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それは突然やって来た
眼前にいるのは、着崩した着物を纏った幼い女児
数日前に死んだ、剣術家だった父の仏前に腰を下ろし
彼女は、大上段から見下す目線でそう言った
アキラ
アキラ
アキラ
アキラ
夜9時
弔問客が来るには非常識な時間で
なにより、チャイムも鳴らされていない
寝る前に仏前で手を合わせようと和室に入ると
当然の如く仏前にいたのがこの女児だった
???
???
アキラ
女児が自分の口元をするりと撫でると同時に
アキラの唇は、まるでジップ式袋のように開かなくなった
アキラ
???
???
???
???
アキラ
アキラ
???
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亀姫
亀姫
アキラ
亀姫
亀姫
亀姫
そう言って、亀姫と名乗った女児は
先ほどと逆方向に唇を撫でる
アキラ
アキラ
亀姫
アキラ
アキラ
亀姫
亀姫
亀姫
アキラ
アキラ
亀姫
亀姫
亀姫
亀姫
アキラ
亀姫
亀姫
幼い姿に見合わぬ眼光で睨みつけられ
思わずアキラが怯んだ瞬間だった
母親
アキラ
アキラ
亀姫
亀姫
母親
アキラ
全て了承しているかのような冷静さに、アキラの焦りが募っていく
それを理解した様子で眉尻を下げ、母親はわずかに唇を噛んだ
母親
母親
母親
母親
渡されたのは、日本刀だった
稽古用の模造刀ならば、アキラも数回使ったことがある
しかしその重さがそれと明らかに違うことに気付き
アキラは片眉を上げた
アキラ
疑問符に、答える声はない
あれよあれよという間に身支度を調えられ
気がつけば、アキラは亀姫の後ろをついて歩いていた
アキラ
亀姫
アキラ
アキラ
亀姫
言葉をさえぎり、亀姫が歌うように話しはじめる
アキラ
亀姫
亀姫
亀姫
亀姫
アキラ
亀姫
亀姫
アキラ
アキラ
亀姫
亀姫
亀姫
アキラ
亀姫
亀姫
亀姫
アキラ
アキラ
亀姫
アキラ
躊躇した様子を見せた瞬間、問答無用で蹴り込まれる
アキラ
亀姫
亀姫
アキラ
亀姫
池の中からは、何本もの腕が生えていた
アキラ
街灯の光にてらてらと反射を見せるそれが
まるでヒルかナメクジのように腕や足にしがみつく
それだけでなく下へ下へと引き込もうとするその力強さに
アキラは水に触れている以外の寒気を覚えた
亀姫
亀姫
アキラ
亀姫
亀姫
嘲笑に、手に持った刀を見る
しかし蠢く腕を斬りつけることに躊躇する目に気付くと
亀姫は呆れたため息を吐いた
亀姫
亀姫
亀姫
アキラ
アキラ
人を斬れる物を使うためには、大義と覚悟を必要とする
生前、父親が毎日のように言っていた言葉だった
亀姫が悪霊と称したこの手がヤバい物だと理解していても
アキラはコレを、つまりは人の命だった物だと理解した
だからこそそれを斬る大義が自分にあるかを悩み
鯉口を切ることもできない
それを察し、亀姫は知らぬ振りで口を開いた
亀姫
亀姫
亀姫
亀姫
亀姫
亀姫
瞬間、水しぶきが水平に走った
アキラ
音もなく切られた鯉口から先には
もはや水滴さえついていない
ぐるりと取り囲んでいたはずの手はことごとく横断され
風が鳴くような声を上げてサラサラと砂になっていた
亀姫
亀姫
亀姫
アキラ
亀姫
アキラ
亀姫
亀姫
その目は明らかに、親しい友人の死を悲しんでいた
アキラ
亀姫
アキラ
アキラ
亀姫
亀姫
アキラ
アキラ
アキラ
亀姫
亀姫
亀姫
亀姫
アキラ
アキラ
コメント
17件
えええ読み切り…🥺 井之上さん、こういうファンタジー系得意ですものね…🤔 はい…好きなので 続編読みたいです🤗 え、書いてくれますよね😍 すごいキャラも設定も好きですし、バトル…というかそういう系統の あまり読まないので読みたいですね…😁 ってことで、待ってますね😌 井之上さんを愛しているチョコより🥰
コンテストに参加ありがとうございます_(._.)_とてもかっこいいお話でした!
これ読み切りなのかー! いや、いつか続きが読める日が来るのかな···?(。-∀-)