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咲
体を突かれる。
咲
突かれる──。 ぶすり、ぶすりと、音がしていた。
血濡れの包丁が──
私の体を何度も出入りしていた。
倫道咲(りんどうさき)は20回目の誕生日を迎え、こうつぶやいた。
『あの頃に戻りたい──』
(朝・自室──)
咲
咲
咲
咲
咲
テレビ
咲
咲
咲
テレビ
テレビ
咲
咲
咲
咲
(夕方・居酒屋──)
友人たちと居酒屋にきていた。
友人A
友人A
友人A
友人A
友人A
咲
友人B
友人B
咲
咲
友人A
咲
友人B
咲
咲
友人B
咲
友人A
咲
友人A
咲
友人B
咲
友人A
咲
咲
友人A
友人A
友人A
友人A
咲
友人A
咲
友人A
咲
咲
咲
友人B
咲
咲
咲
咲
友人A
咲
友人A
咲
友人B
咲
咲
友人B
友人B
友人B
友人B
友人A
咲
──これが人生最初で最後のお酒になるとは思わなかった。
(夜・自室──)
咲
咲
咲
咲
咲
私はテレビを点けた。
テレビ
咲
咲
咲
咲
咲
咲
テレビ
テレビ
咲
咲
咲
咲
咲
テレビ
咲
咲
咲
咲
咲
咲
ピンポーン
チャイムが鳴った。
咲
咲
咲
ガチャ
???
すると、そこには男が立っていた。
黒いパーカーに、黒いスウェット。 フードを被っている。
咲
咲
咲
???
咲
男は奇妙な仮面をつけていた。
すると、わずかに開いたドアの隙間に足を捻じ込んでくる。
そして大振りのワイヤーカッターを取り出した。
咲
仮面の男がドアチェーンを呆気なく切断した。
咲
咲
咲
仮面の男
咲
男が無言のまま部屋に押し入る。
咲
男は無言のまま懐から何かを取り出した。
──出刃包丁。
咲
咲
仮面の男
咲
男の包丁が、深々と咲の腹に刺さった。
咲
男は繰り返し何度も咲を刺す。
咲
倒れ込んだわたしに覆いかぶさってくる。
そして刺す。 何度も刺す。
咲
刺す。刺す。
刺す。 刺す。
咲
──刺す。
咲
仮面の男
男が立ち上がる頃には、 私はもう声もでなくなっていた。 かすれる視界は、真っ赤に染まっていた。
倫道咲の20回目の誕生日。 わたしは惨殺された。
──。
──。
(朝・自室──)
咲
咲
テレビ
咲
咲
テレビ
テレビ
咲
咲
夢じゃないと思い知る。
『誕生日の夜』に惨殺されたわたしは──。
『誕生日の朝』に再び目を覚ましたことを。
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おもろー