
ボールをつく音だけが木霊して
特別になれない私は観ている
黒縁に映る貴方の笑顔を
ただ
見つめている。
色もない。
何も無い。
何も見えない。
何も聞こえない。
口を出せば
全てが敵になる。
見守ってれば
罪が移りゆく。
だから、閉ざしたの。
キャンパスの余白を埋め
何も感じないように────
「だから」
「嬉しかったんです」
「一緒に来てくれて」
あの日開いた花のように
忘れられるように
枯れてしまえ、と
何度願ったか知らないけれど
これは私にとっての
First love.
皮肉なことに
花は輝いている
貴方の横顔を照らして
「また来ようね」
って、言葉なんか吐かずに笑う。
終わりにしよう。
この花火のように
光って消えよう。
ただ
2人の影が
ゆらゆら
なびいて。
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