眞琴杏樹
眞琴杏樹
眞琴杏樹
絵里香の足が止まる
葛城絵里香
眞琴杏樹
眞琴杏樹
だったんだよね?
葛城絵里香
その名前を・・・
眞琴杏樹
眞琴杏樹
眞琴杏樹
ストーキングしてた
事があったの・・
葛城絵里香
絵里香が目を見開いて振り返る
眞琴杏樹
葛城絵里香
葛城絵里香
霞北中だったの?
眞琴杏樹
眞琴杏樹
葛城絵里香
確か女子校の・・
眞琴杏樹
眞琴杏樹
電車で痴漢に遭ったの・・
葛城絵里香
眞琴杏樹
眞琴杏樹
できなかった・・・
眞琴杏樹
くれたのが──
眞琴杏樹
葛城絵里香
眞琴杏樹
毎日朝は同じ電車で
通学してたんだ
葛城絵里香
眞琴杏樹
眞琴杏樹
好きになってた
葛城絵里香
眞琴杏樹
眞琴杏樹
しか思ってなかったの
葛城絵里香
眞琴杏樹
通学しないって先輩が
言ってるのを偶然聞いて
眞琴杏樹
眞琴杏樹
眞琴杏樹
眞琴杏樹
葛城絵里香
眞琴杏樹
うまく行ってなくて
眞琴杏樹
友達もいなかったから
眞琴杏樹
一緒に登校してる時だけが
眞琴杏樹
感じれる唯一の時間だった
葛城絵里香
眞琴杏樹
一人ぼっちになっちゃう
眞琴杏樹
逆戻りしちゃう
眞琴杏樹
眞琴杏樹
葛城絵里香
しちゃった!って訳ね
眞琴杏樹
眞琴杏樹
先輩のお母さんにまで
迷惑かけちゃって・・
眞琴杏樹
眞琴杏樹
って約束で
眞琴杏樹
霞町から引っ越したんだ
葛城絵里香
眞琴杏樹
諦めきれなかった
眞琴杏樹
耐えれなかった
眞琴杏樹
会えないんだって思ったら
耐えれなくて・・・
眞琴杏樹
先輩に会いに行っちゃったの
葛城絵里香
眞琴杏樹
学校の先生にまで迷惑
かけちゃって・・・
眞琴杏樹
葛城絵里香
眞琴杏樹
もう許してもらったんだけど
眞琴杏樹
眞琴杏樹
葛城絵里香
眞琴杏樹
蒸し返すみたいで悪いけど
眞琴杏樹
写真を見せたの・・・
葛城絵里香
眞琴杏樹
眞琴杏樹
葛城絵里香
眞琴杏樹
眞琴杏樹
葛城絵里香
葛城絵里香
眞琴杏樹
途中で帰っちゃったのだって
眞琴杏樹
だったんじゃなくて
眞琴杏樹
和久井さんだった
からなんだよね?
葛城絵里香
眞琴杏樹
絵里香ちゃんが楓咲だって
バレちゃうから
葛城絵里香
眞琴杏樹
杏樹は絵里香の手を 両手で優しく包み込む
眞琴杏樹
男の人たちが複数だった
って知ってるって事は
眞琴杏樹
襲うように依頼したのは
眞琴杏樹
葛城絵里香
眞琴杏樹
眞琴杏樹
葛城絵里香
杏樹からの思いがけない 言葉に驚く絵里香
葛城絵里香
眞琴杏樹
眞琴杏樹
眞琴杏樹
眞琴杏樹
辛くて悲しかったはず!
葛城絵里香
眞琴杏樹
辛いなんて言ってる
私なんかよりも、ずっと
眞琴杏樹
眞琴杏樹
葛城絵里香
葛城絵里香
葛城絵里香
私なんかのために)
葛城絵里香
眞琴杏樹
眞琴杏樹
行ってあげるから
眞琴杏樹
葛城絵里香
眞琴杏樹
眞琴杏樹
葛城絵里香
葛城絵里香
葛城絵里香
葛城絵里香
変わってんだよ)
葛城絵里香
葛城絵里香
葛城絵里香
眞琴杏樹
絵里香は杏樹を突き飛ばす
眞琴杏樹
杏樹はその場で 尻餅をつく
葛城絵里香
眞琴杏樹
葛城絵里香
葛城絵里香
眞琴杏樹
葛城絵里香
変わってんだよ!
