拓郎
郁美
拓郎
郁美
たっくんは私のために有給を取ってくれた
私が寂しくないように
常にどちらかがそばにいてくれて
私の頭を撫でてくれた
優香里
母の言葉を思い出しては涙し
テレビが僅かでも視界に入ると
沸き上がる不安から再び全身が震える
母の顔は完全に思い出せなくなっていたが
優香里
まるで悪魔の呪文のように
頭の中でぐるぐると旋回していた
私の視界からテレビを遠ざけるため
たっくんは私を抱き抱えて寝室へ
途中でいっちゃんのお母さんから連絡があり
いっちゃんは居間へと向かう
昨日みんなで貼りつけたお星様が
壁や天井に広がっていて
それを見ていると少しずつ気分が落ち着いてきた
美結
拓郎
美結
拓郎
美結
拓郎
私はそのまま眠ってしまい
目が覚めたのはお昼を過ぎた頃だった
私が眠っている間に
いっちゃんが寝室に戻ってきて
電話のことを話始める
拓郎
郁美
拓郎
拓郎
郁美
拓郎
郁美
拓郎
拓郎
郁美
拓郎
郁美
いっちゃんの言葉にたっくんも納得して
更に二人で話し合って
たっくんの実家にも行かないことになった
祖母は少し寂しそうにしていたけれど
拓郎
たっくんの言葉に納得してくれたみたいだった
目が覚めると二人の姿が見えて
ずっと私の頭を優しく撫でてくれていた
拓郎
郁美
まるでその言葉に答えるように
私のお腹からぎゅるると音が鳴る
でも居間に行くのがなんだか怖くて
必死に首を横に振ると
郁美
郁美
拓郎
拓郎
美結
何とか起き上がり
たっくんに抱き抱えてもらい居間に向かうと
恐怖を感じたテレビには
見えないようにシーツが被せてあった
郁美
美結
拓郎
生まれて初めてのスパゲッティーは
ケチャップの甘い味がして
美結
それだけで幸せな気持ちになった
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