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体育祭が終わり、 夕方の校舎には、 まだ熱気が残っていた
クラスメイトA
クラスメイトA
誰かの声をきっかけに、 教室がざわつく
クラスメイトB
伊集院瑛二
丸山元
クラスメイトA
クラスメイトB
次々と上がる声
私は少し離れた席で、 その様子を見ていた
花
胸の奥が、きゅっと縮む
人が多い場所 男子だらけ しかも、夜
楽しかった今日とは違う、 不安がよぎる
蓮
蓮
花
花
花
蓮
私はそれだけ答えて、 視線を逸らした
家に帰ると、 玄関の電気がついていた
花
母
キッチンからは、 母の声が聞こえる
私は靴を脱ぎながら聞く
花
母
花
制服のままリビングに入ると、 母が湯呑みを 差し出す
母
母
花
母
母
花
母
母
花
花
母
私は戸惑って、言葉を探す
花
母
母は、優しく名前を呼ぶ
母
母
母
花
母
母は、私の肩に手を置いた
母
花
母
母は少しだけ、 声を柔らかくする
母
花
その言葉に、胸の奥が温かくなる
花
花
母
母は、いつもの笑顔で手を振った
私は一度部屋に戻って 服を着替え
玄関を出て、 夜の空気を吸い込む
花
そう、心の中で 言い聞かせながら、 集合場所へ向かった
焼肉店の前まで来たものの
私は、なかなか扉を 開けられずにいた
店の中からは、 笑い声と、肉の焼ける音
……入ったらもう、逃げられない
私は、足がすくんだ
その時
「花?」
花
背後から、聞き慣れた声がした
振り向くと、白崎君が立っていた
蓮
花
花
蓮
蓮
花
蓮
蓮
蓮
花
二人で中に入ると、 すでにクラスのみんなが 席についていた
クラスメイトA
クラスメイトB
陽斗
炎城寺大
丸山元
網の上では肉が じゅうじゅうと音を立て
丸山君は、 すでに三皿目に突入している
クラスメイトA
丸山元
私と蓮は、 自然と端の席に座った
炎城寺大
炎城寺君が立ち上がる
炎城寺大
グラスを持ち上げ、 言葉を続けようとした瞬間だった
炎城寺大
炎城寺君の声がつまる
蓮
その瞬間
炎城寺大
炎城寺君は泣き出した
蓮
クラスメイトA
一斉に笑いが起きる
クラスメイトB
陽斗
炎城寺君は、 目を赤くしながら叫んだ
炎城寺大
炎城寺大
炎城寺君は、私の方を見る
炎城寺大
クラスメイトA
クラスメイトB
丸山元
次々と飛ぶ声
私は慌てて首を振る
花
花
「いや」
花
蓮
蓮
私は、言葉を失う
陽斗
花
私は、戸惑いながら立ち上がる
たくさんの視線。 胸が、少しだけ苦しくなる
だけど──
花
花
花
花
一瞬、場が静かになった
花
グラスを持つ手が、少し震える
花
私は顔を上げた
花
花
花
一拍の沈黙
そして──
蓮
グラスが一斉に上がる
乾杯!!
その音に包まれながら、 私は、胸の奥が温かくなるのを 感じていた
打ち上げが終わり、 焼肉店を出ると、 夜風が少しひんやりしていた
蓮
花
蓮
蓮
「送ってくよ」
二人並んで、夜の道を歩く
さっきまでの喧騒が嘘みたいに、 周りは静かだった
蓮
花
蓮
花
短い会話だけど、 不思議と居心地がいい
街灯の下を通るたび、 二人の影が並んで伸びる
蓮
花
蓮
蓮
花
蓮
蓮
蓮
私は、驚いて白崎君の方を見る
花
蓮
蓮
花
花
家の前に着く
玄関の灯りが、 ぽつんと光っていた
花
蓮
名残惜しそうに、 白崎君は立ち止まる
花
私が言うと、 白崎君は小さく息を吸った
蓮
その声は、いつもより低い
私は振り返った
蓮
蓮は、何か言おうとして 口を開いた
だけど──
蓮
蓮
花
蓮
蓮
白崎君は笑った
花
そう言って私は 扉を開けて家の中に入った
中に入ってからも、 胸の奥が少しだけ ざわついていた
蓮
蓮
蓮
そう思いながら、 夜空を見上げる
──その言葉は、 まだ、胸の中にある
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