去華就実の風

ぼんやりと、目を覚ます

瞬間、見慣れない景色に飛び起きた

ようやく頭が働き出して

周りを見渡してみる

一応、仲間が死んだ場所なんだし…

そこまで話して、城を眺める風魔

そう言って、2人で城の方に歩き出す

城に近づくにつれて、その大きさが分かってきた

……これを、全てサラナ1人で？

そう思うと、壮大なものだなと改めて感じる

……彼女は

何を思って、これを作ったのだろう？

"彼女は何者なのだろう？"

そんな疑問が、一瞬だけ頭を通った気がした

それもダメだよ

そう、誰かに言われた気がした

中に入った途端、一瞬浮遊感に襲われ

思わず目を瞑ってしまった

次に目を開けるとそこは……

辺り一面に、人がいた形跡だけある場所にたどり着いた

下には白い紋章？みたいなものが描かれており

その中心部に、遺体と思わしきものがある

布がかけられていて、誰かまでは分からない

心底嫌そうな顔をして、ボソッとそんなことを言う風魔

なにが、と聞こうと風魔の方を向いたら

風魔は、ただ黙って頭を下げていた

……誰かを追悼してる？

でも、中心の人から少しズレてる

とにかく、やらないといけないな

そんなどこから湧いたのか分からない思考に染め上げられ

ボクも風魔と同じように頭を下げた

ここが、2代目様や神の使い様が亡くなった場所……？

……こんな、何も無い場所が？

というか、人がいた形跡があるのは

神の使い様のもの……？

じゃあ、真ん中の人は誰……？

覚悟の決まった目で、そう言ってくれる風魔

こういう時の風魔は、やってくれる

きっと、どんなことにも答えてくれる

そう言われ、後ろを見ると本当にドアがあった

……灯台もと暗し

こいつ、ボクが何を質問したいのか知っていて言ってるな？

確かに、まだ聞きたいことはある

だけど、それは風魔個人に関してだ

今、この場には関係ない

だけど……

風魔がそこまで話の話題を振ってくれるなら

せっかくだし、聞いてみようかな

そう言うと、満足のいく質問だったのか

泣きそうな、儚い顔でこっちを見た