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その日の夕方

日下部彰

はぁ?知り合いの
家に泊まる?

日下部彰

いや、ここに
泊まんなっせ!

日下部千里

そうですよ!

日下部千里

ぜひ泊まって
いって下さいよ!

日下部冴子

よかて!そんな
気ば遣わんで!

日下部冴子

アンタも元気に
なったみたいだけん

日下部冴子

私は用済みたい!

日下部千里

用済みなんて・・そんな

日下部彰

せっかくだけん
泊まっていきなっせ

日下部冴子

よか!よか!

日下部冴子

もう知り合いにも
連絡しとるけん

日下部冴子

急に断ったら
迷惑さすたい!

日下部彰

はぁ、それはそうばってん

日下部冴子

今日くらいは
夫婦水入らずで
ゆっくりしなっせ

日下部冴子

私んこつは
心配せんでよか!

日下部冴子

まだ2人に世話になる
歳じゃなかけん!

日下部千里

いや、そんな・・・

日下部冴子

まぁ、こんど
遊びに来なっせ!

日下部彰

うん、わかった・・・

日下部冴子

お父さんの墓参りも
だいぶ行っとらんど?

日下部彰

そうね・・・

日下部冴子

もちろん千里さんも
いつでも大歓迎だけん

日下部千里

はい(笑)

日下部冴子

じゃあ行くけん

日下部彰

ああ、気をつけてね

日下部冴子

もう千里さんに迷惑
かけなさんなよ?

日下部彰

分かっとるよ

日下部冴子

ホント
分かっとっとかい!

冴子は彰の頭を平手打ちする

日下部彰

分かっとるて

日下部彰

もう大丈夫だけん

日下部冴子

千里さんも!

日下部冴子

また彰がメソメソ
しよったら

日下部冴子

容赦せんでよかけん
ビシバシね!

日下部千里

はい(笑)

日下部冴子

じゃあね!

日下部彰

うん・・・

日下部千里

お気をつけて

日下部彰

千里・・・

日下部彰

ありがとうな・・・

日下部千里

もう!それ何回目?

日下部彰

いや、だってさ・・・

日下部彰

千里が居なかったら
俺は今頃・・・

日下部千里

夫を支えるのが
妻の勤めですから

日下部彰

千里ー!

彰は千里に抱きつく

日下部千里

もう!わかったから

日下部彰

俺これからも頑張るからさ

日下部彰

今まで以上に
身を粉にして頑張るよ

日下部千里

彰・・・

日下部彰

それに不妊治療だって──

日下部千里

それはもういいの・・

日下部彰

え?なんでだよ

日下部千里

元はと言えば私が
不妊なのが──

日下部彰

それは違う!

日下部千里

彰・・・

日下部彰

てか、なんか
今度は逆だな・・・

日下部千里

逆?

日下部彰

河上くんの死が
自分のせいって
責める俺と

日下部彰

今回の件に
巻き込まれたのが

日下部彰

自分の不妊が
原因って責める千里

日下部彰

みんな自分を責めてて
謝ってばっかりだ

日下部千里

彰・・・

日下部彰

やっぱ良くないよ
自分を責めるのは・・

日下部彰

誰も笑顔にならない

日下部千里

自分を責めて
家庭そっちのけで

日下部千里

飲み歩いてた人の
セリフとは思えないわね

日下部彰

うぐっ・・・

日下部彰

それ言われると
反論できない(泣)

日下部千里

ふふふ、冗談だよ

日下部彰

でもそれを俺に
気づかせてくれたのは

日下部彰

他の誰でもない!
千里だよ!

日下部千里

彰・・・

日下部彰

だからさ!

日下部彰

頑張っていこうよ!

日下部彰

会社だって支援
してくれるって言うし

日下部千里

・・・・・

日下部千里

うん・・・

日下部彰

あ!そうだ!たまには
デート行こうよ!

日下部千里

デート?

日下部彰

そう!デート!

日下部彰

最近行けてないだろ?

日下部千里

た、確かに・・・

日下部彰

遊園地でも行こうよ!

日下部彰

そうだ!明日行こう!

日下部彰

そう!明日!

日下部千里

きゅ、急だね・・・

日下部彰

あ!なんか予定あった?

日下部千里

いや、特にないけど・・

日下部彰

なら決まりな!

日下部彰

明日は遊園地デート!

日下部千里

ふふふ

日下部彰

よし!なら今日は
明日に備えて
早めに寝ようか

日下部千里

ふふふ、そうね

日下部彰

じゃあ電気消すよ?

日下部千里

うん♫

日下部彰

おやすみ

日下部千里

おやすみ

翌日

彰と千里は久しぶりの 遊園地デートの為朝早く家を出て 駅に向かっていた

日下部彰

なんかこうやって
手を繋いで遊園地って

日下部彰

付き合いたてを
思い出すよな

日下部千里

ふふふ、確かにね

日下部彰

今日は
とことん楽しむからな

日下部彰

覚悟しろよ?千里!