葛城絵里香
止まったままなのに
葛城絵里香
前に進んでんだよ!
葛城絵里香
眞琴杏樹
眞琴杏樹
葛城絵里香
眞琴杏樹
葛城絵里香
会えなかったくらいで
葛城絵里香
甘えてるアンタを私を
葛城絵里香
眞琴杏樹
葛城絵里香
きくんじゃねーよ!
葛城絵里香
恨んでなんかない?
葛城絵里香
葛城絵里香
言いなさいよ!
眞琴杏樹
葛城絵里香
葛城絵里香
アンタを襲わせたのは
葛城絵里香
葛城絵里香
与えれる!
葛城絵里香
眞琴杏樹
そんな事しない!
葛城絵里香
葛城絵里香
人を判断すんなよ!
眞琴杏樹
眞琴杏樹
そんな人じゃない!
葛城絵里香
葛城絵里香
私の味方してくれんの?)
葛城絵里香
絵里香は教室から飛び出す
眞琴杏樹
眞琴杏樹
杏樹は絵梨香の背中にしがみつく
葛城絵里香
葛城絵里香
眞琴杏樹
感謝してるんだよ?
眞琴杏樹
出来た友達だから!
眞琴杏樹
危ない事させない!
葛城絵里香
眞琴杏樹
葛城絵里香
葛城絵里香
葛城絵里香
仲良くしてたから
葛城絵里香
いつか鮎原の寝首をかける!
葛城絵里香
葛城絵里香
葛城絵里香
葛城絵里香
眞琴杏樹
葛城絵里香
葛城絵里香
これが真実なんだよ!
眞琴杏樹
眞琴杏樹
くれたじゃん!
葛城絵里香
事故に見せかけて
殺すためだよ!
葛城絵里香
誤魔化しやすいからよ!
眞琴杏樹
眞琴杏樹
買いにいってくれだじゃん!
葛城絵里香
仕方なく行っただけよ!
眞琴杏樹
葛城絵里香
葛城絵里香
葛城絵里香
葛城絵里香
絵里香は背中を 壁に打ち付ける
眞琴杏樹
同時に杏樹も 壁と絵里香の背中に挟まれる
葛城絵里香
眞琴杏樹
葛城絵里香
葛城絵里香
葛城絵里香
眞琴杏樹
眞琴杏樹
眞琴杏樹
眞琴杏樹
葛城絵里香
葛城絵里香
流行んねーんだよ!
葛城絵里香
眞琴杏樹
杏樹と絵里香が揉み合う
葛城絵里香
葛城絵里香
葛城絵里香
絵里香が杏樹の制止を 力一杯振り解く
その時
眞琴杏樹
杏樹が足を滑らせる
葛城絵里香
杏樹は足を滑らせ 階段から転げ落ちる
眞琴杏樹
杏樹の後頭部からは 真っ赤な血が溢れ出る
葛城絵里香
葛城絵里香
絵里香は杏樹に駆け寄り 大声で呼びかける
葛城絵里香
葛城絵里香
葛城絵里香
目を開けて!杏樹!
眞琴杏樹
しかし杏樹は 打ちどころが悪かったのか 意識を失っており
絵里香がいくら 呼びかけようとも 応じる事はなかった
葛城絵里香
葛城絵里香
葛城絵里香
男性教諭
騒ぎを聞きつけた教師が 駆け寄って来る
葛城絵里香
眞琴杏樹
血を流して倒れる 杏樹を目の当たりにした教師は 目の色を変えて小走りで近づいて来る
男性教諭
葛城絵里香
葛城絵里香
男性教諭
男性教諭
葛城絵里香
程なくして教師の通報により 学校の校門前に 1台の救急車がやってきた
隊員は慣れた手つきで 杏樹を担架に乗せる
葛城絵里香
葛城絵里香
救急隊員
近づかないように
葛城絵里香
男性教諭
救急隊員
隊員は救急車に乗り込み 病院へ向かう
葛城絵里香
男性教諭
男性教諭
男性教諭
連絡してもらえるか?
