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祖母の家には使われていない和室がある 廊下の突き当たり、古い木の香りが残る その部屋の奥にある、一際大きな襖。
「―――...そこは開けちゃだめよ」
小さい頃から、祖母はそう言っていた。 理由を聞くと決まって笑ってごまかす。
「夜に開けると数が合わなくなるから」
私に意味はわからなかった
高校ニ年の夏頃、久しぶりに祖母の家に 母、父、私の三人で泊まりに行った
午前二時。
ーーガサツ。
襖の向こうだ、何かが擦れる音がした。
私
布団の中で耳を澄ます。 もう一度、今度ははっきりと。
ーカリ、カリカリ...カリーー。
ガリ、ガリ。
まるで爪で木を引っかくような音。
祖母の言葉が頭をよぎる。
「夜に開けると数が合わなくなる」
でも、好奇心が勝ってしまった。
私はそっと立ち上がり、 音のする襖に手をかける。
私
ほんの数センチ。
中は暗く、畳の匂いがするだけ。 人の気配はない。
私
安心して振り返った
目の前で家族が並んで正座していた。
祖母、父、母、叔母、叔父。 全員が無言でこちらをみている。
私
人数を数える。
、二、三、四、五.....
一一六人。
この家に泊まっているのは数えている 私を除いて五人のはずだった。
ーーもう一度数える
ーーもう一度数える
ーーもう一度数える
ーーもう一度数える
ーーもう一度数える
知らない顔はいない。 祖母、父、母、叔母、叔父の五人だ。 しかし、数えると六人いる
喉がひくりと唸る
その瞬間、祖母が口を開く
祖母
「合わなくなったでしょ?」
その瞬間 背後で、襖が——
静かに閉まった。
ねみーみ
ねみーみ
ねみーみ
ねみーみ
ねみーみ
ねみーみ
ねみーみ
ねみーみ
ねみーみ
ねみーみ
ねみーみ