日下部千里

はいはい

日下部彰

何だよ!その
軽く受け流す感じ!

日下部千里

どうせ疲れたから
休憩って言う
未来が見えるから

日下部彰

おぉ!?言ったな?

日下部彰

意地でも動き回ってやる

日下部千里

ふふふ

そんな彰と千里を 背後から尾行する1人の中年女性

中年女性

許さない・・・

中年女性

何であんなに
楽しそうなのよ・・・

中年女性

アンタだって
同じでしょ・・・

中年女性

”あの子”と同じでしょ?

中年女性

なのに・・なのに・・・

中年女性

絶対に許さないから!

遊園地

彰は久しぶりの遊園地デートを 子供の様に楽しんでいた

日下部彰

次はあれだ!観覧車!

日下部千里

はいはい!

日下部千里

そんな慌てなくても
逃げないから!

日下部彰

ほら!今なら空いてる!

日下部彰

ほら!急いで!

彰は千里の手を引っ張り 観覧車まで走る

日下部千里

わかったから!

日下部彰

お!クレープ
あるじゃん!

日下部彰

これ食べよ!

日下部千里

はいはい(笑)

日下部彰

あれ?千里のだけ
ポテト多くない?

日下部千里

気のせいでしょ?

日下部彰

いや!明らかに多い!

日下部千里

男がいちいちそんな事
気にしないの!

日下部彰

はい・・すいません

日下部千里

ふふふ

日下部彰

ふぅ・・・

日下部彰

ちょっと休憩しようか

日下部千里

ほら!私が
言った通りじゃん

日下部彰

え?

日下部千里

どうせ疲れたから
休憩って言う
未来が見えるって

日下部彰

あ・・・

日下部千里

まぁ、私も疲れたから

日下部千里

なんか喉乾いて
きちゃったなぁ

日下部彰

なら俺が買ってくるよ

日下部千里

そう?ありがと

日下部千里

私は──

日下部彰

メロンソーダだろ?

日下部千里

お!分かってるね!

日下部彰

当たり前だろ?

日下部千里

じゃあお願い

日下部彰

おう!任せとけ!

日下部彰

あ!そうい言えば

日下部彰

前にも同じ様な
シチュエーション
あったなぁ・・

日下部彰

あれは確か・・・

数年前

それはまだ彰と千里が 付き合い始めて間もない頃

その頃はまだ互いに よそよそしく 敬語で会話していた

そんな時、千里が慣れないハイヒールを 履いてきたせいで靴擦れを起こしていた

椎名千里

すいません日下部さん

椎名千里

私がハイヒールなんて
履いてくるから

日下部彰

いいんですよ!
気にしないでください

日下部彰

とりあえずそこで
休憩しましょうか?

椎名千里

は、はい・・・

彰は千里をベンチに座らせる

日下部彰

ちょっと足見てみますね

椎名千里

すいません・・・

彰は千里のハイヒールを脱がせ 足を確認する

日下部彰

こりゃ帰り大変そうだな

日下部彰

結構擦れてる・・・

椎名千里

でもこれくらい──

日下部彰

俺、なんか履きやすい
靴買ってきますよ

椎名千里

いや、何もそこまで──

日下部彰

いえ!いえ!
気にしないで!

日下部彰

俺、行ってきますよ

椎名千里

あ、日下部さ──

彰は千里の言葉を聞かずに 走り去ってしまう

椎名千里

あ、行っちゃった

椎名千里

新しい靴なんて・・・

椎名千里

そこまでしなくても
よかったのに・・・

千里がベンチに座って待っていると

日下部彰

椎名さん・・・

彰が何やら 申し訳なさそうな 表情で戻ってきた

椎名千里

日下部さん?

日下部彰

すいません!!

椎名千里

え?何で
謝ってるんですか?

日下部彰

いや、それが──

日下部彰

本当は靴を買おうって
思ってたんですけど

日下部彰

なんか売ってなくて

日下部彰

サンダルしか
無かったんですよ

彰は申し訳なさそうに サンダルを千里に差し出す

椎名千里

(日下部さん・・・)

日下部彰

すいません・・・

日下部彰

せっかくお洒落
してくれてるのに

日下部彰

サンダルなんて
不釣り合いですよね

日下部彰

すいません・・・

椎名千里

ぷっ

千里はたまらず吹き出してしまう

日下部彰

え?

椎名千里

あ、ごめんなさい

椎名千里

バカにした
訳じゃなくて・・

椎名千里

ただ・・・

日下部彰

ただ?

椎名千里

可愛いなぁって・・

日下部彰

可愛い?

日下部彰

サンダルが?