葛城絵里香
葛城絵里香
絵里香は教室に戻ると 杏樹のバッグからスマホを取り出し
杏樹の母、杏里に電話をかける
眞琴杏里
葛城絵里香
葛城絵里香
眞琴杏里
眞琴杏里
ですよね?
葛城絵里香
葛城絵里香
通ってる葛城って言います
眞琴杏里
眞琴杏里
葛城絵里香
眞琴杏里
眞琴杏里
葛城絵里香
葛城絵里香
眞琴杏里
葛城絵里香
葛城絵里香
葛城絵里香
葛城絵里香
葛城絵里香
眞琴杏里
眞琴杏里
無事なの?
葛城絵里香
眞琴杏里
葛城絵里香
葛城絵里香
絵里香は流れる涙を 裾でぬぐい
教室から飛び出して 病院へ向かう
鮎原透
鮎原透
虹山愛莉
愛莉が大声で 透の名前を叫びながら 走って近づいて来る
鮎原透
鮎原透
虹山愛莉
鮎原透
鮎原透
どうかしたの?
虹山愛莉
虹山愛莉
虹山愛莉
頭打ったって・・・
鮎原透
虹山愛莉
運ばれたって!
鮎原透
鮎原透
虹山愛莉
虹山愛莉
ばっかりなんで
鮎原透
虹山愛莉
虹山愛莉
鮎原透
虹山愛莉
虹山愛莉
透と愛莉は車に乗り込み 杏樹が搬送された病院へ向かう
病院
透と絵里香が駆けつけた時には
手術中のランプはが点灯した 手術室の前で
杏樹の手術成功を祈る 待合室に杏里、絵里香、教師 3名の姿があった
鮎原透
眞琴杏里
眞琴杏里
虹山愛莉
おばさん!
軽く会釈をする
鮎原透
鮎原透
眞琴杏里
縫うだけの簡単な
ものらしいんですが
鮎原透
眞琴杏里
悪かったみたいで
眞琴杏里
眞琴杏里
杏里は顔を両手で覆う
虹山愛莉
鮎原透
透は隅で震えている 絵里香に近づく
葛城絵里香
鮎原透
鮎原透
お前と一緒に居る時に
鮎原透
滑らせたんだったな?
葛城絵里香
鮎原透
鮎原透
葛城絵里香
鮎原透
話しづらいだろ・・・
葛城絵里香
葛城絵里香
虹山愛莉
鮎原透
鮎原透
葛城絵里香
虹山愛莉
虹山愛莉
虹山愛莉
信じよう!ね?
葛城絵里香
絵里香はうつむいたまま 言葉を交わさない
虹山愛莉
絵里香は愛莉に応えないまま 透と2人で歩いていく
眞琴杏里
杏里は長椅子に腰を下ろし その場でうつむく
虹山愛莉
眞琴杏里
眞琴杏里
眞琴杏里
眞琴杏里
眞琴杏里
虹山愛莉
眞琴杏里
虹山愛莉
虹山愛莉
私だけ帰るわけには
いきませんから!
眞琴杏里
病院の屋上では 透と絵里香が向かい合う
鮎原透
葛城絵里香
鮎原透
鮎原透
鮎原透
葛城絵里香
葛城絵里香
葛城絵里香
葛城絵里香
鮎原透
ひとつだけだ
葛城絵里香
鮎原透
鮎原透
してねーよな?
葛城絵里香
鮎原透
鮎原透
鮎原透
鮎原透
杏樹ちゃんに手を
出したんだとしたら
鮎原透
葛城絵里香
鮎原透
葛城絵里香
気づくから・・
鮎原透
鮎原透
鮎原透
気づいてたってのか?
葛城絵里香
鮎原透
鮎原透
鮎原透
和久井から聞いたのか?)
葛城絵里香
揉み合ってるうちに
鮎原透
足を滑らせた!
って事か・・・
葛城絵里香
葛城絵里香
しちゃった
絵里香は涙を流しながら その場にうずくまる
鮎原透
葛城絵里香
葛城絵里香
そう・・言ってくれたのに
葛城絵里香
葛城絵里香
葛城絵里香
鮎原透
葛城絵里香
葛城絵里香
葛城絵里香
鮎原透
葛城絵里香
葛城絵里香
鮎原透
鮎原透
葛城絵里香
鮎原透
俺のせいじゃなかったって
葛城絵里香
葛城絵里香
鮎原透
お前の母親が来た
葛城絵里香
葛城絵里香
お母さんが・・・
鮎原透
葛城絵里香
鮎原透
その金を使うのが
申し訳なかったらしい
葛城絵里香
葛城絵里香
葛城絵里香
葛城絵里香
ぶってんのよ!アイツ・・
鮎原透
鮎原透
鮎原透
葛城絵里香
葛城絵里香
喋んじゃねーよ!
