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10の物語❷-春人-

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10の物語❷-春人-

1 - 10の物語❷-春人-

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2018年04月02日

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赤く染まった自動車が視界の端に写る

相変わらず、俺はただ交差点のど真ん中に寝そべっていた

痛みとは不思議なもので、もう慣れてしまったのか抗体ができてしまったのか分からないが

もう何も感じなかった

そもそもこんな同じ日をただ繰り返す世界に、慣れるも抗体ができるもあるのだろうか

そんなことを、朦朧とする意識の中、俺は想っていた

カゲロウデイズ

少年よ

途端、声が響いた

大きく広がる空の縫い目を縫ったように、空は大きく裂けた

宛ら俺は、真っ黒い口のようだと思った

...初めてだ、こんなことは

この日を、8月15日を俺は何度も繰り返してきたが、こんなことは初めてだ

春人

...

カゲロウデイズ

この永遠と繰り返す悲劇を終わらせるんだ

春人

...無理だよ...

俺は今にも消え入りそんな声でそう呟く

カゲロウデイズ

そんなことはどうでもいいんだ

カゲロウデイズ

終わらせるんだ、何があっても

春人

...

カゲロウデイズ

この世界、『カゲロウデイズ』を

カゲロウデイズ

いいか、よく聞くんだぞ

カゲロウデイズ

お前ともう一人、白根明人をこの世界から出してやる

カゲロウデイズ

それ以外の5人を、お前たちの力で助けたすんだ

カゲロウデイズ

お前の生きるべき世界には、お前と白根明人の他にもう3人いる

カゲロウデイズ

その5人でこの世界の扉を開けろ

カゲロウデイズ

お前が生き返る日、8月15日に

カゲロウデイズ

5人を集め、扉を開くんだ

カゲロウデイズ

8月15日に同時に死んだ2人を、この世界は取り込む

カゲロウデイズ

どういう意味か、分かるな?

カゲロウデイズ

覚悟を決めろ

カゲロウデイズ

そして必ず、10人の少年少女を、お前たちの生きるべき世界へ連れ戻すんだ

春人

...

春人

...やっ...て、みる、よ...

途絶え途絶えの意識のまま、俺は口を動かした

全く、もう死ぬという人間に対してなんて小難しいことを言うんだ

まぁ、でも別にいいか

何故だか分からないが、この世界の言うことはスルスルと頭の中に染み込んでいくようだ

世界は、空の裂け目をもっと深くすると、大きく口を開けた

身体が吸い込まれていく

なんでかな

最後に、俺の大好きなあの子の顔が見えた気がした

ふと、気がつくと、そこはベッドの上だった

俺は深い眠りにでも浸ってたかのように頭がぼーっとしていた

俺は、なんて大層な仕事を任されてしまったんだ

春人

...ま

春人

必ずやり遂げるけどね

もう、太陽は丁度空の一番上で輝いていた

俺は、生き返った

裕香の死んだ今日。この世界を変えるために

春人

白根明人...白根明人...

何故だか分からないが、俺は彼の名前も学年もクラスも分かっていた

迷いなく俺は学校へ向かい、生き返ったはずの明人さんのところへ向かう

彼のクラスに着き、彼を呼んだ

人気のないところへ俺が連れて行き、今までの全てを語った

春人

繰り返す世界。『カゲロウデイズ』は、8月15日に同時に死んだ2人を取り込むんです

春人

そして俺たちは世界の中に閉じ込められてしまった

春人

けれど、明人さんと僕だけはこの現実世界へ戻ってきてしまったんです

春人

これは、繰り返す世界の思惑通りに進みました

春人

その思惑とは、俺と明人さんが囚われてしまった残り5人の少年少女を助け出すことなんです

春人

今日この、8月15日しか、日はないんです

春人

今日この日を逃せば、また一年経つまで待たなくてはいけなくなる

春人

今日中に集めるんです

春人

この現実世界で生きる、俺たち2人以外の3人を

春人

それぞれ、大切な人が今もなお悲劇を繰り返し続けている

春人

そんな世界を変えるんだ

明人

か、変えるって...どうやって...

春人

死ぬんです

春人

俺たち5人の子供たちは

春人

『カゲロウデイズ』は、今日この、8月15日に同時に死んだ2人の子供たちを取り込むんですよ?

春人

死ぬしかないんです、俺たちは

春人

そうすれば、『カゲロウデイズ』は口を開けます

春人

繰り返す世界の胎内にいる裕香や楚日さんたちを助けるんです

春人

そして、胎内にいる主人に話をつけます

春人

この世界から出してくれ。と

春人

バットエンドなんかで俺たちの物語は終わらせない

明人

...分かった

明人

2人で死ねば、世界は口を開けるんだろ?

明人

無理矢理でも他の3人は入るしかねーのな

彼は、笑っていた

絶対に負けたりしないと言う、意志を感じた

春人

行きますよ

春人

他の3人を集めに

全て、頭の中に入っていた

多分、『カゲロウデイズ』が俺の頭の中に勝手に入れたんだろうな

無理矢理入れられ多分、俺はその力を存分に使うとするか

長い長い夏の日は、ここから始まるのだ

つづく

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