日下部彰

まぁ、ピンクだし──

椎名千里

可愛いのは
日下部さんです!

日下部彰

あ・・・

彰は頬を赤く染めて、同時に 千里も自分の発言を思い返して 同じく頬を赤く染める

日下部彰

あはは、そっちか

日下部彰

あははは

日下部彰

すいません

日下部彰

勘違いしてました!
あははは!

椎名千里

ふふふ

日下部彰

あ!あと!

日下部彰

喉乾いてるかなぁ
と思って

日下部彰

ドリンクも
買ってきたんですよ

椎名千里

え?ドリンクまで?

椎名千里

すいません・・・

椎名千里

わざわざ・・・

日下部彰

いえ!いえ!

椎名千里

何を買ってきて
くれたんですか?

日下部彰

ちょっと
待ってくださいね

そういうと彰は 袋からドリンクを取り出す

椎名千里

(なんか袋
おっきくない?)

彰が持つ袋はドリンクが 2人分しか入っていない割には 大きめの袋だった

日下部彰

まずこれがコーラで──

日下部彰

グレープと、オレンジ

日下部彰

それからメロンソーダと

椎名千里

え!?ちょっと
待ってください!

日下部彰

はい?どうかしました?

椎名千里

いや、いくつ
買ってきたんですか?

日下部彰

一応メニューにあった
ドリンクを全種類

椎名千里

ぜ、全種類!?

椎名千里

そ、そんなに
飲めませんよ!

日下部彰

いや、買う直前で
何が好きか聞くとを
忘れてることに気づいて

日下部彰

とりあえず全種類を──

椎名千里

いや、だからって
全種類買ってこなくても

椎名千里

結構高かった
んじゃないですか?

日下部彰

いやぁ、出来たら
好きなヤツを
飲んで欲しいんで

椎名千里

日下部さんって
ホント可愛いですね

日下部彰

え?そ、そうですか?

椎名千里

はい(笑)可愛いです

日下部彰

あはは・・・

椎名千里

なら私は
メロンソーダもらいます

椎名千里

昔から大好きなんです

日下部彰

メロンソーダね!

日下部彰

よし!覚えた!

椎名千里

ふふふ

日下部彰

・・・・・

日下部彰

思い出したらなんか
恥ずかしくなってきた

日下部彰

さっさと買って
千里のトコ戻るか

日下部彰

千里!お待たせ!

日下部千里

あ、彰!ありがと!

日下部彰

買ってきたよ!

日下部彰

メロン──

日下部千里

ん?彰?

日下部千里

どうかした?

日下部彰

う・・・

バジャーン

彰は突然苦痛に歪んだ表情で その場に倒れてしまう

日下部千里

もう!何やってんのよ!

日下部彰

う・・・

日下部千里

もう!大丈──

千里が彰に駆け寄り 手を差し伸べた時

千里の手には真っ赤な血が こびり付いてしまった

日下部千里

え・・・・

日下部千里

なによ・・これ

確認すると 彰の背中側の脇腹から 大量の血が溢れ出ていた

日下部彰

・・・・・

日下部千里

彰?ねぇ?彰?

日下部彰

・・・・・

日下部千里

返事してよ!彰!

日下部千里

ねぇ!彰ったら!ねぇ!

日下部彰

・・・・・

日下部千里

いや・・・

日下部千里

嫌だよ・・彰・・・

日下部千里

いやぁぁぁぁぁぁ

中年女性

・・・・・

彰の背後には、ひとりの 中年女性が立っていた

その中年女性の目は 完全に焦点が合っておらず ラリっているという表現が適していた

さらにその手には血の付いた 包丁が握られていた

中年女性

やってやったわよ

中年女性

あははははは

中年女性

ついに・・・

中年女性

ついにやったのよ!

中年女性

報いを与えてやったわ

中年女性

あははははは

日下部千里

あなたが・・・

日下部千里

やったの・・・?

中年女性

・・・・・

日下部千里

黙ってないで何とか
言ったらどうなのよ!?

日下部千里

アンタがやったのか?
って聞いてんの!!

中年女性

そいつが
悪いのよ・・・

中年女性

全部、ぜーんぶ
そいつが悪いのよ!

日下部千里

は?

中年女性

”あの子”は
死んでしまったのに

中年女性

なんでアンタらだけ・・・

中年女性

こんな理不尽
絶対間違ってるわ!

日下部千里

何訳の分からない事
言ってんの?

日下部千里

私の質問に
答えなさいよ!!!

中年女性

うるさい!うるさい!

中年女性

黙れ!黙れ!黙れ!

日下部千里

何よ・・コイツ

中年女性

アンタも同罪よ・・・

中年女性

アンタも同じ様に・・・

中年女性は包丁を振り上げ 千里に襲いかかる

日下部千里

!!!!!!

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