鮎原透
葛城絵里香
葛城絵里香
アンタのせいじゃないよ!
葛城絵里香
葛城絵里香
アンタしかいない・・・
鮎原透
鮎原透
お前を突き放さずに
鮎原透
話しを聞いてやってたら
鮎原透
葛城絵里香
葛城絵里香
絵里香はナイフを 透に突きつける
葛城絵里香
葛城絵里香
葛城絵里香
鮎原透
葛城絵里香
葛城絵里香
鮎原透
葛城絵里香
死ぬはずだったんだから
葛城絵里香
鮎原透
葛城黒江
葛城絵里香
葛城絵里香
葛城絵里香
葛城絵里香
葛城黒江
葛城黒江
葛城絵里香
葛城絵里香
何言ってんだよ!
葛城絵里香
葛城絵里香
葛城絵里香
ならなかったんだよ!
鮎原透
鮎原拓郎
お母さんだ・・
鮎原透
鮎原拓郎
件で電話をもらってから
鮎原拓郎
お連れしたんだ
鮎原透
葛城黒江
葛城黒江
真実を話したわ!
葛城黒江
葛城絵里香
葛城絵里香
抱え込むな!とでも
言うつもりかよ!
葛城絵里香
葛城黒江
葛城絵里香
全部・・全部全部
葛城絵里香
葛城絵里香
葛城絵里香
葛城絵里香
数日前
葛城黒江
葛城黒江
葛城黒江
葛城黒江
鮎原拓郎
鮎原拓郎
葛城黒江
鮎原拓郎
お聞かせください
葛城黒江
葛城黒江
6年前の話になります
鮎原拓郎
鮎原拓郎
15歳の時ですね
葛城黒江
葛城黒江
仕事が早めに終わったので
葛城黒江
早めに帰宅したんです
葛城黒江
鮎原拓郎
葛城黒江
主人と娘が・・・
葛城黒江
現場に出くわしました
鮎原拓郎
葛城黒江
葛城黒江
というヤツです・・・
鮎原拓郎
葛城黒江
問いただしました
葛城黒江
交わることなど
あってはならないと!
楓咲黒江
何を考えてるの?
楓咲黒江
分かってるの?
楓咲乙彦
楓咲黒江
娘とするなんて・・
楓咲乙彦
楓咲黒江
楓咲絵里香
楓咲黒江
楓咲絵里香
言ったの!
楓咲絵里香
楓咲絵里香
楓咲黒江
関係ないの!
楓咲黒江
楓咲黒江
父親と娘が体の関係に
なるなんて事は
楓咲黒江
楓咲絵里香
楓咲黒江
言ったらどうなの?
楓咲乙彦
楓咲黒江
楓咲黒江
知ってたうえで
絵里香としてたんでしょ?
楓咲黒江
楓咲乙彦
楓咲黒江
問題じゃないわ!
楓咲絵里香
楓咲黒江
家族とは思えないわ
楓咲黒江
楓咲乙彦
楓咲乙彦
楓咲黒江
アナタが持ってね?
楓咲黒江
体の関係になった
娘を育てるなんて
楓咲黒江
楓咲絵里香
楓咲黒江
ここまでにしましょう
楓咲黒江
次の瞬間
楓咲絵里香
絵里香は手で口元を押さえ 洗面所に走り出す
楓咲黒江
楓咲乙彦
楓咲黒江
楓咲黒江
楓咲乙彦
楓咲黒江
黒江は血相を変えて 絵里香の後を追う
楓咲絵里香
楓咲絵里香
絵里香は洗面台に嘔吐する
それは明らかに つわりの症状だった
楓咲絵里香
楓咲黒江
楓咲黒江
楓咲黒江
楓咲絵里香
楓咲黒江
楓咲絵里香
絵里香は黙って首を縦に振った