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『 short story 』

4 - Please give me it

♥

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2020年07月30日

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夏は嫌いだ

蒸し暑いし

狂ったように鳴く虫の声は響く

それでいて騒音でしかない虫の声にも負けぬように大声で遊び呆ける騒がしい学生達が増える

そんな季節

友人にはそんな悲しいこと言うなって言われるし

海もプールも誘われたけど

俺は断った

だって、俺は夏と、水が嫌いだから

なんで水が嫌いかって、?

最愛の恋人の匂いや、実態を俺に探させるから

ある年の夏。俺は恋人と海に来た

どうしても行きたいと駄々を捏ねる君は可愛いくて、どうしても愛しかった

號錫¦ナムジュナ!水気持ちいよ!

南俊¦あんまり深いところまで行くなよ~

號錫¦ナムジュナもおいでよ~

南俊¦俺あんまし濡れたくないよㅎㅎ

號錫¦え~、、いいじゃんか!

南俊¦わッ、!

バシャン、

號錫¦へへ、引っかかった~

南俊¦全くお前ってやつは…

號錫¦ほら!そんなこと言ってないで泳ごうよ!楽しいよ!

南俊¦ㅎㅎ…そうだな、

その辺の大学生のように、大人なはずの僕達も、時間を忘れて遊び呆けていた

ホバの背中を追いかけて、嫌ってほど泳いで、水平線に沈む太陽を見つめた

號錫¦ナムジュナ、、綺麗だね…

南俊¦お前の方が綺麗だよ、ㅎㅎ

號錫¦も、もう…///からかわないで///

照れてるのも愛しくてたまらない

南俊¦何、照れてんの?ㅎㅎ

號錫¦う、うるさいなぁ…///別にいいでしょ、?

南俊¦……何その顔、反則…///

號錫¦ほら、ナムジュナだって、照れてるじゃんかㅋㅋㅋㅋ

南俊¦わ、悪かったからからかうなよ…///

號錫¦ひひㅋㅋㅋㅋもう!ナムジュナは可愛いんだから!

南俊¦お前には負けるよ、ㅎㅎ

號錫¦ㅋㅋ、そう言ってくれるところも好きだよ、ニコッ…

こんなたわいもない会話ですら幸せで、この時間が一緒続けばよかったって…

夢なら早く覚めて欲しいって、何回思ったんだろうか…

幸せって急に崩れるものだからという人もいるようにその時は突然だった…

號錫¦?!、無い!無い!…

急に鞄をあさったり服のポケットを手当たり次第に探すホバ

南俊¦??ホバ?何してるんだ、?

號錫¦ナムジュナに貰った指輪無い!

南俊¦な、なんだそんなことか…急に探し出すからびっくりしたよ…

號錫¦そんなことって何!僕にとっては大事なッ、大事な指輪なのにッ…グスッ…

南俊¦え、ちょ、ホバ…

號錫¦ナムジュナのわからず屋!もう知らない!僕海探してくるもん!

南俊¦!?、ホバ待てよ!!

俺がそういった時にはもう遅くて、ホバは走り出していた

南俊¦くそっ…

ホバは足が速いから俺は追いつけないけど、何とか後を追うことは出来た

南俊¦おい!ホソク!!やめろって!指輪ぐらいまた買ってやるから!

號錫¦やだッ、!僕はあれじゃなきゃやなんだ!!

南俊¦何言ってんだよ!そんなこと言って場合じゃないだろ!早く引き上げないと飲み込まれるぞ!

朝から夕方にかけて穏やかだった海は、そんな面影すら感じさせないほどに荒れていた

南俊¦ホバ!!

俺が彼の名前を呼んだその瞬間

號錫¦わッ、!

ホバの足元を波がさらった

南俊¦ホバ!!

俺は必死に手を伸ばしたけど、届かなかった

號錫¦ナムッ、ジュナァ…!

南俊¦ッ…

俺は荒れた海に飛び込んだ

南俊¦(ホバ、ホバ…)

パシッ…

號錫¦ゲホッ、ゲホッ…

南俊¦ハァ、ゲホッ…やっと、掴んだ…

號錫¦何してんのッ…

南俊¦お前を失いたくない、、死ぬなら、一緒に…

號錫¦ッ……ㅋㅋ、こういう時までかっこいいとか、ほんと罪な男…

でも、何でかな、君と一緒なら、俺。。死ぬのも怖くないや…

號錫¦愛してるよ、ナムジュナ…

南俊¦俺も愛してるよ…ホバ…

俺達は波に流される中で、強く抱き締めあい、荒れる海とは似合わない、温かく優しいキスをした

また目覚めてしまった

明日が来なかったら

今日死ねたら

そんなこと何回考えたかな…

「あ、今日か…」

俺はスーツに身を包む

外は猛暑だ

スーツは暑くて仕方ないはず

でも、そんなことは関係ないんだ

とりあえず

携帯 クレジットカード 指輪

それだけ持ち家を出て花屋へ向かう

「えっと…黄色い水仙下さい」

花屋¦黄色い水仙ですね

花屋のお姉さんが綺麗な水仙を選んで包んでくれる

花屋¦恋人さんへの贈り物、とかですか?

「…どうしてそう思うんですか、?」

花屋¦えっと…お兄さんかっこいいし、こんな暑い日にそんなスーツで身を固めるなら結構大事なことがあって、それにお花が必要なのかなーって、ㅋㅋすみません、踏み入ったことを聞きました。お気になさらず

「…ㅋㅋあながち間違ってないです、僕の、愛する人への贈り物です…」

花屋¦じゃあ、お兄さんから水仙を貰える方はとても幸せですね、ㅋㅋ

花屋¦よし、出来ました!

クレジットカードで会計を済ませて花を受け取る

花屋¦恋人さん、喜ぶといいですね!

「…はい、ㅋㅋありがとうございました」

少し微笑んで俺は"あの海"へ向かう

あの時俺だけ生き残ってしまったのはなぜなんだろう…

そんなの、分かるわけない

分かりたくもない

「やぁ、ナムジュナ、今年も来たよ…」

號錫¦俺、やっぱりダメだ。ナムジュナが横にいないと、何も出来ないみたい、ㅋㅋ

號錫¦俺だけ運良く助かって…隣には冷たくなった君…受け入れ難いけど、受け入れないといけないから、指輪だけ、君の綺麗な指から抜き取って付けてた…

號錫¦指輪をみて、ナムジュナを思い出しても、嬉しさと寂しさが入り混じって泣いちゃうし…もう、俺、どうしようもないよ…

號錫¦一人の家、一人の寝室、一人のお風呂、一人のダイニング…

號錫¦いつだって一人なんだ…そうなはずなのに、どうしても君が隣にいてくれる気がして辛かった…

號錫¦俺に一人は無理みたい…ㅋㅋ

俺は砂浜に水仙を置く

夏なはずなのに冷たく打ち付ける海に向かって歩く

號錫¦今、そっちに行くよ…待っててナムジュナ…天国で俺ら、また幸せになろう…

俺はその言葉を最後に海の中へ身を沈めた

全然苦しくない

どうしてか嫌いなはずの海が凄く温かくて優しくて、まるでナムジュナみたいだったから

藻掻くことも出来ずに、受け入れた

まぁ、はなから藻掻こうなんて思ってなかったけどね…

ナムジュナ、いや、金南俊、、君を愛してる…愛を沢山、ありがとう

fin_

黄色い水仙の花言葉

愛して欲しい 愛に応えてください 私の元へ帰ってきて

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泣いた、

ユーザー

泣けた、…

ユーザー

うぅぅぅ😢

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