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赤く染まった自動車が視界の端に写る
相変わらず、俺はただ交差点のど真ん中に寝そべっていた
痛みとは不思議なもので、もう慣れてしまったのか抗体ができてしまったのか分からないが
もう何も感じなかった
そもそもこんな同じ日をただ繰り返す世界に、慣れるも抗体ができるもあるのだろうか
そんなことを、朦朧とする意識の中、俺は想っていた
カゲロウデイズ
途端、声が響いた
大きく広がる空の縫い目を縫ったように、空は大きく裂けた
宛ら俺は、真っ黒い口のようだと思った
...初めてだ、こんなことは
この日を、8月15日を俺は何度も繰り返してきたが、こんなことは初めてだ
春人
カゲロウデイズ
春人
俺は今にも消え入りそんな声でそう呟く
カゲロウデイズ
カゲロウデイズ
春人
カゲロウデイズ
カゲロウデイズ
カゲロウデイズ
カゲロウデイズ
カゲロウデイズ
カゲロウデイズ
カゲロウデイズ
カゲロウデイズ
カゲロウデイズ
カゲロウデイズ
カゲロウデイズ
カゲロウデイズ
春人
春人
途絶え途絶えの意識のまま、俺は口を動かした
全く、もう死ぬという人間に対してなんて小難しいことを言うんだ
まぁ、でも別にいいか
何故だか分からないが、この世界の言うことはスルスルと頭の中に染み込んでいくようだ
世界は、空の裂け目をもっと深くすると、大きく口を開けた
身体が吸い込まれていく
なんでかな
最後に、俺の大好きなあの子の顔が見えた気がした
ふと、気がつくと、そこはベッドの上だった
俺は深い眠りにでも浸ってたかのように頭がぼーっとしていた
俺は、なんて大層な仕事を任されてしまったんだ
春人
春人
もう、太陽は丁度空の一番上で輝いていた
俺は、生き返った
裕香の死んだ今日。この世界を変えるために
春人
何故だか分からないが、俺は彼の名前も学年もクラスも分かっていた
迷いなく俺は学校へ向かい、生き返ったはずの明人さんのところへ向かう
彼のクラスに着き、彼を呼んだ
人気のないところへ俺が連れて行き、今までの全てを語った
春人
春人
春人
春人
春人
春人
春人
春人
春人
春人
春人
明人
春人
春人
春人
春人
春人
春人
春人
春人
春人
明人
明人
明人
彼は、笑っていた
絶対に負けたりしないと言う、意志を感じた
春人
春人
全て、頭の中に入っていた
多分、『カゲロウデイズ』が俺の頭の中に勝手に入れたんだろうな
無理矢理入れられ多分、俺はその力を存分に使うとするか
長い長い夏の日は、ここから始まるのだ
つづく